高速道路を頻繁に利用していると、ETCの通行料金に対して「ポイントが付く」「キャッシュバックされる」「法人や組合のETCカードは対象外」といった話を耳にすることがあります。ここで混同しやすいのが、道路会社が提供するETCマイレージサービスやETC割引と、クレジットカード会社独自のポイント還元は別の制度だという点です。
さらに、会社や組合から発行されたETCカードでも種類によって扱いが異なります。単に「組合のカードだから対象外」と判断するのではなく、そのカードがETCクレジットカードなのか、ETCコーポレートカードなのかを確認することが重要です。ここでは、高速道路料金を少しでも安くするために知っておきたい仕組みを整理します。
高速道路の「ポイント」はETCマイレージサービスの可能性が高い
高速道路利用でポイントが貯まる代表的な制度がETCマイレージサービスです。登録料・年会費は無料で、対象道路を登録済みETCカードで走行すると、支払った通行料金に応じてポイントが付与されます。
貯まったポイントは「還元額」に交換でき、その還元額を高速道路の通行料金に充当できます。つまり一般的な買い物ポイントとは異なり、高速道路料金として使える無料通行分に交換する仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
ETCマイレージサービスは自動的に加入するものではありません。ETCカードを持っているだけではポイントが付かず、原則としてETCカード番号やセットアップ済み車載器の管理番号などを使って事前登録する必要があります。詳しい登録条件は[参照] ETCマイレージサービス公式サイトで確認できます。
組合発行のETCカードでも一律に対象外とは限らない
「組合から発行されたETCカード」というだけでは、ETCマイレージサービスの対象かどうかは判断できません。重要なのは実際に発行されているETCカードの種類です。
ETCマイレージサービスの公式案内では、ETCクレジットカードまたはETCパーソナルカードとセットアップされたETC車載器があれば、個人・法人ともに申込みが可能とされています。また、一定の条件を満たす法人カードも登録できます。
一方、ETCコーポレートカードはETCマイレージサービスには登録できません。ETCコーポレートカードは主として事業者向けの「大口・多頻度割引」を利用するためのカードで、ETCマイレージとは別の割引体系になっています。したがって、組合経由で利用しているカードの場合は、まずカードの券面や契約書類などで種類を確認するとよいでしょう。
「一番割引されるETCカード」は利用状況によって変わる
ETCカード選びで注意したいのは、ETCカードを替えれば道路会社の通行料金そのものが常に大幅に安くなるわけではないことです。高速道路会社によるETC割引は、カード会社よりも走行する道路、曜日、時間帯、車種、利用回数などの条件によって決まるものが中心です。
一方、ETCクレジットカードを利用すると、高速道路料金について親カード側のポイントが付く場合があります。その場合は「ETCマイレージによる還元」と「クレジットカード会社のポイント」の両方を受けられるケースがあります。
例えば月1万円の対象高速道路料金を利用する人なら、ETCマイレージのポイントとは別に、クレジットカード側でも利用額に応じたポイントを獲得できることがあります。年間利用額が大きくなるほど、ETCカードの年会費だけではなく親カードのポイント還元率や維持費まで含めた比較が重要になります。
ETCクレジットカードとETCコーポレートカードは目的が違う
個人利用と業務利用では、お得になる仕組みそのものが違います。一般的な違いを整理すると次のようになります。
| カード・制度 | 主な利用者 | ETCマイレージ | 主なメリット |
|---|---|---|---|
| ETCクレジットカード | 個人・法人 | 条件を満たせば登録可能 | ETCマイレージ+カード会社ポイントを狙える場合がある |
| ETCパーソナルカード | 個人など | 登録可能 | クレジットカードを作らなくてもETCを利用できる |
| ETCコーポレートカード | 高速道路を多く利用する事業者 | 登録不可 | 大口・多頻度割引を利用できる |
