オーストラリア旅行で利用するElectronic Travel Authority(ETA・Subclass 601)は、申請時に使用したパスポートへ電子的に紐付けられる仕組みです。そのため、パスポートを更新した場合は「古いETAのパスポート番号だけを書き換える」という扱いにはなりません。オーストラリア内務省は、ETA保有者が新しいパスポートを取得すると既存のETAは失効し、新しいパスポートを使って新たなETAを申請する必要があると明記しています。[参照] オーストラリア内務省 Electronic Travel Authority
ここで分かりにくいのがAustralian ETAアプリです。以前ETAを取得したスマートフォンでは旧パスポートに関する情報や過去の申請情報が表示されることがあるため、「新しいパスポートをどこで登録するのか」「+NEW ETAを押してよいのか」と迷いやすくなります。
結論から整理すると、新パスポートへの更新ではなく、新パスポートを使用した新規ETA申請を行うのが基本です。以前使ったアプリだからといって、必ずアプリを削除したり別のスマートフォンを用意したりする必要があるわけではありません。
- 新しいパスポートを取得すると以前のETAはどうなる?
- 既存のAustralian ETAアプリでは「NEW ETA」から新規申請する
- 新パスポートでETAを申請する基本的な流れ
- 旧パスポートの情報がアプリに残っていても慌てなくてよい
- 「新しいパスポートを登録する」という考え方が混乱の原因になりやすい
- NEW ETAを押したのにすぐパスポート読み取りが出ない場合
- パスポートの読み取りができないときに確認すること
- 申請途中で閉じてしまっても「申請済み」とは限らない
- 新パスポートで申請するとサービス料はもう一度必要
- 新しいETAが取れたかは出発前に確認しておく
- まとめ|旧ETAを書き換えるのではなく新パスポートで「New ETA」から申請する
新しいパスポートを取得すると以前のETAはどうなる?
ETAは「人だけ」に付与されているものではなく、申請に使用したパスポートへ電子的にリンクされています。オーストラリア内務省は、ETAについて「現在のパスポートが失効する、または新しいパスポートを取得するとETAも失効し、新しいETAを申請する必要がある」と案内しています。
これは通常のオーストラリアビザと混同しやすいポイントです。内務省には新しいパスポート情報をImmiAccountから届け出て既存ビザへリンクさせる手続きがありますが、ETA(Subclass 601)はこの扱いの例外です。内務省の「You have a new passport」の案内にも、ETA 601については既存ETAを新パスポートへ移すことができず、新しいETAを申請するよう明記されています。[参照] オーストラリア内務省「You have a new passport」
例えば旧パスポートの有効期限がまだ残っていたとしても、新しいパスポートへ切り替えたのであれば、「旧ETAがあと数か月残っているから、そのまま新パスポートで入国できる」とは考えないほうがよいでしょう。新しいパスポートを使って新規ETAを取得します。
既存のAustralian ETAアプリでは「NEW ETA」から新規申請する
Australian ETAアプリを以前利用していても、新しいETAを申請する際の基本的な入口は「New ETA」です。内務省の公式ガイドでも、新しいETA申請を開始する際はアプリのHome画面から「New ETA」を選択する流れが案内されています。
ここで重要なのは、「New ETAを押した直後に必ずパスポート読み取り画面になる」とは限らないことです。申請開始時には、利用条件・同意事項など申請を進めるための画面が表示されます。公式ガイドでもNew ETAを選択した後、申請に関する同意事項を読み、同意してから先へ進む流れになっています。
したがって、NEW ETAを押したところ質問や確認画面が続いたからといって、自動的に旧パスポートで再申請されていると判断する必要はありません。内容を確認しながら新規申請を進め、パスポートを読み取る段階で必ず新しいパスポートを使用することがポイントです。
新パスポートでETAを申請する基本的な流れ
オーストラリア内務省が案内しているETA申請の基本手順を、新しいパスポートへ切り替えたケースに当てはめると次のようになります。
- 有効な新しいパスポートを手元に用意する
- Australian ETAアプリを開く
- Home画面からNew ETA(+NEW ETA)を選択する
