「アメリカのバスで160人乗りなんてあるのですか?」という疑問を見かけることがあります。実際に米国のバス車両の定員や構造を調べると、「160人」という数値がどのような文脈で出てくるか、また「現実的に運用されているのか」が見えてきます。この記事では、米国バス事情の基礎知識とともに「160人乗りバス」という表現の正確さを整理します。
米国の標準的な路線バスの定員と車両構成
北米では一般的な路線バス(40 ft=約12 m級)の定員(座席+立席)はおおよそ80人程度というデータがあります。([参照](https://queenstransit.wordpress.com/2020/05/28/capacity-of-transit‑vehicles/))
さらに長尺車、例えば60 ft(約18 m)の連節バス(articulated bus/アーティキュレーテッドバス)では、定員が約120人程度という目安が複数の資料で示されています。([参照](https://queenstransit.wordpress.com/2020/05/28/capacity-of-transit‑vehicles/))
「160人乗り」という数値が出る背景と解釈
「160人」という定員数が出てくるのは、主にバス快速輸送システム(BRT : Bus Rapid Transit)や二連節・三連節バスの海外事例で、通常のアメリカ路線バスではあまり一般的ではありません。例えば、南米コロンビアのBRTでは“容量160人”級の専用車両が紹介されています。([参照](https://dialnet.unirioja.es/descarga/articulo/9821570.pdf))
一方、米国で報じられた長尺・アーティキュレーテッド電動バスでも「最大120人定員」というスペックが示されており、160人超の定員を標準仕様として提示している米国車両は確認が難しいです。([参照](https://www.energytrend.com/news/20141015‑7585.html))
米国内での大型・連節バスの定員例と制約
例えば、米ワシントン州キング郡の公共交通局が発注した60 ftアーティキュレーテッドバスは「最大120人乗り(ドライバー含む)」と報じられています。([参照](https://kingcounty.gov/en/dept/executive/governance‑leadership/news/archive/2020/january/30/metro‑battery‑electric‑bus‑order))
また、技術的・法律的な制約から、バス車両の長さ・車両重量・旋回性能・乗降客の流動性・安全性などが関係し、「定員を大きく増やせばいい」というわけではないという解説もあります。([参照](https://queenstransit.wordpress.com/2020/05/28/capacity-of-transit‑vehicles/))
なぜ「160人以上」が米国では多くないのか?運用面の視点から
運用面から見ると、米国の都市交通路線では「頻繁な停車」「ドア利用」「立席と座席のバランス」「乗客の流動」があるため、あまりにも大定員車両が一般路線に投入されるとは限りません。
加えて、アメリカでは鉄道や高容量輸送モード(ライトレール・地下鉄)での移動が比較的大きな役割を果たす都市も多く、バス1台で160人以上を運ぶことを主流とするには環境が整っていないという見方もできます。
まとめ
結論として、米国の一般的な都市路線バスにおいて「160人乗り」が標準スペックというわけではなく、むしろ「最大およそ120人程度」という定員を掲げる60 ft級アーティキュレーテッドバスが実運用で報告されています。
ただし、特殊なBRT専用車両や海外の輸入車・二連節・三連節バスなどでは160人級やそれ以上の定員が設定されている事例もあるため、「アメリカに160人乗りが“全くない”」とは言い切れませんが、一般的な“路線バス”という観点ではかなり例外的です。


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