ワンワールド(oneworld)の世界一周航空券で南米を旅行するとき、悩みやすいのがブラジル・ペルー・チリなど南米内の移動です。かつてワンワールド加盟会社だったLATAM Airlinesは現在アライアンスを脱退しているため、例えばサンパウロからリマへLATAMで移動したい場合、そのフライトをそのままワンワールド世界一周航空券の対象区間として組み込めるとは限りません。
しかし、だからといって「世界一周旅行中はワンワールド以外の航空会社に一度も乗ってはいけない」という意味ではありません。世界一周航空券の旅程の途中を自力移動区間(surface sector/地上移動区間)として扱い、その区間を別途購入したLATAMなどの航空券で移動する方法があります。
例えば世界一周航空券を「……→サンパウロ、(自力移動)、リマ→……」という旅程にして、サンパウロ→リマだけLATAMの別切り航空券を購入する考え方です。わざわざ世界一周航空券上で「サンパウロ→マイアミ→リマ」と大回りし、その便を実際には利用せずLATAMで直行する、という組み方は避けるべきです。[参照] oneworld公式「世界一周旅行航空券」
- LATAMは現在ワンワールド加盟航空会社ではない
- 世界一周旅行の途中でワンワールド以外の航空会社に乗ることはできる
- サンパウロからリマだけLATAMを別切りにする考え方
- 「サンパウロ→マイアミ→リマ」を予約してLATAMで直行する方法はおすすめできない
- ワンワールド・エクスプローラーには世界一周の基本ルールがある
- 自力移動区間を入れても運賃規則から消えるとは限らない
- 南米はLATAM脱退後、世界一周航空券のルート作りが難しくなった
- 別切り航空券を組み合わせるメリット
- 別切り航空券の最大の注意点は乗り継ぎ保証がないこと
- 預け荷物も別切りなら一度受け取る前提で考える
- 世界一周航空券だけで南米区間を組む方法も比較する
- oneworld ExplorerとGlobal Explorerの違いにも注意
- 「世界一周航空券+別切り」を組む具体例
- 世界一周航空券を組むときに避けたい3つの考え方
- まとめ|LATAM区間は別切りにして「自力移動」とする方法がある
LATAMは現在ワンワールド加盟航空会社ではない
まず前提として、LATAM Airlines Groupはかつてワンワールドに加盟していましたが、2020年5月1日付でワンワールドから脱退しています。ワンワールド自身が正式に発表しています。[参照] oneworld「LATAM to leave oneworld effective 1 May 2020」
そのため、古い旅行記や世界一周航空券の解説を検索すると、LATAMを利用した南米ルートが紹介されていることがありますが、現在のワンワールド世界一周旅行をそのまま計画する際には使えない情報が含まれています。
2026年8月時点のワンワールド加盟航空会社には、アメリカン航空、アラスカ航空、ハワイアン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、フィンエアー、フィジー・エアウェイズ、イベリア航空、日本航空、マレーシア航空、オマーン・エア、カンタス航空、カタール航空、ロイヤル・エア・モロッコ、ロイヤル・ヨルダン航空、スリランカ航空などがありますが、LATAMは含まれていません。[参照] oneworld公式サイト
世界一周旅行の途中でワンワールド以外の航空会社に乗ることはできる
ここで重要なのは、「ワンワールド世界一周航空券に含められるフライト」と「世界一周旅行中に旅行者が利用するすべての交通手段」は同じではないということです。
世界一周航空券として発券するフライトには運賃規則がありますが、途中に自力で移動する区間を設けることは可能です。一般にこのような区間はsurface sector、surface segmentなどと呼ばれ、日本語では「地上移動区間」「自力移動区間」などと説明されます。
「地上移動」と呼ばれていても、その区間を必ず鉄道・バス・レンタカーで移動しなければならないという意味ではありません。世界一周航空券とは別に航空券を購入し、他社便で次の出発都市へ移動することもできます。
