7月12日は『奥尻の日』―北海道・奥尻島の記憶と未来を考える

観光地、行楽地

7月12日は、北海道の道南に位置する奥尻島にとって特別な意味を持つ日です。1993年のこの日、奥尻島を襲った北海道南西沖地震と津波は、多くの犠牲と被害をもたらしました。この教訓を忘れず、未来へつなげていくために制定されたのが『奥尻の日』です。この記事では、奥尻島が持つ自然の魅力とともに、防災の視点からの教訓、そして未来への取り組みを紹介します。

奥尻島とはどんな場所?

奥尻島は、北海道の南西部、日本海に浮かぶ美しい離島です。透明度の高い海と豊かな海産資源、美しいブナ林などの自然が魅力で、「北海道の至宝」とも呼ばれています。

観光スポットとしては、なべつる岩や神威脇温泉、青苗地区の震災遺構などがあり、自然と歴史の両方に触れられる特別な場所です。

1993年7月12日 北海道南西沖地震と津波

1993年7月12日、奥尻島を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生し、それに伴う津波が島を直撃しました。死者・行方不明者230名以上、島の広範囲が浸水し、住宅・インフラに甚大な被害が出ました。

特に奥尻町青苗地区では壊滅的な被害を受け、災害の爪痕はいまも語り継がれています。

奥尻の日とは?制定の背景と意味

この悲劇を風化させないために、2005年に「奥尻の日」が制定されました。毎年7月12日には、追悼式や防災訓練、防災教育などの取り組みが行われています。

『奥尻の日』は、ただ追悼するだけでなく、今後同様の被害が発生しないよう、防災意識を高めるための一日でもあるのです。

奥尻島での震災復興と現在の取り組み

震災後、島には高い防波堤が築かれ、防災体制の強化や避難所整備が進められました。また、震災を伝える青苗震災記念館では、当時の記録や写真が展示され、訪れる人々に教訓を伝えています。

観光業も復興し、現在ではダイビングや釣り、グルメなどで訪れる旅行客も増加中です。

訪れる前に知っておきたい奥尻島の魅力

  • なべつる岩:自然が生んだ奇岩で、奥尻を象徴する景観
  • 神威脇温泉:海を眺めながら入浴できる絶景温泉
  • 島グルメ:ウニやアワビなど、海産物が豊富

震災の記憶を知った上で訪れる奥尻島は、ただの観光ではなく、命の重みや自然の脅威、そして再生の強さを感じる旅になります。

まとめ:奥尻の日に想う、島の教訓と未来

『奥尻の日』は、32年前の災害を風化させないための大切な記念日です。自然の豊かさと災害の記憶が共存する奥尻島には、私たちが学ぶべきことが多くあります。観光として訪れる人も、地元で暮らす人も、この日を機に「防災」や「命を守る備え」について改めて考えてみてはいかがでしょうか。

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