高速道路を長距離走っていると、「○○まで○km」「そろそろ休憩を」といった看板を見た記憶が残ることがあります。山陽自動車道の岡山県から広島県東部にかけて走行した際、「吹田JCT(または吹田)までの距離」と休憩を促す内容が組み合わされた看板を見た、という記憶もあり得そうです。
ただし、過去に設置されていた道路標識や啓発看板は更新・撤去されることがあり、ウェブ上にもすべての設置履歴が残っているわけではありません。調査した範囲では、岡山県付近~福山西ICの間に「吹田JCTより何km そろそろ休憩を」という文面の固定看板が存在したことを直接証明できるNEXCO西日本の資料や当時の写真は確認できませんでした。そのため「確実にその看板があった」とまでは断定できません。
一方で、吹田を基準地点として距離・所要時間を案内する表示そのものは高速道路で実際に使われています。また、岡山~福山付近は吹田方面から走れば200km前後を走行した地点になるため、「吹田」と「休憩」の記憶が結び付いていることには地理的な整合性があります。
山陽道の岡山~福山は吹田から約170~240kmのエリア
NEXCOの高速道路ルート検索「ドラぷら」で中国吹田ICから福山西ICまでを検索すると、代表的な山陽道経由ルートは約240kmです。中国吹田から山陽道に入り、岡山県を横断して福山西へ向かうルート上には、淡河PA、三木SA、権現湖PA、白鳥PA、龍野西SA、福石PA、瀬戸PA、吉備SA、道口PA、篠坂PA、福山SAなどがあります。[参照] ドラぷら・中国吹田~福山西
同検索では中国吹田から吉備SA付近まで約170km、道口PA付近まで約198km、篠坂PA付近まで約217km、福山SA付近まで約232kmという位置関係になります。つまり岡山県西部から福山付近は、大阪方面から山陽道を走ってきたドライバーにとって200km前後走行した地点です。
例えば大阪・吹田方面から休憩せずにこの付近まで走れば、通常でも2時間を大きく超える可能性があります。したがって、このエリアで長距離ドライバーに休憩を促す啓発表示があっても内容として不自然ではありません。ただし、これはあくまで距離関係からみた整合性であり、特定の看板の存在を証明するものではありません。
「吹田まで」という表示は高速道路で実際に使われている
記憶を検証するうえで興味深いのが、高速道路の情報板では実際に「吹田」が基準地点として使用されていることです。国土交通省の高速道路施策資料には、図形情報板による所要時間表示の例として「吹田まで90分」「吹田まで110分」といった表示が掲載されています。[参照] 国土交通省・高速道路施策の取組状況
また、本州四国連絡高速道路の図形情報板についても、主要地点までの所要時間として「吹田まで」という表示が使われています。同社の説明では「吹田まで」は吹田ICまでの時間を意味すると明記されています。[参照] JB本四高速・図形情報板の見方
このため、「高速道路を走っていて吹田という文字を見た」という記憶そのものは十分あり得ます。ただし、「吹田まで」という交通情報表示が存在することと、「岡山~福山間に吹田からの距離と休憩を組み合わせた固定看板が存在したこと」は別問題です。ここは分けて考える必要があります。
「吹田JCT」と「中国吹田IC・吹田IC」が記憶の中で混ざっている可能性
もう一つ注意したいのが「吹田」という地点名です。大阪府吹田市周辺には吹田JCT、吹田IC、中国吹田ICなどがあり、長距離走行後の記憶では単純に「吹田JCT」として残っている可能性があります。
特に西日本方面から大阪へ向かう道路案内では「吹田」が主要な目標地点になります。そのため実際の表示が「吹田まで○km」「吹田まで○分」だったとしても、後から思い出す際に「吹田JCTまで○km」と記憶されることは十分考えられます。
したがって古い看板を探す場合は、「吹田JCT」という語だけに限定せず、「吹田」「中国吹田」「大阪まで」「休憩」「山陽道」なども含めて探したほうが発見できる可能性が高くなります。
「そろそろ休憩を」という看板があっても不思議ではない理由
高速道路では、居眠り運転や疲労運転を防ぐため、SA・PAでの適度な休憩が推奨されています。NEXCO西日本も安全運転に関する案内の中で、長時間運転を避け、SA・PAなどを利用して適度な休憩を取るよう呼び掛けています。[参照] NEXCO西日本・安全ドライブ
この種の啓発は、必ずしも青や緑の正式な道路案内標識だけで行われるわけではありません。道路脇の啓発看板、横断幕、電光掲示板、SA・PAの案内表示など複数の形があります。そのため「看板だった」という記憶でも、実際には交通情報板や期間限定の安全啓発表示だった可能性もあります。
特に「そろそろ休憩を」のような文章は目的地を示す正式な案内標識というより、安全運転を促す啓発メッセージに近いものです。設置時期によって内容が変更されるため、現在同じ場所を走って見当たらなくても、過去に存在しなかった証拠にはなりません。
