日韓二重国籍で日本から韓国へ渡航するときパスポートはどう使う?出入国と航空券の名前を解説

パスポート

日本と韓国の両方の国籍を有し、それぞれの有効なパスポートを持っている場合、日本から韓国へ渡航するときに「どちらのパスポートを、どの場面で見せるのか」が分かりにくくなることがあります。さらに両国のパスポートでローマ字氏名の表記が異なる場合は、航空券をどちらの名前で予約するかという問題もあります。

基本的な考え方は、日本の出入国では日本旅券、韓国の出入国では韓国旅券を使用し、旅行には両方の有効なパスポートを携帯するというものです。ただし航空会社でのチェックインは出入国審査とは目的が異なり、航空券名義や渡航先への入国資格を確認されるため、二つの旅券を提示する場面があります。

なお、複数国籍者には国籍選択や外国国籍不行使に関する個別事情もあり得ます。この記事では、現在も日本・韓国双方の国籍を有し、双方の有効な旅券を適法に所持していることを前提に、一般的な渡航方法を整理します。

日韓二重国籍者は日本と韓国でパスポートを使い分ける

日本から韓国へ行き、日本へ戻る旅行なら、基本的な流れは日本出国時は日本旅券→韓国入国時は韓国旅券→韓国出国時は韓国旅券→日本入国時は日本旅券と考えると分かりやすくなります。

韓国政府の在外公館も、複数国籍者について原則として韓国への出入国では有効な韓国旅券を提示するよう案内しています。また、韓国国籍を持つ複数国籍者は有効な韓国旅券を持っている場合、外国人向けのK-ETAの対象として扱うものではありません。[参照:韓国外交部・在外公館 複数国籍者の案内]

したがって、日韓間を往復する場合は次のように整理できます。

場面 基本的に使用する旅券
日本の出国審査 日本旅券
韓国の入国審査 韓国旅券
韓国の出国審査 韓国旅券
日本の入国審査 日本旅券

質問文などで最後を「日本出国→日本のパスポート」と表現してしまうことがありますが、韓国から日本へ帰ってきた最後の手続きは日本への入国です。この場面でも日本旅券を使用する、という整理になります。

航空会社のチェックインと出入国審査は別に考える

混乱しやすいのが空港の航空会社カウンターです。チェックインでパスポートを提示することと、出入国審査でパスポートを提示することは目的が異なります。

航空会社は、搭乗者本人であることに加えて、目的地へ入国できる渡航書類を持っているかなどを確認します。航空会社から旅券を求められた際には、必要に応じて日本旅券と韓国旅券の両方を提示し、日韓の複数国籍者であることを説明するのが分かりやすい対応です。

例えば日本から韓国へ向かう便では、韓国へ入国する資格の確認には韓国旅券が重要になります。一方、日本側の出国審査では日本旅券を使用します。「空港に入ってから最後まで一冊だけを使う」と考えるのではなく、手続きの目的によって使い分けるのがポイントです。

航空券の名前はどちらのパスポートに合わせる?

国際線航空券では、予約名と搭乗時に使用するパスポートの氏名が一致していることが非常に重要です。ANAは国際線についてパスポート名と航空券名を一致させるよう案内しており、JALもパスポート表記と航空券名が一致しない場合には搭乗できないことがあると案内しています。[参照:ANA 国際線の氏名入力] [参照:JAL 国際航空券の氏名入力]

日韓二重国籍で両方のパスポートのローマ字氏名が同じなら問題は比較的単純です。そのローマ字表記で航空券を予約し、チェックイン時には必要に応じて両方の旅券を提示できます。

難しいのは、日本旅券と韓国旅券で氏名表記が異なる場合です。この場合、「二重国籍なら必ず日本名」「必ず韓国名」と自己判断するより、利用する航空会社へ予約前に二つのパスポートの氏名表記を伝え、どちらの表記で航空券を発券するべきか確認するのが最も安全です。

日本のパスポートに別名が括弧書きされている場合は特に注意

日本旅券では、一定の場合に外国式の氏名などが括弧付きで併記されていることがあります。この括弧内の別名を航空券へそのまま入力すればよいとは限りません。

例えばANAは、パスポート上の氏名に括弧付きの表記がある場合、予約時には原則として括弧部分を外して入力する例を示しています。JALも、パスポートに括弧付きの名前が併記されている場合について、基本的には括弧外の氏名を入力するよう案内しています。[参照:ANA 予約時の氏名入力]

