株主じゃなくても航空会社の株主優待割引は使える?ANA・JALの国内線と優待券購入時の注意点を解説

飛行機、空港

ANAやJALなどの国内線を探していると、「株主優待割引」「株主優待券利用」と書かれた航空券を見かけることがあります。「株主優待」という名称から、航空会社の株を持っている本人しか利用できないように感じますが、実際には株主本人以外が利用できる株主優待制度もあります。

特にANAでは、公式に株主本人だけでなく家族や友人も株主優待番号を利用できると案内しています。JALも株主割引について「搭乗日に有効な株主割引券をお持ちの方」が利用できる制度として案内しており、利用条件として搭乗者本人が株主であることを求める記載にはなっていません。

ただし、「株主以外でも使える」と「どこで買っても安全」という話は別です。航空会社公式サイトから株主優待割引運賃を予約する場合、金券ショップなどで優待券を入手する場合、旅行会社が優待券込みの航空券を販売している場合では仕組みが異なります。この記事では、株主以外でも株主優待を利用できるのか、ANAとJALのルール、予約方法や注意点を整理します。

ANAの株主優待割引は株主本人以外でも利用できる

ANAの株主優待制度では、一定数以上のANAホールディングス株式を保有する株主へ「株主優待番号ご案内書」が発行されます。この番号を利用すると、対象となるANA国内線の「株主優待割引」を利用できます。

重要なのは、ANAが公式サイトで「株主様ご本人だけでなく、ご家族やご友人でも利用可能」と明記していることです。つまり、実際に飛行機へ乗る人がANAホールディングスの株主である必要はありません。

たとえば親がANAの株主で株主優待番号を持っている場合、その番号を子どもや友人の国内線航空券に使用することができます。搭乗者と株主の氏名が一致していなくても、それだけを理由に利用できない制度ではありません。

[参照] ANAホールディングス「ANA国内線ご優待」

ANA株主優待番号1つで使えるのは1人・片道1区間

ANAの従来型の株主優待割引では、株主優待番号1つにつき、大人・小児ともに1人の片道1区間へ利用できます。

たとえば東京(羽田)から福岡まで1人で片道利用するなら1つ、往復するなら原則として往路と復路にそれぞれ株主優待番号が必要になります。2人で同じ片道便へ乗る場合も2つ必要です。

「株主優待券1枚を持っていれば家族全員が割引になる」という仕組みではないため、人数と利用区間に応じて必要な優待番号の数を確認する必要があります。

JALも「株主割引券を持っている人」が利用する仕組み

JALには「株主割引」という国内線運賃があります。JAL公式サイトでは、搭乗日に有効な「株主割引券」を持っている人が利用でき、券面に記載された発券用コードが必要と案内されています。

JALの案内も「搭乗者本人が日本航空の株主であること」を利用条件としているのではなく、有効な株主割引券を利用して対象運賃を購入する仕組みになっています。

そのため、株主から家族などへ渡された有効な株主割引券を使って、株主本人以外がJALの株主割引運賃を利用することもできます。

[参照] JAL「株主割引ご利用案内」

「株主優待券」と「株主優待割引の航空券」は別物

株主優待を初めて使うときに分かりにくいのが、「優待券そのもの」と「その優待を使って購入した航空券」の違いです。

株主優待券・株主優待番号は、それだけで飛行機へ乗れる搭乗券ではありません。優待番号などを利用して対象となる株主優待運賃の航空券を予約・購入し、その航空券で搭乗します。

たとえばANAなら、株主優待番号を持っていても、予約をせず空港へ行けばそのまま搭乗できるわけではありません。希望便を株主優待割引で予約し、必要な購入手続きを完了する必要があります。

金券ショップなどで株主優待券が売られている理由

航空会社の株主優待券は、株主本人以外でも利用できることから、金券ショップなどで取り扱われることがあります。

たとえば株主が自分では飛行機へ乗らず、発行された優待券を使い切れない場合があります。その優待券が市場へ出回り、必要な旅行者が入手して株主優待運賃を予約するという流れです。

したがって「自分は株主ではないのに株主優待券を購入して使ってよいのか」という点については、少なくともANAの株主優待割引は株主本人だけに利用者を限定していません。ただし、購入した優待番号が有効であることは必ず確認する必要があります。