サンパウロからリマだけLATAMを別切りにする考え方
具体的な例で考えてみましょう。南米旅行でブラジルのサンパウロを観光した後、ペルーのリマへ移動し、その後も世界一周旅行を続けたいとします。
世界一周航空券の旅程上では、例えば次のような考え方ができます。
| 区間 | 利用方法 |
|---|---|
| 前の都市 → サンパウロ | ワンワールド世界一周航空券 |
| サンパウロ → リマ | 自力移動区間として、LATAM等を別途購入 |
| リマ → 次の目的地 | ワンワールド世界一周航空券 |
この場合、サンパウロに到着した時点で世界一周航空券の連続する搭乗区間はいったん途切れ、サンパウロからリマまでは自分で移動します。そしてリマから世界一周航空券の次のフライトへ乗ります。
別切りしたLATAM便はワンワールド世界一周航空券の一部ではありません。あくまで「世界一周航空券ではサンパウロからリマまで自力移動することになっていて、その自力移動手段としてLATAMを自分で購入する」という整理です。
「サンパウロ→マイアミ→リマ」を予約してLATAMで直行する方法はおすすめできない
サンパウロ→リマをワンワールド便だけで組みにくい場合、「世界一周航空券にはサンパウロ→マイアミ→リマのアメリカン航空を入れておき、実際にはその便を使わずLATAMでサンパウロ→リマへ飛べばよいのでは」と考えるかもしれません。
しかし、この方法は避けるべきです。航空券では予約した区間を意図的に利用しない「no-show」が発生すると、その後の予約区間が影響を受ける可能性があります。特に一連の航空券として発券されている旅程で、途中区間だけ勝手に飛ばす方法は安全ではありません。
例えば「サンパウロ→マイアミ」を利用せずLATAMでリマへ移動し、世界一周航空券の「マイアミ→リマ」も利用せず、その次の「リマ→○○」から再び搭乗しようとしても、前区間のno-showによって後続予約が維持されているとは限りません。最初からサンパウロ→リマを自力移動区間として成立する旅程で発券するほうが適切です。
ワンワールド・エクスプローラーには世界一周の基本ルールがある
ワンワールドの代表的な世界一周運賃「oneworld Explorer」は、大陸数を基準として運賃が決まる商品です。公式サイトでは、世界を6大陸、3ゾーンに分類しています。北米・南米がゾーン1、欧州・中東・アフリカがゾーン2、アジア・南西太平洋がゾーン3です。
基本的にはゾーン間を東回りまたは西回りの連続した方向で進む必要があります。一方、大陸内については原則としてある程度の逆行も認められています。ただし例外もあるため、単純に「世界を東方向に一筆書きすれば何でもよい」というルールではありません。
またoneworld Explorerでは、旅行期間は10日から最長1年、出発都市と最終到着都市は同一、太平洋と大西洋をそれぞれ横断する必要があり、3~6大陸、3~16フライトという条件が公式に案内されています。[参照] oneworld「Round The World Airline Tickets」
自力移動区間を入れても運賃規則から消えるとは限らない
ここは世界一周航空券を組むときの重要な注意点です。飛行機に乗らない区間をsurface sectorにしたからといって、その移動が世界一周航空券のルール上すべて「存在しないもの」になるとは限りません。
世界一周運賃には大陸数、区間数、ストップオーバー、方向、出発地と終了地など細かな規則があります。自力移動区間についても旅程上の位置関係によって扱いが変わるため、実際に発券できるかは最新の運賃規則と予約システムで確認する必要があります。
したがって、「LATAMを別切りにすればどんなルートでも作れる」という意味ではありません。まずワンワールド世界一周航空券として成立する旅程を作り、その中で認められる自力移動区間を利用するという順序で考えるのが安全です。
南米はLATAM脱退後、世界一周航空券のルート作りが難しくなった
LATAMがワンワールドに加盟していた時代は、南米各国を移動する際にLATAMの広いネットワークを世界一周旅程へ組み込みやすい状況でした。LATAM脱退後は、ワンワールド加盟会社だけで南米内を細かく回る自由度が以前より低下しています。
