北九州市は、映画やテレビドラマのロケ地として全国的に知られている都市の一つです。門司港のレトロな街並み、小倉の都市景観、工場地帯、港、海岸、山、歴史的建造物など、作品によって全く違う表情を撮影できる場所が一つの市内に集まっています。
さらに大きな特徴が、北九州市が行政として積極的に映画・ドラマの撮影を誘致し、北九州フィルム・コミッションを通じて撮影を支援してきたことです。北九州市自身も公式サイトで「映画の街・北九州」と表現しており、多数の国内外作品が市内で撮影されています。
したがって「北九州市=映画のロケ地」というイメージは、単なる噂ではありません。ただし街全体が映画セットという意味ではなく、さまざまなロケーションと撮影支援体制が組み合わさった結果、多くの映像作品に使われてきた都市と考えると分かりやすいでしょう。
- 北九州市は公式に「映画の街・北九州」を掲げている
- 北九州市がロケ地として使いやすい理由
- 門司港は特に映画・ドラマの撮影が多い地域
- 北九州市役所前の道路も大規模撮影に使われている
- 『相棒-劇場版IV-』でも市内各所がロケ地になった
- 『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』も北九州ロケ
- 『旅猫リポート』など比較的穏やかな作品にも使われている
- 近年も映画の撮影支援は続いている
- なぜ東京のシーンを北九州で撮影することがある?
- 工場・港湾エリアも北九州ならではのロケーション
- 市民エキストラが北九州ロケを支えている
- 「映画の街」そのものを題材にしたドラマも制作された
- 北九州市でロケ地巡りもできる
- 映画好きなら門司港と小倉を組み合わせると巡りやすい
- 北九州がロケ地として選ばれる理由を整理
- まとめ:北九州市は実際に「映画の街」と呼ばれる有名ロケ地
北九州市は公式に「映画の街・北九州」を掲げている
北九州市は、映画やテレビドラマなどの撮影誘致を長年行ってきました。市の公式サイトでは、全国に先駆けて国内外の映画・テレビドラマ等の誘致と支援に取り組み、多くの作品が北九州市内で撮影されたと説明しています。
その中心となっているのが「北九州フィルム・コミッション」です。撮影場所の提案だけでなく、ロケに関係する行政機関や企業との調整、市民エキストラやボランティアとの連携など、映像制作を支援しています。
こうした街ぐるみの撮影支援が評価され、北九州市は全国で初めて「東京ドラマアウォード2014・特別賞」を受賞したほか、福岡県文化賞やふるさとづくり大賞なども受賞しています。
北九州市がロケ地として使いやすい理由
映画撮影では「きれいな景色」があるだけでは十分ではありません。物語に合う景観、撮影車両やスタッフを動かせる環境、道路使用などの調整、エキストラの確保といった複数の条件が必要になります。
北九州市には、都市部、港湾、工業地帯、昔ながらの商店街、レトロ建築、住宅地、自然、海岸線など、異なる雰囲気の場所があります。北九州フィルム・コミッションの公式ロケ地検索でも、「歴史のある建物・風景」「産業」「海・海辺」「鉄道・駅」「トンネル・地下道」「日本的な街並み」「洋風レトロ」など非常に多くのカテゴリーが用意されています。
つまり一つの映画の中で、都会のシーン、工場地帯のシーン、古い街のシーンなどを比較的近い範囲で撮影できる可能性があります。制作側から見ると、ロケ地間の移動を抑えやすいことも大きなメリットになります。
門司港は特に映画・ドラマの撮影が多い地域
北九州市内でも、ロケ地として特に分かりやすい場所の一つが門司区・門司港周辺です。北九州市の公式サイトでも「門司区は映画などの撮影名所」として専用ページが設けられています。
門司港周辺には歴史的な建物、港、倉庫、鉄道、古い街並みなどが残っており、現代劇だけでなく昭和風・レトロ風のシーンにも利用しやすい特徴があります。
また門司港レトロ地区は観光地でもあるため、映画を見たあとに実際のロケ地を訪ねる「聖地巡礼」を比較的しやすい場所でもあります。
北九州市役所前の道路も大規模撮影に使われている
北九州市のロケ支援を象徴する場所として知られるのが、小倉北区の北九州市役所周辺です。通常であれば交通量の多い市街地ですが、大規模な映画撮影のために道路を使用した例があります。
たとえば中島哲也監督の映画『来る』では、北九州フィルム・コミッション公式情報によると、北九州市役所前の道路を封鎖して迫力のあるシーンが撮影されました。
映画制作では道路を自由に止められるわけではなく、警察や行政、周辺事業者など多くの関係者との調整が必要です。こうした大規模ロケを実現してきた実績が、「北九州は撮影しやすい街」という評価につながっています。
