日本国籍の旅行者がeTAを利用してカナダへ観光・短期滞在する場合、「空港の入国審査で指紋を取られるのか」「初めてのカナダ旅行と2回目以降で手続きが違うのか」「乗り継ぎだけでも生体認証があるのか」は気になりやすいポイントです。2026年9月時点のカナダ政府の公式情報を確認すると、日本のようなビザ免除国の国民が、観光目的でeTAを使ってカナダを訪れるだけなら、原則として事前の指紋・顔写真登録は必要ありません。ただし、主要空港では入国時にPrimary Inspection Kiosk(入国審査キオスク)やeGateを使い、パスポートを読み取ったうえで顔写真を撮影して本人確認するのが現在の一般的な流れです。つまり「指紋は通常取られないが、顔写真による生体認証は行われる」と理解するのが実態に近いでしょう。[参照]
- 日本人がeTAで観光する場合、原則として指紋登録は不要
- カナダ到着後は指紋より「顔写真」の本人確認が一般的
- 主要空港のキオスクでは何をする?
- 最近の初回カナダ旅行では「キオスク+顔写真だけだった」という体験もある
- 初めてのカナダでもリピーターでも、eTA観光なら指紋の基本ルールは同じ
- 就労・留学・visitor visaなどで以前に指紋登録した人は扱いが違う
- 学生・就労者は観光客と同じ流れではない
- 日本からカナダ経由で第三国へ行く場合もeTAは原則必要
- 国際線から国際線へのトランジットではカナダ入国審査を受けない場合もある
- カナダ経由でアメリカへ行く場合は米国入国審査が加わる
- 「アメリカはESTAなら毎回必ず10本の指紋を取られる」は少し言い過ぎ
- カナダとアメリカの違いを簡単に整理
- 二次審査に回された場合は通常とは違う確認を受けることがある
- eTAを持っていても入国そのものが保証されるわけではない
- まとめ:日本人のeTA観光では指紋より顔認証が現在の一般的な流れ
日本人がeTAで観光する場合、原則として指紋登録は不要
カナダ政府は、生体認証(biometrics)を「指紋と顔写真」と定義しています。 visitor visa(観光ビザ)、就労許可、就学許可、永住権などの申請では、一定の場合に指紋と顔写真の提出が必要です。
一方、カナダ政府は「ビザ免除国の国民が観光のみを目的としてカナダに来る場合」は生体認証提出の免除対象と明記しています。日本国籍は通常、航空機で短期観光する際にvisitor visaではなくeTAを利用するため、このカテゴリーに該当します。[参照]
そのため、日本のパスポートで通常の観光旅行をする人が「eTA申請のため日本で指紋を登録しに行く」という手続きはありません。eTAはオンラインで申請し、パスポート情報などを入力して取得します。公式申請料金は2026年9月時点で7カナダドルです。[参照]
カナダ到着後は指紋より「顔写真」の本人確認が一般的
「生体認証がない」と聞くと、カナダ入国時にはカメラも使われないように思えますが、そこは少し違います。
カナダ国境サービス庁(CBSA)によると、主要国際空港では旅行者がPrimary Inspection KioskまたはeGateを利用し、パスポートをスキャンして入国申告を行います。その際、キオスクでライブの顔写真が撮影され、ICパスポート内の写真と比較して本人確認が行われます。[参照]
したがって、日本人観光客の一般的な空港入国を簡単に表すと「パスポート読み取り→顔写真撮影→質問・税関申告→必要に応じて職員確認」というイメージです。
主要空港のキオスクでは何をする?
