岐阜県羽島郡岐南町、笠松町にも近い場所にある「王の洞窟 岐南本店」は、玩具、ゲーム、トレーディングカード、古着、家電、釣具などを扱う大型のリユースショップです。初めて訪れると、一般的なリサイクルショップとは少し違う巨大な建物や独特の床構成が気になる人もいるでしょう。
この建物について過去の施設を調べると、現在の王の洞窟がある岐南町には、かつて「ミナミアイススケート」と呼ばれる大型スケート施設が存在していたことが確認できます。一方、公開されている一次資料だけでは「現在の建物そのものが当時のスケートリンク建物をそのまま転用した」ところまで確実に裏付けられないため、その点は分けて考える必要があります。
この記事では、王の洞窟 岐南本店の開業時期や所在地、岐南町に存在したミナミアイススケートとの関係、そして大型リユース店で見かける不思議な段差について整理します。
王の洞窟 岐南本店は2014年にオープンした大型リユースショップ
王の洞窟 岐南本店は岐阜県羽島郡岐南町徳田西1丁目27にあり、名鉄名古屋本線の岐南駅から徒歩圏内です。現在の公式店舗情報でも同住所が案内されています。[参照:王の洞窟 岐南本店 公式店舗情報]
運営会社のアセンテジャパンは2024年3月、王の洞窟 岐南本店が開店10周年を迎えたことを発表しています。したがって開店は2014年3月で、同社の「王の洞窟」ブランド第1号店です。[参照:株式会社アセンテジャパン]
現在はガンプラ、フィギュア、玩具、トレカ、家電、釣具、ゲーム、コミック、楽器、DVDなど幅広い商品を扱う大型店舗になっています。いわゆる小規模な古本店を拡張したタイプというより、大型商業施設を利用した「お宝ショップ」型の店舗として見ると、その広さにも納得しやすいでしょう。
岐南町には「ミナミアイススケート」というスケート場が存在した
現在の王の洞窟の前身を調べる際に重要になるのが、岐南町に存在した「ミナミアイススケート」です。岐阜県のフィギュアスケート環境を紹介する地域資料では、かつて県内にあったスケートリンクとして「ミナミアイススケート(羽島郡岐南町)」が挙げられており、1998年2月に閉館したとされています。
この施設については、地域の記憶やインターネット上でも、現在の王の洞窟周辺の旧施設としてミナミアイススケートを挙げる情報が見られます。つまり「昔、このあたりに大きなアイススケート場があった」という部分については確認できる情報があります。
スケートリンクには広大な無柱空間が必要です。そのため、もし旧施設の建物や構造が後の商業施設へ転用されているのであれば、現在の店舗が非常に広く感じられることとも整合します。ただし、ここから先は建物登記や当時の住宅地図、航空写真、建築資料などによる確認が必要です。
「王の洞窟=元ミナミアイススケート」と断定するには追加資料が必要
跡地の話では、「同じ場所に昔その施設があった」ことと「昔の建物をそのまま使っている」ことが混同されがちです。これは別々に確認する必要があります。
今回確認できる公開情報では、王の洞窟 岐南本店が2014年に開店したこと、所在地が岐南町徳田西1丁目27であること、岐南町には1998年までミナミアイススケートが存在したことまでは確認できます。一方で、運営会社の公式沿革などには、王の洞窟の建物について「旧ミナミアイススケートを改装した」と明記した説明は確認できません。
したがって現時点では、「ミナミアイススケートの跡地・関連建物だった可能性を示す地域情報はあるが、建物の履歴まで一次資料で確定したとは言えない」という表現が正確です。昔を知る人の証言は有力な手掛かりになりますが、事実として紹介する場合には資料による裏付けが必要です。
店内の段差は「元○○だった証拠」になる?