岡山~福山間には休憩できるPA・SAが複数ある
中国吹田方面から福山西方面へ走る場合、岡山県内から広島県東部には吉備SA、道口PA、篠坂PA、福山SAなどが続きます。長距離走行の休憩地点を案内しやすい区間でもあります。
| 施設 | 中国吹田からのおおよその走行距離 | 位置関係 |
|---|---|---|
| 吉備SA | 約170km | 岡山市周辺 |
| 道口PA | 約198km | 岡山県西部 |
| 篠坂PA | 約217km | 岡山・広島県境に近い区間 |
| 福山SA | 約232km | 福山市 |
| 福山西IC | 約240km | 福山市西部 |
※距離はNEXCOのルート検索で示される中国吹田ICから山陽道経由の代表的なルートを基にした概算です。走行経路や起点によって変わります。
この位置関係を見ると、岡山県西部~福山付近は「吹田方面からかなり走ってきた」という感覚になる区間です。そのため、吹田を起点とした距離表示と休憩を促すメッセージを同じドライブ中に目にし、ひとつの看板として記憶している可能性も考えられます。
「福山西SA」ではなく「福山SA」と「福山西IC」
場所を特定する際に整理しておきたいのが施設名です。山陽自動車道には福山SAと福山西ICがありますが、「福山西SA」という名称のサービスエリアではありません。
大阪方面から西へ走ると、篠坂PA、福山東IC、福山SA、福山西ICという順序で進みます。そのため「岡山県付近から福山西SAまでの間」という記憶であれば、実際には「岡山県内から福山SA・福山西IC付近まで」の区間を指している可能性があります。
古い写真やドライブ記録を探す際にも「福山西SA」で検索するより、「福山SA」「篠坂PA」「道口PA」「山陽道 休憩 看板」などを組み合わせるほうが探しやすくなります。
昔の高速道路看板が現在見つからないことは珍しくない
道路上の表示物は永久に同じものが設置されるわけではありません。老朽化による交換のほか、標識体系の変更、道路改良、情報板への置き換え、安全対策キャンペーンの終了などで撤去・更新される場合があります。
また、Googleストリートビューのようなサービスでも高速道路の全地点・全時期を自由に遡れるとは限りません。十数年前のドライブで見た安全啓発看板となると、公式資料や一般の写真に偶然写っていなければウェブ検索だけで存在を確認するのは難しくなります。
したがって、検索して写真が出てこないことだけを理由に「記憶違いだった」と結論付けるのも早計です。一方、裏付けとなる写真や設置記録がない状態で「確実にあった」と断定するのも避けるべきでしょう。
記憶している看板の正体として考えられるパターン
現時点の情報を整理すると、いくつかの可能性が考えられます。
- 実際に過去の安全啓発看板が設置されていた:現在は更新・撤去され、ウェブ上に記録が残っていない可能性。
- 吹田までの距離・所要時間表示と休憩看板を続けて見た:別々の表示が一つの記憶として残った可能性。
- 「吹田JCT」ではなく「吹田」「吹田IC」「中国吹田」だった:地点名が年月とともに置き換わった可能性。
- 固定看板ではなく電光掲示板だった:休憩を促す安全運転メッセージが一時的に表示されていた可能性。
このうちどれだったのかを確定するには、当時の写真、道路管理者の設置記録、同時期に走行した人の写真付き記録などが必要です。少なくとも「山陽道で吹田を基準にした案内を目にすること自体がおかしい」ということはありません。
まとめ|「吹田」と「休憩」の記憶には整合性があるが看板そのものは未確認
山陽自動車道の岡山県西部~福山西IC付近は、中国吹田方面から山陽道経由でおおむね170~240km程度の位置にあります。大阪方面から長距離を走ってきた車にとって、ちょうど休憩の重要性が増す区間です。
また、高速道路では実際に「吹田まで」という所要時間表示が使用されていることが国土交通省や高速道路会社の資料から確認できます。したがって、山陽道のドライブ中に「吹田」という表示を見た記憶には十分な現実性があります。
ただし、「吹田JCTより○km そろそろ休憩を」という趣旨の固定看板が岡山~福山間に実在した、と直接確認できる公式資料や写真までは見つかっていません。現段階では「気のせい」と断定することも、「確実に存在した」と断定することも難しい、というのが最も正確な結論です。
なお、記憶にある「福山西SA」は、現在の施設名では「福山SA」と「福山西IC」が別々に存在します。過去の写真を探すなら、吉備SA、道口PA、篠坂PA、福山SA、福山西ICといった地点名を手掛かりにすると、該当する看板を特定できる可能性があります。


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