船のドック入り時に台座で支えられた部分の塗装はどうなる?入渠時の塗装工程を詳しく解説

フェリー、港

船舶が定期点検や修繕のためにドック入り(入渠)すると、船体の一部は木製やゴム製の「ドック台」に載せられます。このとき、船底全体が見える状態になりますが、実はドック台に接している部分はペンキを塗るのが難しい状況になります。本記事では、その部分の塗装がどう処理されているのか、実際のドック作業の流れと合わせて解説します。

ドック作業の基本:なぜ台に載せるのか

フェリーやヨット、商船などが入渠する際には、乾ドック(dry dock)と呼ばれる水を抜いた船渠に入り、船体を安定させるために木製またはゴム製の台座(ドック台)に載せられます。これは船を安定させるだけでなく、安全に作業を進めるために必要な措置です。

ドック台は船底のキール部分や船体フレームにあたる強固な部分に接触しており、船体全体をバランスよく支える構造です。これにより船体が傾いたり変形したりするのを防ぎます。

ドック台に接している部分の塗装は?

ドック入りの目的のひとつは、船底塗料(防汚塗料・亜鉛塗料など)の再塗装ですが、問題となるのが「ドック台で支えられている箇所」です。

結論から言えば、その接触部は塗装されません。なぜなら、塗料を塗るには表面が露出している必要があるからです。接触している間は物理的にアクセスできず、無理に塗ろうとすれば安全性や構造に悪影響が出てしまいます。

その部分はどうやって対応しているのか

では、塗装されなかった部分はどうするのか?多くのドックでは、以下の2通りの対応が取られます。

  • ドック台を一度外し、船体をわずかに浮かせて塗る:一度乾燥させたあと、台を別の位置に移動して、露出した面を後から手作業で塗ることがあります。
  • 次回のドック時に反対側を塗る:構造上、完全に台をずらせない船もあるため、塗られていない部分は少々の劣化を見込んで、次回の入渠で塗るケースもあります。

ただし、これは塗装スケジュールや使用する塗料の種類、船の運用予定によって変わります。

実際の船舶メンテナンスの流れ

塗装以外にも、ドック作業では以下のような工程があります。

  • 船底の高圧洗浄(フジツボや藻類の除去)
  • ペンキの剥離と錆落とし
  • 新たな防汚塗料の塗布(2〜3層)
  • プロペラ・ラダー(舵)の点検・整備

このように、台に載せられるのはあくまで安定させるためであり、作業性と安全性を優先しながら必要に応じて処置を行っています。

まとめ

船がドック入りした際に木製の台に載せられる部分は、基本的にその時点ではペンキが塗られません。ただし、後から塗装する工夫がされることもあり、完全に放置されるわけではありません。安全性と作業効率を両立させながら、専門スタッフが計画的に対応しているのです。ドック作業は見えない部分にも多くの配慮が詰まった、精緻なメンテナンス工程なのです。

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