例えば日本旅券が「YAMADA (KIM) HANAKO」のような形式で、韓国旅券が「KIM HANAKO」のようになっている場合、二つの旅券に共通する文字があるからといって、自己流で「YAMADAKIM HANAKO」などと航空券を作成するのは避けるべきです。航空会社の予約システムには氏名入力について独自の取り扱いがあるためです。

往路と復路で航空券の名前を変えるのは基本的に考えない

日本から韓国への往復航空券を一つの予約として購入する場合、「往路は韓国名、復路は日本名」というように同じ搭乗者の氏名を途中で切り替える方法は通常の予約方法ではありません。

航空券の搭乗者名は予約を識別する重要情報で、予約後の氏名変更が難しい航空会社もあります。そのため、パスポート間で表記が違う人ほど航空券を購入する前に確認することが重要です。

航空会社へ問い合わせる際には、「日本と韓国の複数国籍で、有効な日本旅券と韓国旅券を持っている。日本旅券の氏名は○○で韓国旅券は△△。日本旅券には韓国名の別名併記もある。日本―韓国往復では航空券をどの表記で予約すればよいか」と具体的に伝えると確認しやすくなります。

旅行当日は必ず両方のパスポートを持参する

日韓の複数国籍者が双方の旅券を使い分ける旅行では、片方だけを自宅へ置いていくのは避け、有効な日本旅券と韓国旅券の両方を携帯することが重要です。

例えば日本から韓国へ行く際、日本旅券だけしか持っていなければ韓国側で韓国国民としての入国手続きに問題が生じる可能性があります。逆に日本へ戻るときに日本旅券を持っていなければ、日本国民として通常の日本旅券による入国手続きができません。

また航空会社のシステムには、氏名だけでなく旅券番号、国籍、生年月日などの事前旅客情報を登録する場合があります。オンラインチェックインで二重国籍や氏名表記の違いをうまく処理できない場合は、無理に入力を繰り返さず空港カウンターや航空会社へ確認するほうが確実です。

出発前に確認しておきたいチェックリスト

日韓二重国籍で渡航する場合、通常の海外旅行よりも少しだけ事前確認を丁寧にしておくと空港で慌てずに済みます。

  • 日本旅券の有効期限を確認する
  • 韓国旅券の有効期限を確認する
  • 両方の旅券に記載されたローマ字氏名を比較する
  • 日本旅券に括弧付きの別名併記がある場合は予約前に航空会社の入力ルールを確認する
  • 航空券購入後ではなく購入前に航空会社へ氏名表記を確認する
  • 旅行当日は日本・韓国両方のパスポートを持参する
  • チェックインで必要なら複数国籍であることを伝えて両方の旅券を提示する

特に氏名が異なるケースでは、インターネット上の他人の体験談だけを根拠に予約名を決めないことが大切です。航空会社によって予約システムや括弧付き別名の取り扱いが異なる場合があるため、実際に利用する航空会社の回答を優先してください。

まとめ:日本では日本旅券、韓国では韓国旅券。航空券名義は予約前に確認

日韓双方の国籍と有効なパスポートを持つ人が日本から韓国へ往復する場合、基本的には日本出国は日本旅券、韓国入国は韓国旅券、韓国出国は韓国旅券、日本入国は日本旅券という使い分けになります。旅行中は両方の旅券を携帯し、航空会社のチェックインでは必要に応じて双方を提示します。

航空券についてはパスポートと予約名の一致が重要です。特に日本旅券と韓国旅券で姓・名やローマ字表記が異なる場合、日本旅券に韓国名が別名併記されているからといって独自に氏名を組み合わせて予約するのは避けましょう。

最も確実なのは、航空券を購入する前に利用予定の航空会社へ両方の旅券に記載されたローマ字氏名をそのまま伝え、往復航空券をどちらの表記で予約するべきか確認することです。出入国で使用する旅券の基本ルールと、航空会社の航空券名義のルールを分けて考えることが、日韓二重国籍者の渡航をスムーズにするポイントです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました