富士スバルライン通行止めで高速バスが河口湖駅止まりになったら返金される?新宿~富士山五合目の払戻しルールを解説【2026年版】

バス、タクシー

富士山の吉田ルートへ向かうため、新宿~富士山五合目の高速バスを予約していたところ、悪天候などで富士スバルラインが全線通行止めになり、バスが河口湖駅までしか運行しないケースがあります。この場合、「バス自体は河口湖まで走るので運休ではない」と説明されることがありますが、新宿~富士山五合目という予約区間のうち、河口湖駅~富士山五合目が運行されないのであれば、単純に「バスが少しでも走る以上、事業者都合の払戻しは一切ない」と整理できるとは限りません。国土交通省の一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款には、運行中止によって乗車できなくなった場合の払戻し規定があり、ハイウェイバスドットコムも「運休」だけでなく「条件付き運行(出発地への引き返し、行先変更の可能性あり)」について払戻し手続きを案内しています。[参照]ただし、実際の返金額・手数料・手続方法は、当日の便が運行会社や予約システム上でどのように処理されたか、乗車前にキャンセルしたのか、河口湖駅まで実際に乗車したのかなどによって変わり得ます。

新宿~富士山五合目便は河口湖駅行きとは運賃も目的地も異なる

まず重要なのは、新宿から河口湖駅までの乗車券と、新宿から富士山五合目までの乗車券は同じではないという点です。

ハイウェイバスドットコムの新宿~富士五湖線では、河口湖駅と富士山五合目はそれぞれ別の停留所として設定されています。2026年9月時点の案内では、新宿~河口湖駅は約1時間45分、新宿~富士山五合目は約2時間35分とされ、運賃についても河口湖駅までと五合目まででは異なる設定になっています。[参照]

富士急バスの公式案内でも、新宿~富士山五合目の便が夏季に設定されており、2026年9月1日~9月10日の日中便については河口湖駅・富士急ハイランドを経由して五合目へ向かうダイヤとされています。[参照]

つまり「新宿から富士山五合目まで」という運送を購入した利用者にとって、河口湖駅で運行が終了することは、予約した目的地までの運送が完了していない状態と考える余地があります。

富士スバルラインが通行止めなら五合目までバスが行けないことがある

富士山五合目へ向かうバスは富士スバルラインを利用するため、悪天候や道路状況などによってスバルラインが全線通行止めになれば、当然ながら五合目まで運行できないことがあります。

この場合、便そのものを新宿から完全運休にするのではなく、走行可能な河口湖駅などまで運行し、そこから先だけを運行しない措置が取られることがあります。

利用者の感覚では「五合目に行かないのだから運休」と感じますが、運行管理上は「全便運休」「一部区間運休」「行先変更」「条件付き運行」など異なる扱いになる可能性があります。この区分が払戻し手続きにも影響します。

「河口湖駅まで走るから一切返金なし」とは必ずしも言い切れない

高速バスには国土交通省が定める一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款があります。同約款第39条では、乗車中にバスが運行を中止した場合、利用者の選択に応じて券面表示額と、すでに乗車した区間に対応する運賃・料金との差額を払い戻すという取扱いが規定されています。[参照]

また第40条では、バスが運行を中止したため、その運行中止区間の乗車券を持つ利用者が乗車できなくなった場合について、未使用乗車券等の払戻しなどを定めています。[参照]

そのため、例えば「新宿→富士山五合目」の乗車券を購入したものの、道路通行止めにより「新宿→河口湖駅」までしか運送されない場合、少なくとも河口湖駅~富士山五合目という運送不能区間をどのように精算するのかは確認する価値があります。

河口湖駅まで実際に乗った場合は「全額返金」とは限らない

一方で、五合目まで行けなかったから必ず新宿~五合目の運賃全額が返ってくる、とも限りません。

例えば新宿から河口湖駅まで実際にバスを利用したのであれば、新宿~河口湖駅の運送サービス自体は受けています。標準運送約款第39条も、途中で運行を中止したケースでは「券面表示額-すでに乗車した区間に対応する運賃・料金」という差額払戻しを基本的な選択肢の一つとしています。[参照]

具体例として、新宿~五合目の乗車券で新宿から河口湖駅まで実際に移動した場合には、「五合目へ行けなかったので全額返金」ではなく、利用済みの新宿~河口湖駅相当分を考慮して未乗車区間を精算する、という考え方があり得ます。

実際の計算方法はその便の運送約款、運賃制度、運行会社による処理によるため、単純に五合目運賃と河口湖運賃の差額になると断定せず、運行会社へ確認する必要があります。

乗車前に「河口湖駅止まり」と分かった場合は話が少し違う

より問題になりやすいのが、新宿を出発する前から「本日は富士山五合目まで行かず、河口湖駅で運行を終了する」と決定しており、そのため利用者が乗車自体を取りやめるケースです。