旅行会社が「株主優待券込み航空券」を販売するケースもある

オンラインの旅行会社や航空券販売サイトでは、「株主優待割引」「株主優待券利用」と表示された航空券を販売している場合があります。

このタイプでは、利用者自身が株主優待券を準備するのではなく、旅行会社側が優待券を手配し、それを使った航空券とセットで販売していることがあります。

その場合、表示価格に優待券代が含まれているのか、別途必要なのか、変更・取消条件がどうなっているのかを確認することが重要です。「株主優待だから航空会社公式価格の半額になる」と単純に考えず、最終支払額で比較しましょう。

株主優待割引は必ずしも一番安い航空券ではない

「約50%割引」と聞くと、株主優待が常に最安に思えるかもしれません。しかし航空券には早期購入型やセール型など、さまざまな運賃があります。

ANAの株主優待割引は、ANA指定の基準運賃から約50%割引となる制度です。そのため、搭乗日によっては早めに予約した通常の割引運賃やセール運賃のほうが安くなることがあります。

たとえば株主優待割引が18,000円でも、同じ便の別の割引運賃が13,000円なら、株主優待を使う金銭的メリットはありません。優待券を金券ショップなどで購入するなら、その購入代金まで含めて比較する必要があります。

株主優待運賃のメリットは価格だけではない

株主優待運賃は、単に安さだけで選ばれるものではありません。予約変更の条件が比較的柔軟なことなどがメリットになる場合があります。

JALの株主割引は、公式の利用案内で予約変更可能な運賃として案内されています。ANAについても株主優待割引は、搭乗時期の運賃制度に基づいた条件が設定されています。

「予定が変わる可能性があるので格安運賃より変更しやすい航空券がほしい」という場合には、単純な最安価格以上の価値があることがあります。ただし変更時に同じ運賃の座席があるかなどの条件は確認してください。

株主優待券には有効期限がある

株主優待券を自分で入手する場合に最も注意したいのが有効期限です。航空会社の株主優待はいつでも無期限に使えるものではありません。

ANAでは、株主優待番号ご案内書に利用できる搭乗期間が設定されています。2026年現在は制度変更も行われているため、入手した券面や公式サイトで対象期間を確認することが重要です。

金券ショップなどで安い優待券を見つけても、搭乗予定日には期限切れになるものなら利用できません。「購入日」ではなく実際の搭乗日に有効かを確認しましょう。

ANAでは2026年から株主優待制度が一部拡充されている

ANAホールディングスは2026年度上期分から株主優待制度を一部変更しています。従来の国内線「株主優待割引」に加えて、ANA国内線の「シンプル」運賃を5%割引する株主向けプロモーションコードなども新設されました。

そのため「ANAの株主優待」と検索すると、約50%割引になる従来型の株主優待番号と、シンプル運賃から5%割引になる新しい特典の両方が表示される場合があります。

両者は利用方法や対象運賃が異なるため、購入しようとしているものがどちらなのかを確認する必要があります。

[参照] ANAホールディングス「株主優待のご案内」

優待券を他人からもらった場合も番号の管理に注意

家族や知人の株主から株主優待番号を譲ってもらう場合は、その番号がすでに使用されていないことを確認してください。

株主優待番号は一度利用すると、同じ番号を別の航空券へ重複して利用することはできません。番号を第三者へ不用意に公開すると、他人に先に利用されてしまう可能性もあります。

SNSへ株主優待券の写真を掲載するときに、利用可能な番号やコードまで写してしまうのも避けたほうがよいでしょう。搭乗券や予約番号と同様に、優待コードも公開しないことが安全です。

航空券の名義は実際に搭乗する本人にする

株主優待券が株主本人以外でも利用できるとしても、航空券を株主名義で購入して別人が搭乗してよいという意味ではありません。

航空券は実際に飛行機へ乗る人の氏名で予約・購入します。株主優待番号の所有者と搭乗者は違っていても構いませんが、航空券そのものの搭乗者情報は正確に登録する必要があります。

たとえば父親が株主で、娘が旅行する場合には、「株主優待番号は父親から提供」「航空券の搭乗者名は娘」という形になります。父親名義の航空券を娘が使うという方法ではありません。

