カナダへの語学留学や短期留学を考えるとき、「観光なら6か月滞在できるのだから、6か月以内の留学も学生ビザなしでできるのでは?」と疑問に思う人は少なくありません。
カナダ政府のルールでは、原則として6か月以下で完了するコース・プログラムであれば、Study Permit(就学許可)を取得せずに勉強できます。そのため、日本から3か月や6か月程度の語学留学をするケースでは、条件を満たせばStudy Permitなしで留学することが可能です。
ただし「6か月以内ならパスポートだけで何も手続きせず留学できる」という意味ではありません。日本国籍者が空路でカナダへ渡航する場合は通常eTA(電子渡航認証)が必要で、入国時に認められた滞在期間内にコースを修了することなどの条件もあります。以下では2026年8月時点のカナダ政府の案内を基に整理します。
6か月以下の短期留学ならStudy Permitが不要になる
カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)は、6か月以下のプログラムでカナダへ来る短期学生について、原則としてStudy Permitは不要と案内しています。[参照:カナダ政府・Study Permitなしで就学できるケース]
より正確には、学習するコースが6か月以下であり、さらにカナダへの入国時に認められた滞在期間内にそのコースを修了できることがポイントです。また、その短期コースが実質的により長いプログラムの一部である場合には扱いが異なるため注意が必要です。
例えば日本からカナダへ渡航し、現地の語学学校で12週間英語を学んで帰国するようなプランなら、この「6か月以下」に該当する典型例です。一方、1年間のプログラムへ入学して「最初の6か月だけStudy Permitなしで受講する」という考え方はできません。
「ノービザ」と「何も申請しなくてよい」は同じではない
日本国籍者の場合、一般的な短期滞在についてカナダのTemporary Resident Visa(いわゆるビジタービザ)が免除される場合でも、空路で渡航するときには通常eTAが必要です。
eTAはElectronic Travel Authorizationの略で、日本語では電子渡航認証などと呼ばれます。カナダ政府によれば、ビザ免除対象国の外国人が航空機でカナダへ渡航・乗り継ぎする際の入国要件となっています。[参照:カナダ政府 eTAについて]
したがって、日常会話では「ビザなしでカナダへ短期留学できる」と表現されることがありますが、制度上は「Study Permitが不要なのか」「Temporary Resident Visaが必要なのか」「eTAが必要なのか」を分けて考えると分かりやすくなります。
6か月滞在できることが入国時に保証されるわけではない
もう一つ注意したいのが「カナダはノービザなら必ず6か月滞在できる」という理解です。カナダ政府によると、多くの訪問者は最長6か月滞在できますが、実際に認められる期間は入国時の審査によって決まります。
国境サービス職員が6か月より短い、または長い期間を認める場合もあり、その場合は出国期限がパスポートやVisitor Recordなどで示されます。特別な期限が指定されない場合には、通常は入国日から6か月またはパスポートの有効期限までのいずれか早いほうが基準になります。[参照:カナダ政府 eTA・入国後の滞在期間]
そのため、例えば「ほぼ6か月」の語学コースへ参加する場合には、コース終了日だけでなく入国日と出国予定日まで確認して計画することが大切です。
3か月・6か月・1年留学では必要な手続きが違う
期間による違いを単純化すると、次のように整理できます。
| 留学プランの例 | Study Permit | 主な考え方 |
|---|---|---|
| 3か月の語学コース | 原則不要 | 6か月以下で完了する独立したコースなら対象 |
| 6か月以下で完了するコース | 原則不要 | 認められた滞在期間内に修了する必要がある |
| 8か月のコース | 原則必要 | 6か月を超えるためStudy Permitを取得して渡航する |
| 1年間のプログラム | 原則必要 | 最初の6か月だけ無許可で学ぶという扱いにはならない |
カナダ政府も、6か月を超えて勉強する場合には渡航前にStudy Permitを申請するよう案内しています。[参照:カナダ政府 Study Permit確認ツール]
短期留学後も勉強を続ける予定ならStudy Permitを検討する
最初は6か月以下の短期コースでも、その後に別の学校や長期プログラムへ進む予定が最初からある場合は注意が必要です。カナダ政府は、6か月以下のプログラムでも、その後さらに別のプログラムで勉強を続ける予定なら、カナダへ来る前にStudy Permitを申請することを勧めています。
Study Permitなしで短期留学を開始し、「気に入ったから現地でそのまま1年間留学へ変更しよう」と考えても、誰でも簡単にカナダ国内からStudy Permitへ切り替えられるとは限りません。カナダ国内からStudy Permitを申請できる人には条件があります。[参照:カナダ政府 カナダ国内からのStudy Permit申請]
したがって最初から半年を超えて留学する可能性が高いなら、「とりあえずノービザで入国して後から考える」のではなく、渡航前にStudy Permitを取得するプランを検討したほうが安全です。
Study Permitなしの短期留学では原則として働けない
費用を抑えるため「語学学校へ通いながらアルバイトもしたい」と考える場合には特に注意が必要です。Study Permitが不要な短期留学だからといって、自由にカナダで働けるわけではありません。
カナダ政府は、Study Permitなしで勉強している場合、就学中に働くことはできず、働くには別途Work Permitが必要になると案内しています。[参照:カナダ政府 Study Permitなしの就学と就労]
例えば3か月の語学学校へeTAで渡航し、空いた時間に現地の飲食店でアルバイトをするということは、短期留学が認められているという理由だけではできません。「勉強できること」と「働けること」は別の資格として考える必要があります。
短期留学前に確認しておきたいポイント
6か月以下の留学を計画するときは、単純に日数だけを見るのではなく、学校側にも自分のコースがStudy Permitなしで受講可能なプログラムなのか確認しておくと安心です。
少なくとも、次の項目は渡航前に確認しておきましょう。
- コース全体が6か月以下で完了するか
- より長いプログラムの一部ではないか
- 入国からコース修了・帰国まで滞在期間内に収まるか
- 航空機で渡航する場合にeTAが必要か
- パスポートの有効期限に問題がないか
- 留学後に別の長期コースへ進学する予定がないか
- アルバイトやインターンシップを予定していないか
また入国許可そのものはeTAを取得しただけで保証されるものではありません。入国時には滞在目的や滞在期間などについて確認される可能性があるため、学校の入学・受講を確認できる書類、滞在先、帰国予定などを説明できるよう準備しておくとよいでしょう。
まとめ:6か月以下で完結する短期留学ならStudy Permitなしで可能
カナダでは、6か月以下で完了する独立したコース・プログラムで、認められた滞在期間内に修了できる場合、原則としてStudy Permitなしで短期留学できます。3か月程度の語学留学などは代表的なケースです。
ただし、「ノービザ=何の手続きも必要ない」という意味ではありません。日本から航空機で渡航する場合には通常eTAが必要で、実際の滞在可能期間は入国時の判断にも左右されます。またStudy Permitなしの短期学生には、通常の留学生と同じ就労資格が自動的に与えられるわけではありません。
半年を超えて勉強する予定がある場合や、短期コース終了後にそのまま長期留学へ移行する予定がある場合は、最初からStudy Permitの取得を検討することが重要です。制度は変更される可能性があるため、渡航時点でカナダ政府IRCCの最新情報と学校側の案内を確認してから手続きを進めましょう。


コメント