『相棒-劇場版IV-』でも市内各所がロケ地になった
北九州市では、人気シリーズの劇場版も撮影されています。その一つが『相棒-劇場版IV-』です。
北九州フィルム・コミッションの公式情報では、ニッカウヰスキー門司工場、安田工業八幡工場、小文字通り、小倉井筒屋、JRA小倉競馬場、北九州空港、西日本工業倶楽部、北九州市庁舎など、多数の市内施設がロケ地として掲載されています。
一つの作品だけで市街地・工場・空港・歴史的建築などさまざまな場所を利用できる点は、北九州市のロケーションの幅広さをよく表しています。
[参照] 北九州フィルム・コミッション「相棒-劇場版IV-」
『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』も北九州ロケ
特撮作品でも北九州市は利用されています。『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』では、北九州市役所前、ミクニワールドスタジアム北九州、門司港、小倉井筒屋前、鴎外橋付近などが撮影場所になっています。
特撮映画では多数のエキストラを動員した大規模な場面や、都市を舞台にしたアクションシーンが必要になることがあります。そのような撮影でも北九州市の街が活用されています。
実際の市街地を使って撮影することで、大規模なセットだけでは作りにくいリアリティを出せることも、地方都市ロケの魅力です。
[参照] 北九州フィルム・コミッション「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」
『旅猫リポート』など比較的穏やかな作品にも使われている
北九州というと工場やアクション映画のイメージを持つ人もいますが、ロケされる作品はそれだけではありません。
映画『旅猫リポート』では、阪九フェリー、常盤橋、みかげ通り、高塔霊園などが撮影場所として利用されました。街並みや移動風景など、日常的なシーンにも北九州市内のロケーションが使われています。
つまり「工業都市だから刑事物・アクション作品だけに向く」というわけではなく、物語の内容に応じてさまざまな場所を提供できることが北九州の強みです。
近年も映画の撮影支援は続いている
「北九州の映画ロケは昔の話」というわけでもありません。北九州フィルム・コミッションの公式サイトでは、近年の支援作品として『52ヘルツのクジラたち』『映画刀剣乱舞-黎明-』『劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班』『仮面病棟』など多数の作品が紹介されています。
映画だけでなく、テレビドラマ、ミュージックビデオ、CM、プロモーション映像なども支援対象です。
北九州フィルム・コミッションの公式サイトでは現在も映像制作者向けに撮影相談を受け付けており、ロケ地検索ページにも新しいロケーションが追加されています。撮影支援の仕組みは継続しています。
なぜ東京のシーンを北九州で撮影することがある?
映画を見ていると、設定上は東京や別の都市なのに、実際には北九州市で撮影されているケースがあります。映画のロケ地は、必ずしも物語上の舞台と一致するわけではないからです。
制作側が必要としているのは、「作品の中で東京に見える場所」「警察署に見える建物」「海外の都市に見える港」など、その場面に合う映像です。北九州には都市的な街並みから工業地帯、レトロ地区まであるため、別の都市として撮影できる場所もあります。
そのため映画を見た北九州市民が「これは小倉では?」と気付いても、作品上では全く別の街として登場していることがあります。これもロケ地巡りの面白さの一つです。
工場・港湾エリアも北九州ならではのロケーション
北九州市は八幡製鐵所をはじめとする工業の歴史を持つ都市です。現在も市内には工場、倉庫、港湾施設など独特の景観があります。
こうした産業景観は、サスペンス、犯罪映画、アクション映画、近未来的な作品などで映像的な魅力を発揮します。一方で通常は立ち入りや撮影が簡単ではない施設もあります。
フィルム・コミッションが施設所有者や関係機関との調整を支援することで、個人では実現しにくい撮影が可能になるケースがあります。ロケーションの豊富さだけでなく、撮影実現までの調整力も重要なのです。
市民エキストラが北九州ロケを支えている
大規模な映画では、通行人、観客、群衆などとして数十人から数百人規模のエキストラが必要になることがあります。北九州フィルム・コミッションでは、市民へ映画・ドラマ出演の機会を案内するなど、エキストラ参加も撮影支援の一部になっています。
