動物園にはライオン、ゾウ、キリン、パンダといった人気者がいる一方で、目の前を通ってもつい短時間でスルーしてしまう動物もいます。どの動物をじっくり見るかは人それぞれなので、「この動物は必ずスルーされる」という答えがあるわけではありません。
それでも、動物園で滞在時間が短くなりやすい動物にはいくつか共通点があります。身近に感じる動物、動きが少ない動物、展示場所で姿を見つけにくい動物などです。
ところが、そんな動物ほど少し立ち止まって観察すると意外な面白さが見つかります。ここでは、動物園で「ついスルーしがち」と感じられやすい動物と、それぞれの楽しみ方を紹介します。
スルーしがちな代表格は「身近に見える動物」
動物園へ行くと、普段は見られない珍しい動物を優先したくなるものです。そのため、シカ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ブタなど、牧場やふれあい施設でも見かける動物は比較的短時間で通過してしまう人もいるでしょう。
鳥類でも、ハトやカモなど普段目にする鳥に姿が似ていると、猛禽類や大型の鳥に比べて印象が薄くなることがあります。「せっかく動物園へ来たのだから珍しい動物を見たい」という心理は自然です。
ただし同じように見えても、実際には野生種だったり、日本では珍しい品種だったりすることがあります。展示名を確認してみると、身近な動物とはまったく違う生態を持っていることもあります。
カメやワニなど動きの少ない動物も通過しやすい
カメやワニなどは、タイミングによってほとんど動かないことがあります。数十秒見ても同じ姿勢のままだと、そのまま次の展示へ向かいたくなる人も多いでしょう。
一方で、動かないこと自体がその動物の生き方と関係しています。ワニが長時間じっとしている姿も、活動量や体温調節など、その動物ならではの生態を考えながら見ると印象が変わります。
例えば「動くまで見る」のではなく、目の位置、足の形、皮膚、呼吸などを観察してみる方法があります。派手な動きがない動物ほど、体のつくりを見る面白さがあります。
寝ている動物はどうしてもスルーされやすい
夜行性の動物などは、昼間の動物園では寝ていることがあります。せっかくライオンや大型ネコ科動物の展示へ行っても、遠くで横になっているだけなら数秒で立ち去ってしまうことも珍しくありません。
しかし「寝てばかり」という印象も、その動物の生活リズムを知るきっかけになります。人間と同じ時間帯に活発になるとは限らないため、活動時間を事前に調べて訪れるのも動物園の楽しみ方です。
動物園によっては給餌や飼育員による解説の時間を公開しています。お気に入りの動物がいつも寝ているなら、そうした時間に合わせて展示を訪れると違った姿を見られる可能性があります。
姿が見つからない小動物も「いない」と思って通り過ぎがち
大型動物と違って、木の上や岩陰に隠れる小型動物は発見するまで時間がかかります。展示を一度見渡して姿が見えないと、「今日は出ていないのかな」とそのまま通過してしまいがちです。
こうした展示では、先に動物そのものを探すより説明板を見るのも一つの方法です。「木の枝で休む」「岩陰を好む」といった習性が分かれば、探す場所を絞れます。
実例として、木とほとんど同じ色をした小動物が目の前の枝にいるのに、気づかず何人もの来園者が通過していくことがあります。見つけた瞬間の「そこにいたのか」という感覚は、動物園ならではの楽しさです。
逆にスルーしにくいのは大型・有名・動きのある動物
一般的には、ゾウ、キリン、ライオン、トラ、ゴリラなど、大型で知名度の高い動物は足を止めやすい存在です。遠くからでも発見しやすく、動いたときの迫力もあります。
さらに、その動物園を代表する動物には来園者が集まりやすくなります。「この動物を見るために来た」という目的が最初からあるためです。
ただし人気と観察の面白さは別物です。大型動物を10分見るより、小さな動物をじっくり観察したほうが面白かったということもあります。動物園の楽しみ方にランキングはありません。
スルーしがちな動物を楽しむ3つのコツ
普段なら通り過ぎる展示でも、観察方法を少し変えるだけで面白くなります。特におすすめなのが「何をしているか」ではなく「なぜそうしているのか」を考えてみることです。
- 体の特徴を見る:足、爪、歯、耳、目、毛、尻尾などを観察する
- 説明板を先に読む:生息地や食性を知ってから実物を見る
- 行動を予想する:次にどこへ移動するか、何を食べるかを観察する
例えばヤギなら「ヤギがいた」で終わらず、瞳の形、蹄、食べ方などを観察します。カメなら甲羅だけでなく、歩くときの脚や首の動きを見る。このように一つテーマを決めると、馴染みのある動物でも見え方が変わります。
全部の動物をじっくり見る必要もない
もちろん、動物園にいるすべての動物を同じ時間だけ見る必要はありません。大規模な動物園では展示数も多く、一つずつ長時間見ていたら一日で回り切れないこともあります。
「ライオンは絶対見る」「鳥類は軽く見る」「爬虫類館はじっくり見る」のように、自分の好みで時間配分を変えて構いません。むしろ好き嫌いがあるからこそ、動物園の回り方にも個性が出ます。
一度目は人気動物中心、二度目は前回スルーした展示中心という回り方もおすすめです。同じ動物園でもかなり違った体験になります。
まとめ:動物園でスルーする動物は人それぞれ。あえて立ち止まるのも面白い
動物園でスルーしやすい動物としては、シカ・ヤギなど身近に感じる動物、カメ・ワニなど動きの少ない動物、寝ている動物、姿を発見しにくい小動物などが挙げられます。ただし、これはあくまで人それぞれの好みによるもので、万人共通の「スルーされる動物」がいるわけではありません。
逆に考えると、普段なら通過してしまう展示に1~2分余計に立ち止まるだけで、新しい発見ができます。体の形や食べ方、隠れ方など一つのポイントに注目すると、有名ではない動物にも意外な面白さがあります。
動物園は人気者だけを見る場所ではなく、自分にとって予想外のお気に入りを発見できる場所でもあります。次に訪れたときは、いつもスルーしていた動物を一種類だけじっくり観察してみるのも面白いでしょう。


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