地方空港の国際貨物輸送の現実と課題|地元企業が成田・関空を選ぶ理由とは

フェリー、港

物流の効率化とコスト削減は、多くの企業にとって重要な課題です。特に地方からの輸出入では、地方空港や港を利用するか、それとも大都市圏のハブを活用するかで、大きな差が生じます。この記事では、地方空港における航空貨物の現状と、企業が成田や関空に集まる背景について解説します。

地方空港にも貨物便はあるが、採算性がカギ

一部の地方空港(例:新千歳空港、福岡空港、中部空港など)には、国際貨物便の発着があります。特にアジア向け(中国・韓国・東南アジア)を中心に、一定の需要は見込まれています。

しかし、貨物専用便が定期的に運航されている空港は限られており、多くは旅客便の貨物スペースを活用する「ベリー貨物」が主体で、供給量に限界があります。

地方空港の運賃が割高になる構造的理由

地方空港では貨物量が少なく、航空会社がコスト回収しにくいため、運賃が高く設定されがちです。さらに、積載率を維持するために集荷エリアが限定されてしまい、利便性も劣ります。

一方、成田や関空では貨物取扱量が圧倒的に多く、スケールメリットにより単価が抑えられます。また、通関手続きや冷蔵・冷凍施設など物流インフラも整っており、総合的なコストパフォーマンスに優れています。

地元企業はなぜわざわざ成田・関空へ運ぶのか

例えば山形の食品メーカーが韓国に冷蔵品を輸出する場合、山形空港では対応できる貨物便がないため、冷蔵トラックで成田空港まで陸送し、そこから航空便に載せる方が安全かつ確実です。

特に時間指定や品質管理が重要な輸出では、定時性とサービスの質が優先されるため、多少のトラック輸送コストをかけても、ハブ空港を選ぶのが合理的です。

港湾と空港、貨物の性質による使い分け

コンテナ船と航空貨物の住み分けは、コストとスピードのバランスで成り立っています。海上輸送はコストが安く、かさばる荷物や大量輸送に向いており、多少時間がかかっても問題ない商品に適しています。

一方で航空貨物は、スピードと安全性が求められる精密機器、医薬品、生鮮食品、緊急部品などで活躍します。そのため、航空輸送では多少の運賃差よりも「安定供給」が優先されるのです。

地方空港の活用が進むケースもある

最近では、自治体や空港運営会社が物流拠点化を進め、チャーター便や小型貨物専用便を活用する事例も見られます。例えば、北九州空港では夜間貨物便の活用が盛んで、九州各地からの集荷が効率化されています。

ただし、こうした成功例は例外的であり、多くの地方空港では貨物取り扱い量の増加にはまだ課題が多いのが現状です。

まとめ|コストと信頼性のバランスで選ばれるハブ空港

結論として、多くの地元企業が成田や関空などの大規模空港を利用するのは、コストと信頼性のバランスが取れているためです。地方空港を活用するには、定期便の確保やインフラ整備、集荷体制の拡充など、長期的な取り組みが必要となります。

地域ごとの物流戦略を見直す際には、自社の貨物の特性、配送スケジュール、最終的なコストを総合的に判断することが求められます。

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