特に仕事で高速道路を大量に利用する場合、一般向けETCカードのポイント還元率だけを見て乗り換えると、かえって不利になる可能性があります。ETCコーポレートカードでは大口・多頻度割引という別制度があるためです。
ETCカードの種類については[参照] ETC総合情報ポータルサイトでも公式に整理されています。
個人なら「ETCマイレージ+カードポイント」で考える
個人が高速道路を利用する場合は、まずETCマイレージサービスに登録できるETCカードを選択することが基本です。そのうえで、親カードの年会費、ETCカードの年会費・発行手数料、ETC利用時のポイント還元率などを比較します。
例えば三井住友カードのETCカードでは、ETC利用分もVポイントの対象となります。ETCカードの年会費は初年度無料で、翌年度以降についても前年度に一度以上ETC利用の請求があれば無料となる仕組みが案内されています。ただし条件や料金は変更される可能性があるため、申込み時点の公式情報を確認する必要があります。
また、単純に「還元率が一番高いカード」を選ぶより、年間の高速道路利用額を基準に考えたほうが合理的です。例えばポイント差が年間数百円しかないのに、親カードの年会費が数千円高くなれば、実質的には損になることがあります。
高速道路を安く利用するならカード以外の割引も重要
高速道路料金を節約する場合、クレジットカードのポイントだけを見るのは十分ではありません。道路会社が実施するETC向け割引のほうが、条件によっては節約効果が大きくなるためです。
代表例として、対象道路・時間帯などの条件を満たすことで適用される割引制度があります。また、ETCマイレージサービスへの登録が条件となる「平日朝夕割引」のような制度もあります。利用する高速道路によって対象制度が異なるため、普段走る路線を基準に確認することが大切です。
つまり高速道路代を減らす順番としては、「利用できる道路会社のETC割引を確認する → ETCマイレージに登録する → クレジットカード側のポイント還元も取る」という考え方が分かりやすいでしょう。
組合のETCカードを使っている人が確認したいポイント
現在すでに組合経由のETCカードを利用している場合、すぐに個人向けカードへ変更するのではなく、現在受けている割引を確認しましょう。特に業務利用の場合、組合独自の契約や大口・多頻度割引などが適用されている可能性があります。
確認したいのは、①カードの正式名称、②ETCコーポレートカードかどうか、③現在適用されている高速道路料金の割引率、④組合の手数料、⑤年間の高速道路利用額です。この5点が分かれば、一般のETCクレジットカードへ変更した場合との比較がしやすくなります。
「ポイントが付かないから損」とは限りません。ポイントがなくても通行料金自体が大きく割り引かれているなら、そのほうが実質的に得になる場合があります。反対に、高速道路の利用額が少なく特別な法人割引をほとんど受けていない場合は、ETCマイレージとクレジットカードポイントを組み合わせられる一般カードが有力候補になります。
まとめ:ETCカードは「カード還元率」だけでなく割引制度まで含めて比較する
高速道路のポイントやキャッシュバックとして代表的なのがETCマイレージサービスです。対象のETCカードを事前登録して利用するとポイントが貯まり、還元額として高速道路料金に利用できます。
組合発行カードについては一律に対象・対象外と判断することはできません。法人向けETCクレジットカードなら登録できる場合がある一方、ETCコーポレートカードはETCマイレージの対象外です。ただしETCコーポレートカードには大口・多頻度割引という別のメリットがあります。
したがって「一番割引の大きいETCカード」は万人共通ではありません。個人で利用頻度がそれほど高くない場合は、ETCマイレージへの登録に加えて、年会費負担が小さくETC利用でもポイントが付くクレジットカードを組み合わせる方法が分かりやすい選択肢です。一方、仕事で高速道路を頻繁に使う場合は、現在の組合カードやETCコーポレートカードによる割引額を確認してから比較するのが適切です。
※ETC割引、ポイント付与条件、カード年会費などは変更されることがあります。実際にカードの申込みや変更を行う際は、ETCマイレージサービス、道路会社、カード発行会社の最新の公式情報をご確認ください。


コメント