東京湾を渡るもう一つの道路、「東京湾口道路(仮称)」の構想が再び注目される中、この未来の交通インフラが東京湾フェリーに与える可能性のある影響について整理しました。
東京湾口道路とは何か
東京湾口道路は、神奈川県横須賀市と千葉県富津市をつなぐ、約17kmの海峡横断道路構想です。東京湾アクアラインの北側に位置し、第2のアクアラインとも言われています。現在は事実上凍結状態ですが、関係自治体が事業化を再度要望しています【参照】。
東京湾フェリーの現在の役割と歴史
東京湾フェリーは久里浜-金谷間を約40分で結ぶ航路で、自動車と旅客の双方を輸送しています。1972年のピーク時は年間280万人を輸送していましたが、その後アクアライン開通やETC割引で利用客は激減し、現在では年間100万人以下となっています【参照】。
道路完成がフェリーに及ぼす影響は?
仮に湾口道路が完成すれば、車両移動はトンネルまたは橋を使ってわずか数十分で移動可能となり、フェリーの優位性はさらに低下する可能性があります。ただし、フェリーは“ドライブ以外の旅情や観光性”を提供でき、完全な代替とはなりにくい部分もあります。
フェリーの存続または廃業への見通し
過去にはアクアラインの開通でも利用者が半減した実績があり、道路が完成すれば更なる利用客の落ち込みは避けられないでしょう。しかし完全廃業まで追い込まれるかは、観光需要や自治体支援、意外性のある利用の維持などに左右されるため、一概には断言できません。
実例と今後の展開予想
たとえばアクアライン開通後の1998年にはフェリー利用者が約280万人から194万人に減少し、ETC値下げ後には98万人にまで落ち込みました【参照】。
東京湾口道路は交通の便を劇的に改善する可能性がある分、フェリーの運航に大きな影響を与えることは間違いありませんが、現時点ではまだ構想段階であり、実現性や時期も不透明です。
まとめ
東京湾口道路が実現すれば、交通手段としては圧倒的に道路優先となり、東京湾フェリーの利用価値は減少する可能性が高いです。
しかし、フェリーは依然として観光資源や地域の魅力としての役割を持ち続けており、廃業に追い込まれるかどうかは多くの要因が関係します。


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