2026年時点でCBSAのPrimary Inspection Kioskは、バンクーバー(YVR)、カルガリー(YYC)、トロント・ピアソン(YYZ)、モントリオール(YUL)など主要空港に設置されています。トロント・ピアソン空港ターミナル1にはeGateもあります。[参照]
一般的には画面の案内に従い、パスポートを読み取り、本人の顔写真を撮影し、滞在目的や税関申告に関する質問へ回答します。その後、画面の指示に沿って進み、必要であればCBSA職員による追加確認を受けます。
旅行者全員が昔ながらの有人カウンターで長時間質問されるとは限りません。近年はキオスクによる処理が進んでおり、問題のない旅行者は比較的短時間で通過するケースもあります。
最近の初回カナダ旅行では「キオスク+顔写真だけだった」という体験もある
公式制度だけでなく最近の旅行者の体験を見ると、実際の流れがイメージしやすくなります。ただし、以下は個人の体験談であり、すべての旅行者に同じ対応が保証されるものではありません。
2026年3月にトロント・ピアソン空港へ初めてカナダ入国したeTA利用者は、パスポートをキオスクで読み取り、顔写真を撮影してレシートを受け取り、その後は特に職員から質問を受けず入国できたと報告しています。現地利用者からも「リスクの低い旅行者なら珍しくない」という反応が寄せられています。[参照]
2025年にカルガリー空港からeTAで観光入国した旅行者も、電子キオスクを利用して処理し、通常の有人入国ブースを必ず通る形式ではなかったと報告しています。同じ投稿にはバンクーバーでも似た経験をしたという旅行者のコメントがあります。[参照]
こうした最近の体験談は、カナダ政府が案内している「パスポートスキャン+顔写真による本人確認」という現在のキオスク運用とも整合します。
初めてのカナダでもリピーターでも、eTA観光なら指紋の基本ルールは同じ
「初回だけ指紋を取られ、2回目以降は省略される」という仕組みではありません。日本国籍でeTAを利用する通常の観光客は、そもそも観光目的だけなら指紋登録の対象外です。
したがって、初めてカナダへ行く人でも、10回目の人でも、通常のeTA観光という条件が同じなら「初回だから指紋10本を登録する」といった定型手続きはありません。
一方、顔写真による本人確認は別です。主要空港のPrimary Inspection Kioskでは毎回ライブ写真を撮影してパスポート写真と照合するため、リピーターでも入国のたびに写真撮影を受けることは普通です。
就労・留学・visitor visaなどで以前に指紋登録した人は扱いが違う
日本人でも、観光以外の在留資格を申請した経験がある場合は状況が変わることがあります。
CBSAによると、work permit、study permit、temporary resident permit、visitor visa、永住権などの申請時にすでに指紋を登録している旅行者については、主要空港到着時にキオスクで登録済み指紋と照合することがあります。[参照]
つまり「カナダの空港では誰も指紋を取られない」という説明も正確ではありません。指紋登録歴や渡航資格によっては入国時に指紋照合を受ける人がいます。
学生・就労者は観光客と同じ流れではない
例えば日本人がカナダへ留学し、study permitを取得して入国する場合、単純なeTA観光とは異なります。申請内容によって生体認証が必要となり、初回入国時には空港の移民審査部署でstudy permitの発行手続きを行うケースがあります。
2023年にトロント・ピアソン空港へ留学生として入国した旅行者の体験では、まず入国キオスクで申告した後、study permit対象者として移民審査カウンターへ案内され、学校・コース・入国時期などについて質問を受け、許可証が発行されています。[参照]
2026年7月にバンクーバー空港でIECの就労許可を有効化した旅行者も、キオスクでパスポートを読み取った後に移民審査へ進み、work permitを発行してもらったと報告しています。[参照]
日本からカナダ経由で第三国へ行く場合もeTAは原則必要
日本国籍の旅行者が、例えば「東京→バンクーバー→メキシコ」「東京→トロント→ヨーロッパ」のように航空機でカナダを経由する場合も、原則としてeTAが必要です。
カナダ政府は、eTA対象国の旅行者についてカナダへ飛行機で入国する場合だけでなく、カナダの空港をトランジットする場合にもeTAが必要としています。[参照]
ただし、eTAはパスポートへ電子的に紐付いているため、通常は紙の証明書を印刷して持っていく必要はありません。航空会社がチェックイン時にパスポートを読み取り、有効なeTAがあるか確認します。[参照]
国際線から国際線へのトランジットではカナダ入国審査を受けない場合もある
トランジットについては、2026年のカナダでは以前より便利な仕組みが導入されています。
CBSAの「Free Flow International-to-International Transit」が利用できる場合、バンクーバー(YVR)、モントリオール(YUL)、トロント・ピアソン(YYZ)ターミナル1などで、一定条件を満たす国際線から国際線への乗り継ぎ客は、カナダの入国審査官やPrimary Inspection Kioskへ行かず、そのまま国際線出発エリアへ進めます。[参照]
対象になるには、必要なeTAなどの渡航書類を持っていること、指定された国際線乗継区域から出ないこと、原則24時間以内の国際線乗継便を持っていることなどの条件があります。