- 利用条件・同意事項などを確認して申請を進める
- パスポート読み取り画面になったら旧パスポートではなく新パスポートを読み取る
- スマートフォンのNFC機能を利用してパスポートのICチップを読み取る
- 顔写真(ライブ画像)の撮影など本人確認を行う
- 氏名、生年月日、パスポート番号など読み取られた情報を確認する
- 犯罪歴、過去の氏名、オーストラリアでの連絡先など必要事項へ回答する
- 内容を最終確認し、サービス料を支払って申請する
内務省によると、ETAアプリを使った申請にはカメラ付きスマートフォン、NFC、位置情報サービス、有効なメールアドレス、サービス料を支払える決済手段などが必要です。[参照] ETA公式申請手順
日本のIC旅券であれば、顔写真や氏名が記載されたページをカメラで読み取った後、スマートフォンをパスポートへ当ててICチップを読み取る工程があります。スマートフォンのケースなどが読み取りを妨げる場合には、ケースを外して試す方法もあります。
旧パスポートの情報がアプリに残っていても慌てなくてよい
以前使用したAustralian ETAアプリを開くと、過去のETAや旧パスポートに関係する情報が表示されることがあります。しかし、アプリ上に過去の情報が見えていることと、そのETAが新パスポートでも利用できることは別問題です。
新しいETAを申請する際に最も重要なのは、最終的に申請内容へ表示されているパスポート番号、氏名、生年月日、国籍、有効期限などが新パスポートと一致していることです。内務省も、申請を送信する前に氏名や生年月日を含むすべての申請情報が正しいか確認するよう求めています。
例えば旧パスポート番号が「AB1234567」、新パスポート番号が「XY7654321」だった場合、新規申請の確認画面にAB1234567が残っているのに、そのまま送信するのは避けるべきです。途中で不安になった場合には、送信・決済する前に画面の情報を確認することが大切です。
「新しいパスポートを登録する」という考え方が混乱の原因になりやすい
新パスポートを取得した際、「既存ETAの登録パスポート番号を変更する」と考えてしまうと手順が分かりにくくなります。ETAについては、旧ETAのパスポート情報を変更するのではなく、新しいパスポートを使って新しいETAを取得すると考えると整理しやすくなります。
内務省の一般的なビザでは、ImmiAccountの「Change of passport details」から新パスポート情報を届け出られるケースがあります。しかし公式ページはETA 601を明確に除外しています。ETAの場合、既存ETAを新パスポートへ移行する手続きではありません。
そのため、「ImmiAccountから旧ETAのパスポート番号を変更すればよいのでは」と考えて別の手続きを行う必要はありません。ETA対象者はAustralian ETAアプリから新パスポートで新規申請するのが公式に案内されている方法です。
NEW ETAを押したのにすぐパスポート読み取りが出ない場合
New ETAを選択した直後にパスポート読み取りが始まらず、同意事項や質問が表示された場合でも、その画面だけを理由に異常とは判断できません。New ETAから始めた新規申請には、パスポートのスキャン以外にも複数の確認・入力工程があります。
まず画面上の説明を一つずつ読み、「過去のETAを変更する操作なのか」「新しいETAの申請を開始するための確認なのか」を確認します。英語表示で不安な場合は、意味を確認しないままYesやNoを選択するより、画面を翻訳してから進めたほうが安全です。
一方、申請を進めても新しいパスポートをスキャンする工程へ移れない、アプリが固まる、NFC読み取りが始まらないなど技術的な問題がある場合には、アプリ内のFAQを確認します。内務省もETA申請について、追加のヘルプが必要な場合はアプリ内FAQを確認するよう案内しています。
パスポートの読み取りができないときに確認すること
Australian ETAアプリは、単純にパスポートの写真を撮影するだけではありません。電子パスポート内部のICチップをスマートフォンのNFC機能で読み取ります。そのため、端末側の設定やパスポートを当てる位置によって読み取りに失敗することがあります。
- スマートフォンのNFC機能に対応しているか確認する
- 位置情報サービスを有効にする
- アプリに必要なカメラ等の権限を許可する
- 厚いスマートフォンケースを使用している場合は外して試す
- パスポートを平らな場所へ置いて読み取る
- スマートフォンをゆっくり動かしてNFCアンテナの位置を合わせる
