なぜネパールのパスポートは『弱い』と評価されるのか?背景と国際事情を解説

パスポート

世界のパスポートランキングでは、日本やシンガポールのような『強い』パスポートが注目される一方で、アフガニスタンやイラクと並んで下位に位置するのがネパールのパスポートです。治安や政情が比較的安定しているネパールが、なぜ世界でもワーストクラスのパスポートランクにあるのか、その背景を解説します。

そもそもパスポートの「強さ」とは?

パスポートの強さとは、いかに多くの国へビザ無し、もしくは到着時ビザで渡航できるかを基準に評価されます。たとえば、ヘンリーパスポートインデックスではこの数を元に世界各国をランク付けしています。

ネパールのパスポートでは、2024年時点でビザ無し渡航可能な国が約38カ国程度と非常に少なく、これは世界でも下位にあたります(日本は190以上の国にビザ無し)[参照]。

ネパールのパスポートが弱いとされる理由

ネパールの治安は比較的安定しており、アフガニスタンやシリアのような紛争状態にはありません。しかし、ビザ免除が広がらない背景には以下のような理由があります。

  • 経済力の弱さ:多くの先進国は、貧困国からの不法滞在を懸念して、ビザ免除を認めていません。ネパールは一人あたりGDPが低く、出稼ぎ目的での不法滞在リスクが高いと見なされがちです。
  • 外交交渉の弱さ:ネパールは非同盟中立政策をとっており、ビザ相互免除協定を積極的に進めてこなかった経緯があります。
  • 移民管理体制の信頼性不足:偽造パスポートや戸籍管理の甘さなどから、パスポートの信頼性に課題があるとされることも、ビザ免除が進まない要因です。

ネパール国民の出国傾向と各国の警戒感

ネパールは出稼ぎ大国としても知られており、湾岸諸国・マレーシア・韓国などでの労働者派遣数は非常に多いです。

これが一部の先進国にとっては「不法就労目的の入国リスク」と見なされ、ビザ免除に慎重になる大きな理由の一つとなっています。特にEU諸国やアメリカでは、労働許可を伴わない入国者を厳しく管理しており、経済移民が多い国に対するビザ緩和は限定的です。

パスポートの強化には何が必要か?

ネパールのような国がパスポートランクを上げるためには、以下の要素が重要とされています。

  • 経済成長と安定的な雇用の創出
  • 外交交渉による相互ビザ免除協定の拡充
  • パスポート発行・管理システムの信頼性強化
  • 不法滞在者の国際的管理や再入国支援体制の整備

実際、ジョージアやアルバニアといった旧・ビザ弱国も、経済と外交努力により着実にパスポートランキングを上げています。

ビザ不要な国が少ないという現実

ネパール人がビザ無しで入れる国の多くは、他の発展途上国や一部の中南米・アフリカ諸国に限られています。EU圏・アメリカ・日本・韓国など先進国の多くはビザが必須です。

そのため、旅行先の選択肢は限定されがちで、手続きや渡航計画に時間と費用がかかる点も、ネパールパスポートの『弱さ』に直結しています。

まとめ:治安だけでは測れないパスポートの「強さ」

ネパールのパスポートが世界的に弱いとされる背景には、治安だけではなく、経済・外交・移民政策など多様な要因が絡んでいます。安全な国であっても、国際的信頼性や経済力が弱いとビザ免除は難しくなります。

今後、国際協調と国内改革が進めば、ネパールのパスポートも少しずつ強くなる可能性は十分にあります。

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