成田からヨーロッパへ渡り、イタリア・スペイン・オランダの3カ国を約18日間で巡る旅行は、学生生活の締めくくりとして魅力的なプランです。一方、円安やヨーロッパの物価上昇を考えると「80万円で足りるのか」が大きな問題になります。
結論からいえば、1人80万円の予算があり、エコノミークラスの航空券、安価なホテルやホステル、LCCなどを上手に組み合わせるなら、18日間・3カ国旅行は十分に現実的です。ただし、旅行時期や予約時期によって航空券・宿泊費が大幅に変わるため、80万円なら必ず余るとまでは言えません。
むしろ重要なのは、1日あたりの食費を極端に削ることより、日本~欧州の航空券と17~18泊分の宿泊費を早い段階で予算内に収めることです。ここでは80万円を基準に、現実的な費用配分と3カ国を効率よく回る方法を解説します。
18日間のヨーロッパ3カ国旅行は80万円で実現可能
旅行費用は時期によって大きく変動しますが、節約型から中程度の旅行スタイルなら、総額80万円は決して低すぎる予算ではありません。バックパッカーのような極端な節約旅行をしなくても、航空券と宿を慎重に選べば成立する可能性があります。
例えば予算を大まかに分けると、次のようなイメージになります。
| 項目 | 18日間の予算目安 |
|---|---|
| 日本~ヨーロッパ往復航空券 | 15万~25万円 |
| 宿泊費 | 12万~20万円 |
| 欧州内の都市間移動 | 5万~10万円 |
| 食費 | 8万~13万円 |
| 市内交通費 | 2万~4万円 |
| 観光・入場料 | 3万~7万円 |
| 海外旅行保険・通信等 | 1万~3万円 |
| 予備費・買い物 | 5万~10万円 |
これはあくまで計画用の概算ですが、中間程度で組んでも60万~70万円台に収められる余地があります。逆に繁忙期に航空券を直前購入し、アムステルダムなどで個室ホテルを連泊すると宿泊費だけで予算が膨らむことがあります。
80万円を成功させる最大のポイントは航空券
ヨーロッパ旅行では、日本からヨーロッパまでの航空券が最も大きな固定費の一つです。ここを20万円前後までに抑えられるかどうかで、その後の旅行がかなり楽になります。
3カ国旅行なら、単純な「成田→ローマ→成田」の往復だけでなく、成田→イタリア、オランダ→成田のようなオープンジョー(複数都市)航空券も比較する価値があります。最後に出発地点まで戻る必要がなくなるためです。
例えば「東京→ローマ、ローマ→バルセロナ、バルセロナ→アムステルダム、アムステルダム→東京」とすれば、ヨーロッパを一方向へ進めます。ローマへ戻るためだけの航空券や宿泊を追加する必要がありません。
イタリア・スペイン・オランダはLCCで移動できる
イタリア、スペイン、オランダはいずれもヨーロッパ内の航空ネットワークが充実しているため、都市の組み合わせによってはLCCを利用できます。「3カ国が隣り合っていないから非常に高額になる」とは限りません。
例えばローマからバルセロナ、バルセロナからアムステルダムといった主要都市間には航空便があります。早期予約なら比較的安い運賃が見つかることもあります。
ただしLCCでは表示運賃だけを見ないことが重要です。大型の機内持ち込み手荷物、預け荷物、座席指定などが別料金になり、最終的には一般航空会社との差が小さくなることがあります。18日旅行では荷物が増えやすいため、受託手荷物を含めた総額で比較しましょう。
1カ国1~2都市なら18日間でも無理のない日程
18日で3カ国なら単純平均で1カ国6日です。各国1都市、多くても2都市に絞るのであれば、比較的ゆとりを持って旅行できます。
例えばイタリア6日間をローマ4泊+フィレンツェ2泊、スペイン6日間をバルセロナ3泊+マドリード3泊、オランダ6日間をアムステルダム中心に滞在するといった組み方ができます。
一方で「ローマ、フィレンツェ、ベネチア、ミラノ、バルセロナ、マドリード、セビリア、アムステルダム、ロッテルダム」と都市数を増やすと、交通費だけでなく移動日に観光時間を失います。18日旅行では訪問都市を増やしすぎないことが、節約と満足度の両方に効きます。
宿泊費は個室とドミトリーを混ぜると調整しやすい
80万円の予算なら18日間すべてをドミトリーにする必要はありません。安い個室ホテルと評価の高いホステルを組み合わせる方法があります。
