格安航空会社(LCC)とフルサービスキャリア(FSC)が同じ便を運航する「コードシェア便」。一見、同じ機材・同じ時間のフライトでも、購入元が異なるとサービスや対応が変わることがあります。特に遅延・欠航時に違いが出るケースがあり、旅行者にとっては注意が必要です。
コードシェアとは何か?
コードシェアとは、複数の航空会社が同一のフライトを共同運航扱いで販売する仕組みです。たとえば、JAL(FSC)が販売する便をジェットスター(LCC)が実際に運航しているケースなどが該当します。
このような便では、機材や乗務員は運航会社のものですが、航空券の購入元によってチェックインやサポート体制、マイレージの付与条件まで異なる場合があります。
LCCとFSCで異なる補償ポリシー
LCCとFSCでは、遅延・欠航時の対応ポリシーに明確な差があります。
- FSC(例:JAL、ANA):ホテル手配、代替便、返金などの補償が充実
- LCC(例:ジェットスター、ピーチ):原則、返金や振替程度。ホテル補償はほぼなし
つまり、同じ便に乗っていても、FSC経由で購入した乗客はホテル提供を受けられる一方、LCC経由で購入した乗客は自己対応になることもあります。
実例:JALとジェットスターのコードシェア便
例えば、成田〜関西間のJAL便(実運航はジェットスター)の場合。
- JALで購入した乗客:チェックインはJALカウンター、遅延時はJALが対応
- ジェットスターで購入した乗客:LCC基準で対応、返金や次便への振替のみ
このように、購入元によって旅の安心度が変わるのが実情です。
搭乗前に確認すべきポイント
- ① 運航会社と購入元をチェック:便名だけでなく、実際に運航する航空会社を確認
- ② 約款や補償規定を読む:LCCはFSCに比べ補償範囲が狭いため事前確認が重要
- ③ 旅行保険を検討:LCC利用時は自前の補償手段も用意しておくと安心
スマートに旅を進めるためにも、フライト予約時にこうした違いを意識するのがおすすめです。
差別的対応というより「契約内容の差」
同じ便でも対応が違うのは、差別ではなく「契約ベースでの違い」と考えるのが適切です。
FSCはチケット価格に充実したサポートが含まれ、LCCは最低限の運送契約のみという立て付けです。どちらが優れているというより、「どこまでサービスを求めるか」で選ぶのが正解です。
まとめ:コードシェア便は購入元で体験が変わる
コードシェア便を利用する際には、実運航会社だけでなく、どこでチケットを購入するかが重要です。
万が一に備えた補償を重視するならFSC経由、コスト重視ならLCCと、目的に応じた選択を心がけましょう。


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