新東名高速道路では、一部区間で制限速度が120km/hに引き上げられたことが話題となっています。高速道路の速度が上がる一方で、実際には120km/hで走行していても追い越される場面が増えているようです。本記事では、制限速度と実際の走行速度のギャップや、日本のドライバーの意識、そして若者の交通観の変化について多角的に解説します。
新東名の120km/h制限区間と現実の走行事情
新東名の一部区間では、先進的な道路設計により制限速度が120km/hに引き上げられています。これは道路構造、視認性、カーブの少なさ、路面状態の良さが評価された結果です。
しかし実際の交通状況を見ると、追い越し車線を120km/hで走行していても、より速い車が背後から迫ってくる場面が多くあります。制限速度を超過する車両も多く、右車線での長時間走行は注意が必要です。
燃費重視ドライバーとスピード重視ドライバーの二極化
昨今のガソリン価格高騰や環境意識の高まりから、100km/h程度で走行する燃費重視のドライバーも増えています。特にハイブリッド車や軽自動車では、100km/h走行が最も燃費効率が良いという意見も多く聞かれます。
一方で、車の走行性能を楽しみたい、移動時間を短縮したいという理由で、よりスピードを出すドライバーも一定数存在しています。
若者の車離れとドライビング志向の変化
以前の若者像では「速いクルマ」「改造車」などへの憧れが強く、スピード志向の傾向が見られました。しかし近年では、「安全性」「経済性」「快適性」を重視する傾向が強まっており、スピードよりも安定した運転を好む層が増えています。
こうした背景には、都市部での交通環境の変化や、SNSやデジタルコンテンツに費やす時間の増加も関係していると考えられます。
道路交通法と意識のズレ
日本の交通文化は「安全運転」「譲り合い」を基本とするため、速度制限に対する意識が比較的高い国といえます。欧州のアウトバーンのような速度無制限区間とは異なり、法定速度や規範の尊重が強く求められる傾向にあります。
そのため「120km/hで走っているのに避けられる」という体験は、制限速度内での行動であっても、他車のスピード志向とのギャップが顕在化した例ともいえます。
今後のスピード文化と交通の未来
自動運転や高度運転支援システム（ADAS）の普及により、今後は速度よりも「一貫性ある流れ」や「交通全体の効率」が重視される社会に向かうと見られています。
速さだけを追い求めるよりも、安全と快適性を共存させるバランスの取れた交通文化が、日本のインフラとマッチしているといえるでしょう。
まとめ：日本の道路文化は「速さ」よりも「調和」へ
新東名の120km/h制限区間での「それでも遅く感じる」現象は、ドライバーの価値観の違いを反映しています。スピードに対する考え方は時代や世代によって大きく変化していますが、日本では「燃費」「安全」「社会性」といった要素が重視される傾向にあります。
速さを楽しむ文化も否定されるべきではありませんが、交通の主役はあくまで「共有空間における他者との共存」であることを意識したいところです。
コメント