大型リユースショップへ行くと、売り場の途中で床が一段高くなったり、スロープが設置されていたり、天井高が突然変わったりする店舗があります。このような構造を見ると「元ボウリング場では?」「元パチンコ店では?」と想像したくなります。
しかし、段差だけで以前の用途を特定することはできません。既存建物を別用途へコンバージョンする場合、増築部分と旧建物の床レベルが違う、設備用スペースがある、元の用途に合わせて床構造が異なるなど、さまざまな理由で段差が残ります。
例えば元ボウリング場なら長いレーンを収容する独特の平面形状、元パチンコ店なら大きな駐車場や広いワンフロア、元スーパーならバックヤードや搬入口など、それぞれ痕跡が残ることがあります。元スケートリンクの場合にも、大きな無柱空間やリンク設備のための構造が建物の特徴として残る可能性があります。
買取王国などの大型リユース店に「居抜き物件」が多く見える理由
王の洞窟に限らず、郊外型の大型リユースショップでは「明らかに最初から古着・ホビー店として建てたようには見えない建物」が使われていることがあります。
理由の一つはリユース業態と大型既存店舗の相性です。中古品販売では大量の商品を陳列する売り場、買取カウンター、査定・保管スペース、大型駐車場などが必要です。閉店したスーパー、ホームセンター、娯楽施設などの大型物件は、こうした用途へ転用しやすい場合があります。
その結果、以前の店舗・施設の間取りが残り、売り場の途中に段差やスロープがあったり、不自然に天井が高かったり、奥へ非常に長い店内になったりします。この「前の建物の面影」自体が、お宝ショップ独特の雰囲気につながっていることもあります。
本当に跡地を特定したいなら古い住宅地図と航空写真が有効
昔の商業施設の跡地を調査するとき、現在の口コミだけで判断するより有効なのが過去の住宅地図や航空写真です。例えば1990年代、2000年代、2010年代の地図を時系列で比較すれば、同じ敷地にどの施設名が記載されていたのかを追跡できます。
さらに建物の輪郭が確認できる航空写真を年代別に比較すると、「建物がそのまま残って用途だけ変わった」のか、「旧施設を解体して新しい建物が建った」のかまで判別できる場合があります。
地域史を詳しく調べるなら、岐南町や岐阜県内の図書館が所蔵する古いゼンリン住宅地図、新聞記事、電話帳なども有力です。地元で長く暮らしている人の記憶とこうした資料を照合すると、店舗の変遷をかなり正確に復元できます。
王の洞窟の場所を調べると岐南町の娯楽施設の歴史も見えてくる
大型商業施設の跡地調査がおもしろいのは、単に「前は何の店だったか」が分かるだけではありません。現在では想像しにくい、その地域の昔の娯楽や商業の姿が見えてきます。
岐南町にアイススケート場が存在していたという事実もその一つです。現在、岐阜県内には常設リンクが少ないため、かつて岐南町にスケート施設があったこと自体を知らない世代も増えています。
王の洞窟の巨大な売り場を見て「この建物、昔は何だったのだろう」と感じることは、地域の変化をたどる入口になります。古い店舗の痕跡を探す場合には、記憶だけで断定せず、公式情報・古地図・航空写真・新聞資料を組み合わせるのがポイントです。
まとめ:王の洞窟周辺にはかつてミナミアイススケートが存在したが建物履歴は慎重に判断
岐阜県羽島郡岐南町徳田西1丁目27にある王の洞窟 岐南本店は、2014年にオープンした大型リユースショップです。運営会社の公式情報から、2024年3月に開店10周年を迎えたことが確認できます。
また、岐南町にはかつて「ミナミアイススケート」という大型スケート施設があり、1998年2月に閉館したことを示す地域資料があります。現在の王の洞窟についても、この旧スケート施設との関係を指摘する地域情報が見られます。
ただし「現在の王の洞窟の建物そのものが旧スケート場をそのまま転用した」と公式資料だけから断定できるところまでは確認できません。店内の段差や広大な売り場も興味深い手掛かりですが、それだけで旧用途を決めることはできません。正確な建物史を確定するには、1990年代から2014年までの住宅地図、航空写真、建物登記などを時系列で照合するのが確実です。


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