映画のように偽パスポートで入国できる?現代の国境管理とセキュリティの実情

パスポート

映画『ボーン・アイデンティティ』シリーズや『ゴルゴ13』などでよく見る「複数の偽パスポートを使って国境を超える」というシーン。かつては現実でも存在したこうした手法が、現代ではどれほど可能性があるのか?国際社会のセキュリティ体制の進化とともに、その実情を解説します。

かつての「偽パスポート」は有効だったのか?

冷戦時代やそれ以前には、偽造パスポートはスパイや犯罪組織にとって実用的なツールでした。印刷技術が未熟で、各国のデータベースも連携していなかったため、身元の使い分けは比較的容易でした。

特にスパイ映画に登場する複数の国籍を持つパスポートや身分証明書は、ソビエトKGBやCIA、イスラエルのモサドなど、実在の諜報機関も使用していた手法です。

現代におけるパスポートの管理体制

現在は各国の入国管理システムが高度にデジタル化されています。ICチップ入りの電子パスポート(eパスポート)は、顔写真や指紋などの生体情報も保存しており、機械による即時読み取りが可能です。

さらに、インターポール(国際刑事警察機構)の「SLTD(盗難・紛失旅券データベース)」により、各国が旅券の有効性をリアルタイムで確認できる体制が整っています。これにより、偽造や盗難旅券の使用は非常に難しくなっています。

複数のパスポート所持は合法?

一部の国では二重国籍が認められており、複数の有効なパスポートを持つことは違法ではありません。しかし、いずれも本物であることが前提です。偽造・変造されたパスポートを所持・使用することは各国で重罪にあたります。

例えば日本では、有印私文書偽造罪および旅券法違反で逮捕・起訴され、実刑判決を受ける可能性も高いです。

例外的に「身元隠し」が行われるケース

一部の特殊機関(例:情報機関や諜報部門)では、依然として変名や偽名での渡航が「国家的任務」として行われることがあります。しかしこれは国家レベルの秘密工作に限定され、個人が真似するのは不可能です。

映画で描かれるような「スーツケースに20種類のパスポート」という描写は、フィクションとしての演出と考えるべきです。

偽造パスポートの摘発事例

2020年には日本でも複数の偽造パスポートを使って入国しようとした外国人が摘発され、国際犯罪グループとの関連が浮かび上がった事件がありました。こうしたケースでは、AIや顔認証技術が活用され、過去の出入国履歴と照合されます。

また、SNSや入国審査時の受け答えの不一致なども、不審人物の特定材料となるため、極めて困難な状況となっています。

まとめ:映画のような手口は現実では通用しない

かつては機能していた偽パスポートの使用も、現代のセキュリティ体制の強化により、一般人や犯罪組織が同様の手法を使うことはほぼ不可能です。映画はエンターテインメントとして楽しみつつ、現実の国際移動には正規のパスポートとルールが不可欠です。

安全かつ合法な渡航のためには、正しい旅券管理と入国手続きを守ることが最も重要です。

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