株主優待券を利用する基本的な流れ

一般的には、次のような流れで株主優待を利用します。

手順 内容
1 有効な株主優待番号・株主割引券を用意する
2 航空会社公式サイトなどで株主優待対象運賃を検索する
3 実際に搭乗する本人の名前で予約する
4 株主優待番号・発券用コードなどを登録する
5 航空券代金を支払い購入を完了する
6 予約した本人が搭乗する

実際の操作方法はANA・JALや購入チャネルによって異なります。予約画面の案内に従い、優待番号の登録期限などにも注意してください。

「株主優待航空券」を第三者サイトで買う場合は総額を確認

旅行会社などで株主優待利用の航空券を買う場合、航空会社へ直接支払う運賃とは別に、取扱料金や優待券代、事務手数料などが加算される場合があります。

そのため「株主優待50%割引」という言葉だけで判断すると、別の予約サイトや航空会社公式の通常割引運賃より高くなる可能性があります。

比較するときは、航空運賃+株主優待券代+取扱手数料+空港施設使用料などを含めた最終支払額を見るのが重要です。

変更やキャンセル条件も購入先ごとに確認する

航空会社公式サイトで株主優待運賃を直接予約した場合と、旅行会社を通じて購入した場合では、変更・取消の手続き方法が異なることがあります。

航空会社の運賃ルール上は変更できる航空券でも、旅行会社を通じて購入した場合は旅行会社での手続きが必要だったり、独自の手数料が発生したりする場合があります。

特に予定が変わる可能性がある旅行では、安さだけでなく「便変更できるか」「取消手数料はいくらか」「払い戻し窓口は航空会社か購入サイトか」まで確認してから購入すると安心です。

株主ではない人が利用するときのチェックポイント

株主優待を使って航空券を購入するときは、次の点を確認すると失敗しにくくなります。

確認項目 ポイント
株主本人である必要 ANAは家族・友人も利用可能。JALも有効な株主割引券を持つ人が利用する制度
優待券の期限 搭乗日に有効か確認
必要枚数 人数・片道区間数に応じて必要
航空券名義 実際に搭乗する本人名義にする
総額 優待券代や旅行会社手数料も含めて比較
変更条件 航空会社と購入サイト双方の条件を確認
優待番号 第三者へ公開しない

特に金券ショップなどで優待券を別途購入する場合は、有効期間と必要枚数を確認してから航空券を予約するとスムーズです。

株主になるために株を買う必要はない

「株主優待割引を一度使いたいだけなのに、ANAやJALの株式を購入しなければならないのか」と考える必要はありません。

株主として優待券の発行を受けるには、それぞれの会社が定める基準日に必要数の株式を保有する必要があります。しかし、すでに発行された搭乗用の株主優待券については、制度上株主以外でも利用できるものがあります。

旅行のために一回だけ使いたいのであれば、家族から譲ってもらうなど、株式保有以外の方法で有効な株主優待券を用意するケースもあります。株式投資そのものには価格変動リスクがあるため、「航空券を安くしたい」という理由だけで株式を購入する必要はありません。

まとめ:株主以外でもANA・JALの株主優待を使った航空券を利用できる

航空会社の「株主優待」という名称から株主本人専用に思えますが、株主以外でも利用できる国内線の株主優待制度があります。

ANAは公式サイトで、株主優待番号について「株主様ご本人だけでなく、ご家族やご友人でも利用可能」と明確に案内しています。株主優待番号1つにつき、大人・小児ともに1人の片道1区間で株主優待割引を利用できます。

JALについても公式の株主割引利用案内では、搭乗日に有効な「株主割引券」を持つ人が利用でき、発券用コードが必要とされています。搭乗者本人が株主であることを条件とする制度ではありません。

したがって、家族や知人から有効な株主優待券を譲ってもらった場合や、正規に入手した有効な優待券を持っている場合には、株主本人でなくても対象となる株主優待運賃の航空券を購入して搭乗できます。

ただし、株主優待券そのものは搭乗券ではありません。実際に乗る人の名前で航空券を予約し、有効な株主優待番号・発券用コードを登録して購入する必要があります。

また、株主優待割引が常に最安とは限りません。早期割引やセール運賃のほうが安い場合もあるため、優待券代や販売サイトの手数料まで含めた最終価格を比較しましょう。第三者の航空券販売サイトを利用する場合には、変更・取消条件や優待券代が価格に含まれているかも確認することが大切です。

[参照] ANAホールディングス「ANA国内線ご優待」

[参照] JAL「株主割引ご利用案内」

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