通常の自己都合キャンセルであれば所定の払戻し手数料がかかります。ハイウェイバスドットコムの新宿~富士五湖線では、2026年9月時点で、通常の払戻しについて乗車日2日前までは100円、乗車日前日以降は乗車券面金額の50%という案内があります。[参照]

しかし、利用者が単に予定を変えたのではなく、運行側が予約された目的地である富士山五合目まで運送しないことを決定したため乗車を取りやめたのであれば、通常の「旅客都合のキャンセル」と同じ扱いになるのかは確認すべきポイントです。

ハイウェイバスドットコムは「条件付き運行」でも払戻しを案内している

ハイウェイバスドットコムの公式運行情報を見ると、運休だけでなく「条件付き運行(出発地への引き返し、行先変更の可能性あり)」についても払戻し手続きを案内しています。[参照]

公式案内では、運休・条件付き運行による払戻しは乗車券の種類によって方法が異なり、オンラインクレジット決済の場合、条件付き運行については予約情報の変更・キャンセル期限までハイウェイバスドットコムから払戻し手続きを行うよう案内されています。

このため、「行先変更で河口湖駅止まりになったが、バスそのものは運行するので、どのような場合でも無手数料払戻しの対象にならない」と一律に理解するのは慎重であるべきです。まず当該便が公式システム上で「条件付き運行」「一部区間運休」「行先変更」のどれとして登録されたのかを確認することが重要です。

2026年9月7日のハイウェイバスドットコムにも運休・条件付き運行の案内がある

2026年9月7日現在、ハイウェイバスドットコムの運行情報ページでは、悪天候等に伴う「運休」または「条件付き運行」が発生している便について案内が掲載されています。[参照]

同ページは、運休または条件付き運行となった便について、払戻しや便変更は便・乗車券の種類によって手続方法が異なること、また払戻しは自動的には行われないことを明記しています。

したがって当日の新宿~富士山五合目便について問題が生じた場合には、電話口での説明だけでなく、ハイウェイバスドットコムの当該便の運行情報表示も保存しておくと、その後の問い合わせがしやすくなります。

「登山できなくなったから全額返金」と「五合目まで運送されないから払戻し」は分けて考える

ここは非常に重要な違いです。

例えばバスが予定どおり富士山五合目まで運行したものの、大雨のため登山を諦めた場合、これは基本的には利用者側の旅行目的が達成できなかった問題です。バス会社は契約した目的地まで運送しているため、「登山できなかったからバス代も返してほしい」という主張は通常難しくなります。

一方、新宿~富士山五合目の乗車券を販売しているにもかかわらず、バスそのものが河口湖駅で運行を終了し、五合目まで乗客を運ばないのであれば事情が違います。問題になるのは「登山できなかったこと」ではなく、購入した運送区間の一部が提供されなかったことです。

天候が原因ならホテル代や登山用品代まで請求できるわけではない

運賃の払戻しと、旅行全体で生じた損害の賠償も区別する必要があります。

国土交通省の標準運送約款では、天災その他バス会社の責任ではない事情により、安全確保のため運行中止などの措置を取った場合、それによって利用者に生じた損害についてバス会社は原則として賠償責任を負わないとされています。[参照]

例えばスバルライン通行止めによって山小屋のキャンセル料が発生した、登山用品を購入した、ホテル代が無駄になった、といった損害までバス会社に請求できるとは通常考えにくいでしょう。

一方、運送できなかった区間に対応する乗車券そのものの払戻しは別の論点です。「天候だから損害賠償責任はない」と「未提供区間の運賃も一切返さなくてよい」は同じ話ではありません。

往復予約なら往路と復路を分けて確認する

新宿~富士山五合目を往復で予約している場合、往路が河口湖駅止まりになったことで登山自体を中止すると、帰りの富士山五合目→新宿便も利用できなくなります。

ここで往路と復路が自動的に同じ扱いになるとは限りません。当日の通行止めにより復路便自体も五合目から運行されないなら運休・区間運休等として処理される可能性がありますが、復路便が後に運行可能となった場合などは扱いが異なる可能性があります。

そのため問い合わせ時には、「往路だけではなく、五合目発の復路乗車券についても運行会社都合の払戻し対象になるのか」を明確に確認しましょう。

電話では「登山できないから返金して」ではなく運送契約の区間を確認する

問い合わせの際、「登山するために買ったのに登山できないので返してください」と説明すると、天候による旅行目的の変更=自己都合キャンセルとして話が進んでしまう可能性があります。

それよりも、「新宿~富士山五合目として購入した乗車券について、本日は河口湖駅~富士山五合目が運行されないとのことですが、この未運行区間はどのように精算されますか」と確認する方が論点が明確です。

