東京から鎌倉まで電車で移動する際、「横浜で一度改札を出た方が運賃が安くなる」という現象に気づいた方もいるかもしれません。今回はこの“運賃トリック”の理由や背景、活用の注意点について詳しく解説します。
運賃計算は乗車距離ではなく“営業キロ”で決まる
JRの運賃は、実際の乗車距離ではなく“営業キロ”という基準に基づいて計算されます。これは線路の物理的な長さではなく、運賃区分のために定められた距離体系です。
例えば、東京駅から鎌倉駅までを通しで乗車すると、「東海道本線+横須賀線」の通算営業キロが適用されます。一方、途中の横浜駅で改札を出て乗り継ぐ場合、区間が分割され、それぞれの営業キロで個別に計算されるため、合計金額が安くなるケースがあるのです。
東京~横浜~鎌倉の実例:通しと分割の料金差
2024年7月現在、以下のような運賃差が見られます(IC運賃):
- 東京→鎌倉(直通)…920円
- 東京→横浜…500円
- 横浜→鎌倉…330円
- 合計…830円
このように、途中で一度改札を出ると合計が安くなることがあります。特に近距離区間では運賃体系が段階的になっており、通し計算よりも分割の方が“二重に距離割引が適用される”ことでこのような逆転が生じるのです。
SuicaやICカード利用でも自動的には安くならない
ICカードを使って乗車した場合、途中で改札を通過しない限り「一筆書き」の通算距離で計算されます。つまり、改札を出ずに横浜駅を経由しても、安くなることはありません。
意図的に運賃を安くしたい場合は、横浜駅の改札を一度出て、再入場する必要があります。ただし、改札を出ると別料金扱いとなるため、乗継時間や混雑などを考慮した計画が必要です。
運賃トリックの背景にはJRの料金制度がある
このような現象が起きる背景には、JRが採用している“対キロ区分制”という運賃設定方式があります。これは距離ごとに料金が階段状に増える仕組みで、100キロ以下の近距離移動ほど影響を受けやすいです。
また、「近距離逓減制」と呼ばれるように、距離が長くなるほど1キロあたりの運賃は安くなるよう設計されています。そのため、区間を分けた方がトータルで安くなる場合が発生するのです。
注意点:途中下車の特例は対象外、改札を出る必要あり
この“安くなるルート”を利用するには、必ず一度改札を出て乗り直す必要があります。途中下車ができるのは特急券付きの切符など特例のある切符に限られるため、通常のIC乗車では「下車しない限り」分割されません。
また、改札内にある「乗換改札」ではこの料金差は適用されません。安くするには物理的に外に出る必要があります。
まとめ:意外と知られていない運賃の裏技を知ろう
東京から鎌倉までの移動で、横浜駅で一度改札を出ると料金が安くなる理由は、JRの営業キロと対キロ区分制に基づく運賃計算方式にあります。この仕組みを知っておくと、他の路線でもお得な移動ができる可能性があります。
ただし、時刻や混雑状況、時間的ロスを考慮して活用することが大切です。旅行や通勤の計画に合わせて、賢く使い分けてみましょう。


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