現在は東海北陸自動車道のおかげでアクセスが格段に便利になった白川郷。しかし、その高速道路が存在しなかった時代、人々はどのようにしてこの山深い合掌造りの里を訪れていたのでしょうか?本記事では、東海北陸道開通前の交通ルートや地域の交通インフラの変遷についてご紹介します。
白川郷の地理的背景と道路事情
白川郷は岐阜県大野郡白川村に位置し、急峻な山々に囲まれた豪雪地帯として知られています。かつては冬季閉ざされる期間も多く、外界との行き来が非常に困難でした。
国道156号線が主要なアクセスルートでしたが、道幅が狭く、カーブも多いため走行には注意が必要でした。特に冬季は積雪と凍結による通行止めも頻発していました。
主要なアクセス方法:高山経由と金沢経由
高速道路がなかった時代、白川郷へのアクセスとしてよく利用されたのが、岐阜県高山市を経由するルートでした。高山駅からは路線バスが出ており、約90分の山道を越えて訪れる旅程が一般的でした。
また石川県金沢市からもアクセス可能で、北陸道から国道304号線→156号線を利用して白川郷を目指すルートもありました。金沢からのバスも運行されており、観光客にとって重要な経路でした。
公共交通機関の発達とバス路線
開通前の主な交通手段は路線バスであり、「濃飛バス」「北鉄バス」などが高山や金沢から白川郷方面へ運行していました。これらは現在でも主要な公共交通機関として機能しています。
また、観光シーズンには臨時便も多く出ており、合掌造りの村落を訪れる国内外の観光客を支えていました。
生活道路としての白山スーパー林道(現・白山白川郷ホワイトロード)
1990年代には「白山スーパー林道(現在の白山白川郷ホワイトロード)」が開通し、石川県白山市から白川郷へ抜けるルートが一般開放されました。この道は景観の美しさから観光道路として人気を博しましたが、冬季閉鎖されるため年間通じた利用はできませんでした。
ドライブコースとして人気があり、岐阜・石川両県の観光を結ぶ重要ルートとして活用されました。
東海北陸自動車道の開通による変化
東海北陸自動車道は2008年に全線開通し、白川郷ICも同時に供用開始されました。これにより、名古屋や関西方面からのアクセス時間が大幅に短縮され、観光客数が飛躍的に増加しました。
特に白川郷ICからは村の中心部まで車で約10分という利便性の高さが、多くのドライバー観光客に支持されています。
まとめ:不便な時代を経て今がある
白川郷は長年、険しい山道を越えて訪れる秘境のような存在でした。しかし、国道やバス、林道、そして高速道路の整備によって現在のようなアクセスの良さを手に入れました。こうした交通の発展こそが、世界遺産・白川郷をより多くの人が訪れる観光地へと変えていったのです。


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