さらに「当該便は御社のシステム上、通常運行、行先変更、条件付き運行、一部区間運休のどれに該当しますか」「ハイウェイバスドットコムでは条件付き運行についても払戻し案内がありますが、今回対象外となる根拠となる運送約款・規定を教えてください」と尋ねる方法があります。

「返金できません」と言われたら確認したい5項目

窓口や電話で返金不可と案内された場合でも、感情的に争うより、次の点を順番に確認すると整理しやすくなります。

  1. 予約した乗車区間が「新宿~富士山五合目」になっているか
  2. 当日の便は河口湖駅~富士山五合目を実際に運行しないのか
  3. その便の公式な扱いが「通常運行」「行先変更」「条件付き運行」「一部区間運休」のどれなのか
  4. 未運行区間について差額払戻しがない場合、その根拠となる運送約款・運賃規定は何条なのか
  5. 乗車前に利用を取りやめた場合、通常の自己都合キャンセルではなく異常時の払戻し制度を利用できないのか

電話した日時、担当窓口、説明された内容もメモしておくと、後で運行会社へ再確認するときに役立ちます。

予約サイトと実際の運送会社は区別して考える

ハイウェイバスドットコムは高速バスの予約・決済システムですが、新宿~富士五湖線は京王バスと富士急バスによる共同運行路線です。富士急バスも2026年の案内で同路線が共同運行であることを明記しています。[参照]

そのため、予約サイトのコールセンターで説明がはっきりしない場合には、実際の便を担当する運行会社へ「この便の河口湖~五合目区間は運休扱いなのか」「運送約款上の払戻しはどうなるのか」を確認する方法もあります。

予約確認画面に便名・運行会社が表示されている場合は、それを確認してから問い合わせるとスムーズです。

標準運送約款がそのまま適用されるかは実際の運送約款も確認する

国土交通省の「一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款」は重要な基準ですが、個別のバス事業者については、実際に適用される運送約款や認可・届出された運賃・料金、乗車券の条件も確認する必要があります。

そのため「標準運送約款第39条があるから絶対に全額返金」と断定するのも適切ではありません。今回のようなケースでは、購入した券種、乗車前・乗車後のどちらか、運行変更の内容などによって結論が変わります。

ただし、国の標準運送約款に運行中止時の差額払戻し制度があり、予約サイト自身も条件付き運行時の払戻し方法を案内している以上、「河口湖駅まで1メートルでも運行すれば五合目までの乗車券について一切払戻しなし」という説明を受けた場合には、その根拠を確認する合理的な理由があります。

納得できない場合は消費生活センターへ相談する方法もある

運行会社・予約サイトへ確認しても説明が一致しない、運送約款のどの規定に基づく処理なのか説明してもらえない、といった場合には消費生活センターへ相談する方法があります。

消費者ホットライン188に電話すると、最寄りの消費生活センター等につながります。[参照]

相談するときは、予約確認画面、乗車券、決済額、当日のスバルライン通行止め情報、運行会社の案内、ハイウェイバスドットコム上の運行情報、電話で説明された内容などを保存しておくと状況を説明しやすくなります。

まとめ:河口湖駅まで運行するだけで「一切返金なし」と決まるわけではない

新宿~富士山五合目の高速バスを予約していたにもかかわらず、富士スバルラインの通行止めによって河口湖駅までしか運行されない場合、「バスそのものは河口湖まで動くから運休ではない。したがって五合目までの乗車券も一切払戻しできない」と単純に結論づけるのは慎重であるべきです。

国土交通省の一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款では、途中で運行を中止した場合に、券面表示額とすでに乗車した区間に対応する運賃等との差額を払い戻す取扱いや、運行中止区間の乗車券を持つ利用者が乗車できなくなった場合の払戻しについて規定されています。[参照]

さらにハイウェイバスドットコム自身も、「運休」だけでなく「条件付き運行(出発地への引き返し、行先変更の可能性あり)」について払戻し手続きを案内しています。[参照]

ただし、河口湖駅まで実際に乗車した場合に新宿~五合目運賃が全額返金されるとは限りません。利用済み区間があるため、未運行区間についての差額精算などになる可能性があります。また、乗車前に取りやめた場合、当該便が正式に条件付き運行・行先変更等として扱われているかによって手続きが変わる可能性があります。

問い合わせる際は「登山できなくなったから返金してほしい」ではなく、「新宿~富士山五合目の乗車券を購入しているが、河口湖駅~富士山五合目は運送されない。この未運行区間について運送約款上どのような払戻しになるのか」と確認するのがポイントです。

そして返金不可と言われた場合には、「当該便は通常運行・条件付き運行・行先変更・一部区間運休のどの扱いか」「返金不可とする運送約款上の根拠はどこか」を確認しましょう。今回のようなケースでは、「河口湖までバスが動く」という一点だけではなく、購入した目的地である富士山五合目までの運送が提供されるかどうかが重要な論点になります。

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