梅田・難波で物乞いはできる?現在の実情と法律上の注意点、生活に困ったときの相談先を解説

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大阪の梅田や難波は人通りが非常に多いため、路上で金銭を求めればある程度のお金が集まるのではないか、と考える人もいるかもしれません。しかし、日本では路上で他人に金品を求める「物乞い」について法律上の規定があり、単純に「人通りの多い場所なら稼げる」と考えるのは適切ではありません。

また、梅田や難波で現在どの程度の人が物乞いをしているかについて、継続的かつ網羅的に人数や収入を示した公的統計は確認しにくく、目撃情報だけから「今も多い」「1日○円稼げる」と一般化することもできません。本記事では、物乞いに関係する法律、大阪の繁華街で行うリスク、収入源として考えることの問題点、生活費に困っている場合に利用できる大阪市の制度を整理します。

日本では「物乞い」に関する法律がある

まず知っておきたいのが軽犯罪法です。現行の軽犯罪法第1条第22号には、「こじきをし、又はこじきをさせた者」を拘留または科料に処するという規定があります。したがって、路上で不特定の通行人に金品を求める行為を、一般的な収入獲得方法と同じ感覚で考えることはできません。

この規定は現在も存在しています。条文そのものはe-Gov法令検索の軽犯罪法で確認できます。[参照:e-Gov法令検索「軽犯罪法」]

ただし、路上で行われるすべての金銭の受け取りが一律に同じ扱いになるという意味ではありません。例えば、正当な許可等のもとで行われる募金活動、商品やサービスの販売、路上パフォーマンスへの任意の投げ銭などは、行為の目的や態様が異なります。個別の行為が法的にどう評価されるかは具体的な状況によって変わるため、「お金を受け取った」という一点だけで判断するべきではありません。

梅田や難波なら物乞いで稼げるとは限らない

梅田はJR大阪駅や大阪梅田駅周辺、難波は大阪難波駅・なんば駅周辺などに大きな繁華街があり、時間帯によって非常に多くの人が行き交います。そのため、人通りだけを見れば金銭を受け取れる機会が多そうに感じられるかもしれません。

しかし、人通りの多さと物乞いによる収入には、安定した比例関係があるわけではありません。通行人から金銭を受け取れる保証はなく、日によってゼロになることも考えられます。そもそも前述した軽犯罪法上の問題があるため、「時給」「日給」のように収益性を計算できる仕事とは根本的に性質が異なります。

例えば「1時間に数万人が通る場所なら、そのうち何人かがお金をくれるだろう」という計算をしても、実際の金額を合理的に予測することはできません。通行量、時間帯、場所、警備状況などさまざまな要素が関係するうえ、法律上のリスクもあるためです。

梅田・難波の路上なら自由に活動できるわけではない

もう一つ注意したいのが、「路上だから自由に使える」というわけではないことです。駅前に見える場所でも、鉄道会社や商業施設などが管理する敷地である場合があります。また、公道や公園についても、その利用方法には法律や条例、管理上のルールが関係します。

さらに、通行人の進路をふさいだり、つきまとったりするような方法で金銭を要求すれば、物乞いとは別の問題が生じる可能性があります。軽犯罪法第1条第28号にも、他人の進路に立ちふさがることや、不安・迷惑を覚えさせる方法でつきまとう行為について規定があります。

そのため、梅田や難波のような人通りの多い場所ほど「人が多いからやりやすい」とは限りません。駅、地下街、商業施設、道路など管理主体の異なる場所が集中していることも理解しておく必要があります。

生活費がない場合は物乞い以外の選択肢がある

もし物乞いを考える理由が「今日のお金がない」「家賃が払えない」「仕事がなく生活できない」といった経済的事情であれば、大阪市には生活困窮者向けの相談制度があります。大阪市は生活困窮者自立支援法に基づき、各区に自立相談支援窓口を設置しています。

相談内容は仕事だけに限定されません。大阪市によると、経済的な問題をはじめとした複合的な課題について相談を受け、状況に応じた支援や他制度・関係機関への案内などを行っています。[参照:大阪市「生活にお困りの方へ」]

例えば梅田周辺を含む大阪市北区には「よりそいサポートきた」があり、仕事が見つからない、住むところがない、家賃が払えないといった相談を無料で受け付けています。難波周辺についても、居住している区などに応じて大阪市の各区相談窓口を利用できます。路上でお金を求める前に、こうした公的な窓口へ相談する方が生活を立て直すための具体的な方法につながりやすいでしょう。

収入がなくても生活保護を相談できる

収入や資産がほとんどなく、生活そのものが維持できない場合には生活保護も選択肢になります。大阪市は、生活保護について「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的」とする制度だと案内しています。

大阪市はさらに、生活保護の申請は国民の権利であり、生活保護を必要とする可能性は誰にでもあるため、ためらわず相談するよう案内しています。[参照:大阪市「生活保護」]

「まだ生活保護が必要なのか分からない」という段階なら、まず生活困窮者自立相談支援窓口で状況を説明する方法もあります。収入、住居、仕事、借金など複数の問題が重なっている場合も、最初から自分一人で利用制度を判断する必要はありません。

「物乞い」と「ホームレス」は同じ意味ではない

なお、街中で生活に困っているように見える人を見かけても、その人が物乞いをしているとは限りません。住居を失っていることと、通行人へ金品を要求することは別の問題です。

空き缶などの資源物を集めている人、支援団体から食料を受け取っている人、路上生活をしている人などを一括して「物乞い」と表現するのも正確ではありません。実際の生活状況や収入源は外見だけでは判断できないためです。

したがって、「梅田や難波で路上生活者を見た」という情報だけを根拠に、その地域では物乞いが多い、あるいは物乞いで稼げると結論付けることはできません。

まとめ:物乞いを収入手段として考える前に法律と支援制度を確認しよう

梅田や難波は大阪を代表する繁華街ですが、人通りが多いからといって物乞いで安定的に稼げるとはいえません。物乞いによる収入について信頼できる一律の相場はなく、軽犯罪法第1条第22号には「こじきをし、又はこじきをさせた者」を対象とする規定があります。

そのため、生活費を得る方法として物乞いを始めることは法律面でも生活の安定という面でも適切な選択とは言いにくいでしょう。特に「今日食べるお金がない」「住居を失いそう」「仕事がなく家賃を払えない」といった事情がある場合は、大阪市の各区に設置されている生活困窮者自立相談支援窓口へ相談する方法があります。

生活に困ったときは、路上で金銭を求めることよりも、まず利用できる公的支援を確認することが重要です。制度の対象になるか分からない段階でも相談できるため、困窮が深刻になる前に行政の窓口へつながることが生活再建への現実的な第一歩になります。

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