高速道路のオレンジ色の街灯はなぜ消えた?昭和の記憶と照明技術の移り変わり

車、高速道路

かつて夜の高速道路を走っていると、どこか寂しさや不気味さを感じさせる“オレンジ色の街灯”が続いていた記憶がある方は多いのではないでしょうか。現在では白色系のLEDライトが主流となっていますが、あのオレンジ色の灯りには理由がありました。本記事では、その背景と照明技術の変遷を解説します。

かつての高速道路を照らしていたナトリウム灯とは

かつての高速道路やトンネルで使われていた「オレンジ色のライト」は、高圧ナトリウム灯と呼ばれる照明です。このナトリウム灯は、発光効率が高く、遠くまで光を届けられることから、1970年代から2000年代初頭にかけて多く使用されていました。

ナトリウム灯はその特性上、単色の橙色光(約589nm)しか出せないため、照らされた景色は全体的に赤みがかかり、視認性は高い反面、色の識別には向かないという短所も持ち合わせていました。これが「車内で嫌な気分になった」と感じる理由の一因かもしれません。

オレンジ色が主流だった時代の背景

1970年代から1990年代にかけて、日本では省エネルギーが社会課題とされていたため、ナトリウム灯の高効率さが評価され、主に道路照明に採用されました。特に高速道路や長距離トンネルでは、消費電力の低さと長寿命が重視されました。

また当時の車のヘッドライトはハロゲンライトが主流であり、照明色とのバランスも現代とは異なっていました。こうした要素が、夜の高速道路を「異様に感じる空間」にしていたと言えるでしょう。

現在はLED照明が主流に

近年では、省エネ性能が高く、演色性(色の見えやすさ)にも優れたLED照明が急速に普及しました。LEDは白色光を出せるため、より自然な見え方が可能です。

国土交通省の方針により、順次LEDへの切り替えが進められており、ナトリウム灯は徐々に姿を消しています。現在では、高速道路だけでなく一般道や駐車場もLED化が進み、夜間の道路環境は格段に快適になっています。

色の変化が与える心理的影響

光の色は人の心理に大きな影響を与えます。オレンジ色のナトリウム灯は温かみのある色ですが、暗闇に連続して配置されると圧迫感や不安感を与える場合があります。

一方、白色LEDは視認性に優れ、景色を自然に映し出せるため、ドライバーの安心感や集中力の向上にも寄与しています。技術だけでなく、人間の感覚に配慮した進化だと言えるでしょう。

懐かしさを感じる光景として

一部の地域では、まだオレンジ色のナトリウム灯が残っているところもあります。これらは「昭和の風景」や「ノスタルジックな夜景」として鉄道や道路ファンに親しまれている側面もあります。

例えば、地方の古いトンネルや、更新が進んでいない道路の一部では、現在も稀にナトリウム灯が使われており、写真撮影やドライブスポットとして密かに人気を集めています。

まとめ

かつての高速道路を照らしていたオレンジ色のライトは、ナトリウム灯によるものでした。その独特な色調は、時代背景や技術の制約によるものであり、現代のLED照明と比較すると心理的な印象も大きく異なります。現在は白色LEDが主流となり、快適性や安全性が向上しましたが、あのオレンジの灯りに懐かしさを感じる人も少なくありません。技術の進歩とともに変わる“光”の歴史にも目を向けてみるのはいかがでしょうか。

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