- Australian ETAアプリを最新版へ更新する
公式要件では、ETAアプリを利用するスマートフォンについてカメラだけでなくNFCが有効になっている必要があります。パスポート撮影まではできるのにICチップだけ読めない場合には、NFC周辺を重点的に確認するとよいでしょう。
端末そのものが対応していない場合、家族や友人の対応スマートフォンを利用して申請を手伝ってもらうことも公式上可能です。ただし本人確認のライブ画像が必要になるため、申請者本人がその場にいる必要があります。
申請途中で閉じてしまっても「申請済み」とは限らない
質問への回答途中で不安になりアプリを閉じた場合、重要なのは実際に申請を最後まで送信したかどうかです。画面を途中まで進めただけで、直ちにETAが発給されるわけではありません。
正式な申請では必要事項への回答、申請内容の確認、サービス料の支払い、送信という工程があります。したがって途中で閉じた場合には、再度アプリを開いて現在の状態を確認します。
ETAの申請状況については、Australian ETAアプリの「Visa check」機能から確認する方法も公式に案内されています。すでに新しいETAが発給されているのか分からない場合には、重複して操作を繰り返す前にステータスを確認すると安心です。
新パスポートで申請するとサービス料はもう一度必要
Australian ETAアプリからETAを申請する場合、オーストラリア内務省によるとAUD20のサービス料がかかります。ETAそのものにはVisa Application Charge(VAC)はありませんが、アプリ利用に伴うサービス料があります。
パスポート更新後は旧ETAを新パスポートへ無料で移すのではなく、新しいETAを申請することになるため、新規申請時のサービス料が発生します。
なお、料金や制度は変更される可能性があります。実際に申請する時点でAustralian ETAアプリとオーストラリア内務省公式サイトに表示される最新情報を確認するのが安全です。
新しいETAが取れたかは出発前に確認しておく
ETAは紙のビザシールがパスポートへ貼られる制度ではありません。電子的にパスポートへリンクされるため、「目に見えるビザがない」こと自体は問題ありません。
ETAの詳細や現在の状態はVEVO(Visa Entitlement Verification Online)で確認できるほか、Australian ETAアプリのVisa checkでも申請状況を確認できます。[参照] オーストラリア内務省 VEVO
特にパスポートを更新した直後は、航空券に登録したパスポート情報も新しいものになっているか確認しておくと安心です。ETAだけ新パスポート、航空会社の登録情報は旧パスポートという状態を残さないよう、旅行前に一通り確認しておきましょう。
まとめ|旧ETAを書き換えるのではなく新パスポートで「New ETA」から申請する
オーストラリアのETA(Subclass 601)は申請したパスポートに電子的に紐付いています。新しいパスポートを取得すると旧パスポートのETAは失効し、そのETAを新パスポートへ移行することはできません。新しいパスポートを使って新しいETAを申請する必要があります。
以前使ったAustralian ETAアプリに旧パスポートの情報が残っていても、それだけでアプリを削除する必要があるわけではありません。基本的にはアプリを開き、「New ETA(+NEW ETA)」から新規申請を開始します。最初からパスポート読み取り画面が表示されず、同意事項などの画面が続くこともあるため、表示内容を確認しながら進めます。
その後のパスポート読み取り工程では必ず新パスポートを使用し、送信前にはパスポート番号、氏名、生年月日、有効期限などが新パスポートと一致していることを確認します。申請後はVisa checkやVEVOを利用してステータスを確認しておけば、出発時の不安も減らせます。
「古いETAのパスポート番号を変更する」のではなく、「新しいパスポートで新しいETAを申請する」と理解することが、新パスポートへの切り替えで最も重要なポイントです。
※本記事は2026年8月時点で確認できるオーストラリア内務省の公式情報を基にしています。ETAの申請画面、料金、手順は変更される場合があるため、実際の申請時にはAustralian ETAアプリおよびオーストラリア内務省公式サイトの最新案内を確認してください。


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