現在もアメリカン航空などのワンワールド加盟会社が南米各都市へ運航していますが、アメリカン航空は米国のマイアミなどを大規模なハブとしているため、南米都市同士を移動する目的では不自然な大回りになるケースがあります。アメリカン航空は現在もワンワールド創設メンバーです。[参照] oneworld「American Airlines」
例えばブラジルからペルーへ行くだけなのに北米まで往復するより、世界一周航空券ではブラジル到着までを組み込み、南米内の一部だけLATAMなどを別切りにしたほうが、時間・体力・旅程の面で合理的になることがあります。
別切り航空券を組み合わせるメリット
最大のメリットは、ワンワールドの路線網だけに縛られず、行きたい都市を組み合わせられることです。特に南米のようにワンワールド加盟会社の域内ネットワークが限られる地域では効果的です。
例えば「サンパウロ→リマ」「リマ→サンティアゴ」などで、世界一周運賃に適した便が見つからなければ、LATAMなどの現地ネットワークを利用する選択肢が生まれます。
また、不自然な乗り継ぎを避けられる場合があります。直線的には数時間で移動できる都市間を、アライアンスにこだわって米国や欧州経由にすると、移動時間だけで1日以上失うケースもあります。世界一周旅行では航空券代だけでなく「旅行日数」というコストも重要です。
別切り航空券の最大の注意点は乗り継ぎ保証がないこと
一方、別切り航空券には重要なデメリットがあります。世界一周航空券とLATAMの航空券は基本的に別契約になるため、一方の遅延・欠航によってもう一方へ乗り遅れた場合、通常の同一航空券による乗り継ぎと同じ保護を期待できません。
例えばLATAMのサンパウロ→リマ便が大幅に遅延し、同日夜に予約していた世界一周航空券のリマ発便へ乗れなかった場合、後続便へ無条件で振り替えてもらえるとは限りません。
そのため、別切り区間と世界一周航空券を接続するときは、数時間だけのギリギリの乗り継ぎを避け、可能なら次の世界一周航空券の便が出発する都市で1泊以上するなど、余裕を持たせる方法が安全です。
預け荷物も別切りなら一度受け取る前提で考える
別切り航空券では、預け荷物の扱いにも注意が必要です。航空会社間の取り扱いや空港、航空券の条件によっては、最終目的地までスルーチェックインできない場合があります。
その場合は乗り継ぎ空港で一度荷物を受け取り、次の航空会社で改めてチェックイン・手荷物預けを行います。国際線では入国手続きが必要になるケースもあり、単純な乗り継ぎより時間がかかります。
世界一周航空券と別切り航空券を組み合わせるなら、「飛行機が定刻なら間に合う時間」ではなく、遅延、入国、荷物受取、ターミナル移動、再チェックインまで含めて余裕を確保することが重要です。
世界一周航空券だけで南米区間を組む方法も比較する
もちろん、別切りを使わずワンワールド加盟会社だけで旅程を作ることも選択肢です。アメリカン航空はマイアミを中南米への主要ゲートウェイとしており、南米各地と米国を結ぶ路線があります。
例えば旅程全体の方向や大陸ルールを満たす範囲で、南米からマイアミを経由して次の目的地へ向かうルートが合理的になる場合があります。ただし、サンパウロからリマへ行くためだけに北米へ往復するような旅程は、移動時間が大幅に増えます。
「世界一周航空券にできるだけ多く含めること」が必ずしも最安・最短になるとは限りません。世界一周航空券の追加区間と、現地航空会社の別切り運賃を比較するのがおすすめです。
oneworld ExplorerとGlobal Explorerの違いにも注意
ワンワールド公式では現在、代表的な世界一周商品として「oneworld Explorer」と「Global Explorer」を案内しています。oneworld Explorerは主として訪問する大陸数によって運賃が決まり、Global Explorerは旅行する距離を基準に運賃が決まります。
そのため同じ別切り区間でも、どちらの商品を利用するかによって旅程全体への影響が異なる場合があります。公式オンライン予約ツールでは旅程を入力すると、条件を満たす運賃商品を確認できます。[参照] oneworld Round The World予約ツール
