「イタリアのへそ(ど真ん中)はどこだろうか?」という興味深い問い。実は、国土をひとつの図形として捉えたときに「ここが中心だ」といえる場所を決めるのは、地理・測量の観点から非常に難しい問題です。本記事では、複数の研究・説を整理しながら「イタリアの地理的中心」が指される場所をわかりやすく紹介します。
中心点を定める際の“そもそもの困難”
まず押さえておきたいのは、国土の「中心」を定めるには〈どの地域をどう扱うか〉というルールが影響するということです。島や半島、領海、測量法などが異なると、算出結果も変わります。たとえば、Istituto Geografico Militare(イタリア軍地理研究所)は、「不規則な形をした国の“正確な中心”を決定するのは困難」と述べています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
このため、同じイタリアでも「半島部のみ」「島を含む」「行政区画をどう扱うか」で“中心”の候補地が複数存在します。後述しますが、「ペニンシュラ(本土)部の中心」「国家全体としての中心」など観点が異なれば場所も変わってきます。
もっとも有力な候補:Ponte Cardona(ウンブリア州ナルニ近郊)
イタリアのペニンシュラ部(本土部)において最も広く紹介されているのが、Narni(ウンブリア州テルニ県)にあるPonte Cardona周辺です。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
研究者の Giuseppe Angeletti が2006年に発表したデータでは、座標「緯度 N 42°30′15.5″/経度 E 12°34′21.5″」が本土部の中心として提示されています。:contentReference[oaicite:6]{index=6} また、この場所には記念の石碑・印が設けられており、観光的なスポットとしても紹介されています。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
なぜここが挙げられるのか
本土部の地理的な極点(西・東・北・南)を結んだ“重心”を算出することで導き出された場所とされ、実際に現地には「触ってもよい中心印」があるなど観光要素もあります。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
実際の“現地体験”から
例えば、ボスケットの森を抜ける散策ルートを通って、古いローマ時代の水道橋(アクアエドット)沿いに歩き、石碑に手を触れるという体験が紹介されています。:contentReference[oaicite:9]{index=9}
その他の“中心”候補地とその背景
ただし、Ponte Cardonaだけが唯一の“中心”とは言えません。国内では他にも以下のような候補地があります。:contentReference[oaicite:10]{index=10}
- Piazza San Rufo(ラツィオ州リエーティ):都市中心部に位置し、「中心点」として伝統的に扱われることがあります。
- Foligno(ウンブリア州):別の測量手法・重心の考え方で算出された“中部イタリア”の中心候補です。
- Orvieto(ウンブリア州):オランダの地理機関が提示した説ではこの近辺が“国家全体”の中心とする場合もあります。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
これらのバリエーションがあることは、「中心」の定義が一つではないという好例です。
「国家全体としての中心」は異なる観点で議論される
イタリア本土だけでなく、島嶼(シチリア・サルデーニャ)を含めた国家全体を捉えると、中心点が変わってくるという指摘があります。実際にニュース記事ではこう記されています:「複数の測定基準により、中心点には複数の候補が存在する」:contentReference[oaicite:15]{index=15}
そのため、「イタリアのへそ」とひとことで言っても、〈ペニンシュラ部限定〉〈島を含む国家全体〉〈行政区画や地形込みで重心を取る手法〉など、前提条件によって答えが変わります。読者としてはまず「どの定義で“へそ”を求めるのか」を押さえておくことが重要です。
実際に訪れる際のポイントと注意点
もし「中心」を訪ねてみたいというならば、前述のPonte Cardona(ナルニ)あたりがもっとも観光的にも実用的な候補です。森の散策路や石碑などが整備されています。:contentReference[oaicite:16]{index=16}
ただし次の点に注意しましょう:
・アクセスが徒歩または散策路のケースが多く、公共交通では少し不便な場合あり。
・他の候補地もあるため「唯一の中心地」として考えないこと。
・天候や標識の有無により体験に差があるため、事前に現地情報を確認しておくこと。
まとめ
結論として、「イタリアのへそ」を一言で明確に示すことは難しいものの、もっとも広く紹介されている候補地はウンブリア州ナルニ近郊、Ponte Cardona周辺の座標「42°30′15.5″ N/12°34′21.5″ E」です。
ただ、これはあくまで「本土部(ペニンシュラ)」の中心という定義によるものであり、島嶼を含める国家としての中心とは異なります。
旅の話題として、あるいはジオグラフィー好きな方には、こうした“ど真ん中”探しは興味深い探検になります。もし訪問や研究をされるなら、該当地域の観光案内や地理資料を活用されることをおすすめします。

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