例えば1泊平均8,000円なら17泊で13万6,000円、1万円なら17万円、1万2,000円なら20万4,000円です。この「平均宿泊単価」を意識すると旅行全体の予算を管理しやすくなります。
アムステルダムなど宿泊費が高くなりやすい都市ではドミトリーを利用し、比較的安い都市では個室を選ぶ方法もあります。ただし宿泊料金は曜日、イベント、季節による変動が非常に大きいため、旅行日が決まったら早めに検索することが重要です。
食費は1日5,000~7,000円程度から計画する
ヨーロッパ旅行で毎食レストランを利用すると食費は大きくなります。そこで朝食はスーパーやベーカリー、昼は軽食、夜だけレストランという組み合わせが有効です。
例えば1日6,000円なら18日で10万8,000円です。毎日豪華なディナーを食べるのは難しくても、スーパーだけで18日間を過ごす必要もありません。
せっかくイタリアやスペインへ行くなら、ピザやパスタ、タパスなど現地で食べたい料理には予算を使い、それ以外の食事を抑えるほうが旅行の満足度を維持しやすいでしょう。
80万円を全部使う前提にはしない
80万円の旅行資金がある場合でも、航空券・ホテル・交通・食事などで80万円を完全に使い切る計画にはしないほうが安心です。航空便の欠航、予定変更、荷物トラブル、体調不良などで予想外の出費が発生する可能性があります。
例えば旅行本体を65万~70万円以内で組み、残り10万~15万円を予備費として残しておけば、かなり余裕が生まれます。クレジットカードも1枚だけではなく、可能なら国際ブランドの異なるカードなど決済手段を分散すると安心です。
海外旅行保険についても確認しましょう。クレジットカード付帯保険を利用する場合は、補償内容だけでなく自動付帯・利用付帯などの適用条件を出発前に確認する必要があります。
2026年以降の欧州旅行ではEES・ETIASにも注意
イタリア、スペイン、オランダはいずれもシェンゲン圏に含まれます。日本国籍者が観光目的で短期滞在する場合、通常はシェンゲン圏全体で「180日間のうち90日以内」という短期滞在ルールを意識します。18日間の旅行であれば、他の滞在歴がなければ日数面では十分範囲内です。[参照:欧州委員会 Short-stay calculator]
またEUではEntry/Exit System(EES)が導入され、2026年4月10日から全面運用されています。短期滞在するEU域外国籍者の出入国情報などをデジタルで管理する仕組みです。[参照:欧州委員会 EES]
さらにETIASという渡航認証制度も予定されています。2026年8月時点ではまだ運用開始前で、EU公式サイトでは2026年第4四半期の開始予定と案内されています。旅行時期によって必要な手続きが変わる可能性があるため、出発前には必ず最新の公式情報を確認してください。[参照:EU公式 ETIAS]
円安では「現地価格×為替」を常に意識する
円安時のヨーロッパ旅行では、現地で「10ユーロだから安い」と感じても、日本円へ換算すると意外に高額になることがあります。旅行計画時にはユーロ建てと円建ての両方で予算を管理すると分かりやすくなります。
為替レートは旅行時点まで変動するため、現在のレートだけで18日分をぎりぎりに計算するのは避けましょう。欧州中央銀行はユーロと円を含む参考為替レートを公表しています。[参照:European Central Bank]
ホテルや航空券を日本円で事前決済できれば、旅行前に大きな支出額を確定できます。現地で使うユーロ分については、為替がさらに円安になった場合を想定して少し余裕を持たせておくと安心です。
まとめ:80万円なら18日間・欧州3カ国は十分検討できる
成田からイタリア・スペイン・オランダを約18日間で旅行する場合、1人80万円という予算は「低すぎて無理」という水準ではなく、航空券と宿泊費を適切に管理すれば十分現実的です。各国1~2都市に絞る旅行スタイルとも相性がよいでしょう。
特におすすめなのは、日本~欧州を複数都市航空券で一方向に組み、欧州内をLCCや鉄道でつなぐ方法です。宿泊は個室とドミトリーを混ぜ、食事も毎食レストランにしなければ大きく節約できます。
目標としては旅行本体を65万~70万円程度までに収め、10万~15万円程度を予備費として残すと安心です。航空券が安く取れた時点でかなり有利になるため、まず「日本→最初の国」と「最後の国→日本」の航空券を調べ、その次に宿泊費、欧州内移動費の順で具体的な総額を積み上げると、80万円で実現できるかを正確に判断できます。


コメント