こうした市民参加が長年続くことで、大人数を必要とする撮影にも対応しやすくなります。単に行政が場所を貸すだけではなく、市民も含めて撮影を支える文化が形成されてきました。
北九州市公式サイトでも、市民エキストラやボランティアスタッフ、関係機関、企業などの協力によって街ぐるみの撮影支援が行われてきたと説明されています。
「映画の街」そのものを題材にしたドラマも制作された
北九州市のロケ文化は、ついにはそれ自体がドラマの題材にもなりました。NHK北九州放送局制作のドラマ『GO! GO! フィルムタウン』では、北九州市のフィルム・コミッションを舞台にした物語が描かれています。
北九州フィルム・コミッションの紹介によると、このドラマは北九州市を「街のあちこちでロケが行われる映画の街」として描き、フィルム・コミッションの女性職員が市民と協力して映画撮影を支援する物語です。
撮影も門司港、若松南海岸、あさの汐風公園など北九州市内各所で行われたオール北九州ロケでした。「映画の街」という実績そのものが作品化された例です。
[参照] 北九州フィルム・コミッション「GO! GO! フィルムタウン」
北九州市でロケ地巡りもできる
映画やドラマが好きなら、北九州市を旅行するときにロケ地巡りを目的にすることもできます。北九州フィルム・コミッションでは支援作品ごとにロケ場所を紹介しているほか、公式のロケ地検索も用意されています。
たとえば門司港周辺、小倉城・北九州市役所周辺、若松地区など、観光と組み合わせやすい場所も多数あります。
ただしロケ地には一般企業の敷地、工場、住宅地なども含まれます。撮影された場所だから自由に立ち入れるとは限らないため、見学するときは施設の営業状況や立入ルールを守りましょう。
映画好きなら門司港と小倉を組み合わせると巡りやすい
初めて北九州のロケ地を見に行くなら、門司港と小倉を組み合わせると比較的回りやすくなります。
門司港では門司港レトロ周辺の歴史的建築や港の景色を楽しめます。小倉では北九州市役所、小倉城周辺、市街地など、映画・ドラマで登場したエリアを歩くことができます。
JRで小倉駅から門司港駅まで移動できるため、一日の観光ルートにも組み込みやすいでしょう。作品ごとの具体的な場所は北九州フィルム・コミッションの公式ロケ地マップで確認できます。
北九州がロケ地として選ばれる理由を整理
北九州市が多くの映画・ドラマに使われる理由を整理すると、単に景色が良いだけではないことが分かります。
| 特徴 | 撮影上のメリット |
|---|---|
| 門司港などのレトロ地区 | 歴史物・昭和風・洋風建築のシーンに使いやすい |
| 小倉の都市部 | 都会・繁華街・オフィス街などを表現できる |
| 工場・港湾地帯 | 産業・アクション・サスペンスなどに向く |
| 海・山・自然 | 市街地とは違う場面も同一市内で撮影可能 |
| フィルム・コミッション | 場所探しや行政・施設との調整を支援 |
| 市民エキストラ | 大規模な群衆シーンなどにも対応しやすい |
この「ロケーションの幅」と「撮影を実現する支援体制」の両方があることが、北九州の大きな強みです。
まとめ:北九州市は実際に「映画の街」と呼ばれる有名ロケ地
北九州市は、実際に数多くの映画・テレビドラマが撮影されてきた全国有数のロケ都市の一つです。北九州市自身も公式に「映画の街・北九州」を掲げています。
背景には、門司港のレトロな建築、小倉の都市景観、工場・港湾施設、海、山、住宅地など、多彩なロケーションが一つの市内に存在することがあります。
さらに北九州フィルム・コミッションが撮影誘致・ロケ地提案・関係機関との調整などを長年行い、市民エキストラや企業も協力する「街ぐるみ」の支援体制が築かれています。この取り組みは全国的にも評価され、複数の賞を受賞しています。
実際に『相棒-劇場版IV-』『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』『来る』『旅猫リポート』『52ヘルツのクジラたち』『映画刀剣乱舞-黎明-』など、さまざまなジャンルの作品が北九州フィルム・コミッションの支援作品として紹介されています。
したがって「北九州市=映画のロケ地?」というイメージはかなり的を射ています。正確には、「さまざまな場所が映画・ドラマのロケに使われ、行政と市民が積極的に撮影を支援してきたため『映画の街』として知られている都市」と表現するのが分かりやすいでしょう。
映画好きで北九州を訪れるなら、北九州フィルム・コミッションの支援作品一覧やロケ地検索を見てから門司港・小倉・若松などを巡ると、普通の観光とは少し違う街歩きを楽しめます。


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