複雑なsurface sectorを含める場合やオンラインツールで希望ルートが作れない場合は、発券予定のワンワールド加盟航空会社や世界一周航空券を扱う旅行会社に、具体的な都市列を提示して確認する方法が確実です。
「世界一周航空券+別切り」を組む具体例
例えば日本から出発し、北米、南米、欧州、アジアを回って日本へ戻る旅行を考えます。南米部分だけLATAMを利用したいなら、次のような発想で旅程を設計できます。
- 東京→北米:世界一周航空券
- 北米→サンパウロ:世界一周航空券
- サンパウロ→リマ:世界一周航空券上は自力移動区間として設計し、LATAM等を別切り購入
- リマ→次のワンワールド利用都市:世界一周航空券
- その後、規則を満たす形で欧州・アジアなどを経由
- 最終的に東京へ帰着
この方法なら、LATAM便を無理に世界一周航空券へ入れようとする必要はありません。LATAMの運賃は別払いとなりますが、旅程自体は柔軟になります。
ただし、上記は仕組みを理解するための例であり、その都市列が希望する運賃種別・予約クラス・日程で実際に発券可能かは別途確認が必要です。世界一周運賃には細かな旅程規則があるため、最終的には公式予約ツールまたは発券航空会社で確認してください。
世界一周航空券を組むときに避けたい3つの考え方
第一に、「使わない便でも予約しておけばよい」という考え方です。世界一周航空券の途中便を意図的に放棄すると、後続予約に影響するおそれがあります。利用しない区間は最初からsurface sectorとして適切に旅程を設計するのが基本です。
第二に、「地上移動区間なら世界一周航空券のルールを一切受けない」という考え方です。自力移動を含む旅程にも運賃規則が適用されます。surface sectorを使えば無制限にルールを回避できるわけではありません。
第三に、「別切りでも同じ予約の乗り継ぎと同じように保護される」という考え方です。別切り便の遅延による乗り遅れは大きなリスクなので、旅程には十分な余裕を持たせましょう。
まとめ|LATAM区間は別切りにして「自力移動」とする方法がある
LATAMは2020年5月1日にワンワールドを脱退しており、2026年現在はワンワールド加盟航空会社ではありません。そのため、現在のワンワールド世界一周航空券でLATAM便を通常の加盟会社便と同じように組み込むことはできません。
しかし、世界一周旅行の全移動をワンワールド加盟会社だけで行わなければならないわけではありません。世界一周航空券の旅程に認められる自力移動区間を設け、その移動手段としてLATAMなど他社の別切り航空券を自費で購入する方法があります。
例えばサンパウロ→リマをLATAMで飛びたい場合は、「サンパウロ→マイアミ→リマ」のアメリカン航空便を世界一周航空券に入れておいて実際には乗らない、という方法ではなく、世界一周航空券をサンパウロ到着とリマ出発の間で自力移動として成立させ、サンパウロ→リマだけ別途LATAMを購入するという設計を検討するのが基本です。
ただしsurface sectorも世界一周運賃の規則と無関係ではなく、区間数、大陸、方向、ストップオーバーなどの条件を確認する必要があります。また別切り航空券では遅延時の乗り継ぎ保証が弱くなるため、次の世界一周航空券の便まで十分な時間を確保することが重要です。
南米はLATAM脱退によってワンワールドだけで細かく周遊する難易度が上がっています。そのため、「長距離・大陸間移動はワンワールド世界一周航空券、南米内の移動しにくい部分はLATAM等の別切り」という組み合わせは、現在の世界一周旅行を計画するうえで検討価値のある方法です。
※本記事は2026年8月30日時点のoneworld公式情報をもとに一般的な仕組みを解説しています。世界一周運賃の対象航空会社、surface sectorの扱い、最大区間数、予約クラス、ルーティング規則等は運賃種別や発券時期によって変更される場合があります。実際の発券前にはoneworld公式の最新運賃規則、予約ツール、発券航空会社または旅行会社で希望旅程が成立することを確認してください。


コメント