高速道路を走っていると、中央分離帯に木や植栽がある道路と、コンクリートの壁やワイヤーロープで仕切られた道路を見かけます。実際に「植栽がある道路=古い高速道路なのか?」という疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、その背景と現在の設計思想について解説します。
中央分離帯に植栽が導入された理由
日本で高速道路が整備され始めた1960年代から1980年代にかけて、多くの区間で中央分離帯に植栽が設けられました。その目的は、対向車線からのヘッドライトの眩しさを遮ること、走行中の心理的な圧迫感を和らげること、景観を良くすることなどが挙げられます。
当時はコンクリートの壁よりも、自然の緑を活かした設計が好まれており、「ドライバーの疲労軽減」にもつながると考えられていました。
植栽のある高速道路は古い証拠?
確かに、現在新設される高速道路では中央分離帯に大きな植栽を設けることは減少しています。これはメンテナンスコストや視界の確保、事故時の二次被害防止の観点から、安全柵やコンクリート壁、ワイヤーロープへ移行しているためです。そのため「植栽がある=古い時期に整備された道路」という傾向はあります。
しかし、一概に「古いから危険」というわけではなく、古い道路でも改修工事によって中央分離帯の安全設備が更新されているケースもあります。
植栽と安全性の関係
植栽は視覚的な快適さを提供する一方で、事故の際に車両が植栽を突き抜けて対向車線に進入するリスクがあることも課題とされました。そのため、近年ではワイヤーロープ式防護柵やコンクリート製のバリアが主流になっています。
また、植栽がある場合でも、樹木の根の管理や剪定を定期的に行い、走行の安全に配慮されています。安全性の観点から、植栽は補助的な役割に留められるケースが増えています。
代表的な事例
例えば、東名高速道路や名神高速道路の一部では、建設当初に植栽が多く取り入れられていましたが、現在は区間によってはワイヤーロープやコンクリートに置き換えられています。一方で、緑豊かな景観を重視して一部に植栽を残している区間も存在します。
また、新東名高速道路や新名神高速道路では、安全性を重視した設計となっており、中央分離帯にはほとんど植栽がなく、バリアやロープが整備されています。
まとめ
中央分離帯に植栽がある高速道路は、確かに比較的古い時期に建設された道路であることが多いですが、それは当時の設計思想や景観重視の考え方の表れです。現在では、安全性やメンテナンス効率を重視して植栽のない設計が増えています。ただし、植栽が残る道路でも適切な管理が行われており、必ずしも「危険」というわけではありません。高速道路の設計の変遷を知ることで、より安心してドライブを楽しむことができるでしょう。


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