ブラジルのコルコバードの丘に立つ「キリスト像」と、鹿児島にある「やごろうどん」の像は、一見すると似た姿勢をとっているように見えるため、パクリではないかという疑問が浮かぶことがあります。しかし、これらの像がそれぞれどのように作られたか、その歴史的背景や意図を理解することで、両者の関係性について明確にすることができます。
コルコバードの「キリスト像」について
ブラジル、リオデジャネイロのコルコバードの丘に立つ「キリスト像」は、1931年に完成したもので、正式名称は「クリスト・ヘデントール」(Cristo Redentor)です。高さ30メートルに及ぶこの像は、キリスト教信仰の象徴として、ブラジルだけでなく世界中で知られています。この像はフランスの彫刻家ポール・ランドウスキーがデザインし、ブラジル人エンジニア、エイター・ダ・シルヴァ・コスタが設計に関わりました。コルコバードのキリスト像は、世界の新七不思議の一つにも選ばれています。
鹿児島の「やごろうどん像」について
一方、鹿児島県曽於市にある「やごろうどん像」は、やごろうどんという郷土料理を象徴するものとして建てられました。この像は、ユーモアを交えた地域のキャラクター的存在であり、宗教的な意図を持つものではありません。やごろうどんは、地元で親しまれる料理で、その名前と姿をPRするために作られた像です。
両者に類似点はあるのか?
確かに、コルコバードのキリスト像とやごろうどん像は、両腕を広げたポーズが似ているため、一部の人々が「パクリではないか」と感じることがあるかもしれません。しかし、両者は全く異なる目的と背景を持っています。キリスト像は信仰を象徴するものであり、やごろうどん像は地域の食文化をユーモラスに表現したキャラクターです。
さらに、両像のデザインや作成過程には、直接的な関係性や模倣の意図は認められません。むしろ、ポーズの類似は偶然の一致と考えられます。
「パクリ」疑惑の結論
結論として、コルコバードのキリスト像と鹿児島のやごろうどん像が「パクリ」であるという主張は、根拠が薄いと言えます。両者はそれぞれ異なる目的で作られており、デザイン的にも歴史的背景も大きく異なります。像が似ているように見えるのは偶然の産物であり、模倣の意図は存在しないと考えるのが妥当です。
まとめ:像はその背景を理解して鑑賞しよう
像やモニュメントは、それぞれの地域や文化を反映したものです。キリスト像とやごろうどん像は、見た目の一部が似ているとはいえ、背後にある意味や目的が全く異なります。こうした背景を理解することで、より深く像を鑑賞することができるでしょう。
コメント