この条件を満たすトランジットであれば、そもそもカナダ側の通常の入国キオスクへ行かないため、「指紋を取られるかどうか」を心配する場面自体がないことがあります。
カナダ経由でアメリカへ行く場合は米国入国審査が加わる
例えば「日本→バンクーバー→ロサンゼルス」「日本→トロント→ニューヨーク」のようにカナダ経由でアメリカへ向かう場合は少し違います。
CBSAによると、アメリカ行きの乗継客はカナダの空港に設けられた米国乗継エリアへ進み、保安検査などの後、米国税関・国境警備局(CBP)によるアメリカ入国手続きを受けます。[参照]
この場合は「カナダの生体認証」と「アメリカの入国手続き」を混同しないことが重要です。カナダで乗り継いでいる場所でも、実際に指紋・顔認証等の確認を行っているのが米国CBPであるケースがあります。
「アメリカはESTAなら毎回必ず10本の指紋を取られる」は少し言い過ぎ
カナダとの比較でよくある説明に、「アメリカではESTAでも毎回10本すべての指紋を必ず取られる」というものがありますが、これは制度を単純化しすぎています。
米国国務省によると、米国ビザを申請する人については、原則としてビザ面接の際に10本の指紋を電子的に登録します。そして米国の入国地点では、その登録済み生体情報やデジタル写真などを利用して本人確認を行っています。[参照]
一方、日本人のESTA渡航はVisa Waiver Program(VWP)によるビザ免除渡航です。米国では入国地点で生体情報による本人確認が広く行われていますが、「ESTA旅行者全員が、入国するたび必ず10指すべてを新規採取される」とまで表現するのは正確ではありません。空港・入国方法・システム運用によって顔認証を中心とした処理も行われています。
カナダとアメリカの違いを簡単に整理
観光旅行を前提に両国の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | カナダ(日本人・eTA観光) | アメリカ(日本人・ESTA) |
|---|---|---|
| 事前渡航認証 | eTA | ESTA |
| 申請時の指紋登録 | 通常不要 | ESTA申請そのものでは通常不要 |
| 空港到着時の顔写真 | 主要空港のキオスク等で撮影 | 生体認証による本人確認あり |
| 通常観光客の指紋 | 原則不要 | 入国地点の運用により生体認証確認 |
| 毎回10本の指紋を新規登録 | 通常なし | 必ず毎回10本とは限らない |
特にカナダについては、「指紋を取られない=生体認証が一切ない」ではありません。現在は顔認証を利用した本人確認が大きな役割を担っています。
二次審査に回された場合は通常とは違う確認を受けることがある
通常のeTA観光客なら指紋不要という原則があっても、国境審査官には入国資格を確認する権限があります。
滞在目的が不明確、申告内容に矛盾がある、過去の入国歴に問題がある、就労目的が疑われるなどの事情からsecondary inspection(二次審査)へ案内されることがあります。
この場合は通常より詳しい質問、荷物確認、渡航資料の確認などが行われる可能性があります。CBSAも、陸路などでは二次審査へ送られた旅行者について、必要に応じて指紋確認を行うことがあると説明しています。[参照]
eTAを持っていても入国そのものが保証されるわけではない
eTAは「飛行機に乗ってカナダへ渡航するための事前認証」であって、カナダへの入国許可そのものではありません。
カナダ政府も、有効なeTAがあっても入国が保証されるわけではなく、到着時に国境審査を受け、入国条件を満たしていることを確認されると説明しています。[参照]
観光であれば、帰国便・次の目的地への航空券、宿泊先、滞在期間、旅行目的などを聞かれても説明できるようにしておけば十分でしょう。
まとめ:日本人のeTA観光では指紋より顔認証が現在の一般的な流れ
2026年9月時点では、日本国籍の旅行者がeTAを利用してカナダへ通常の観光旅行をする場合、原則として指紋提出は必要ありません。これは初めてのカナダ旅行でも、リピーターでも基本的に同じです。カナダ政府も、ビザ免除国から観光目的で訪れる人を生体認証提出の免除対象としています。[参照]
ただし主要国際空港では、Primary Inspection KioskやeGateでパスポートを読み取り、その場で顔写真を撮影してICパスポートの写真と照合します。そのため「カナダは観光客に生体認証を一切行わない」という説明も正しくありません。より正確には「通常のeTA観光客には指紋登録を求めないが、入国時には顔認証が一般的」です。[参照]
最近の旅行者の体験でも、トロントやカルガリーなどで「パスポートをキオスクへ通す→顔写真を撮る→申告する→そのまま通過」という例が報告されています。初回旅行者だから必ず別室で指紋を取られる、という状況ではありません。
一方、留学・就労・visitor visa・永住権などで事前に指紋を登録した人は、カナダ到着時に登録済み指紋との照合を受ける場合があります。ここは一般的な日本人eTA観光客とは別に考える必要があります。
トランジットの場合、日本国籍なら航空機でカナダを経由する際にも原則eTAが必要ですが、バンクーバー、モントリオール、トロント・ピアソン空港ターミナル1などでFree Flowの条件を満たす国際線同士の乗り継ぎなら、カナダの通常入国審査やキオスクを通らず国際線出発区域へ進めるケースもあります。[参照]
したがって、日本人旅行者については「初回かリピーターか」よりも、「eTA観光なのか、留学・就労などで生体認証登録済みなのか、カナダへ入国するのか国際線トランジットだけなのか」で手続きが変わると考えると分かりやすいでしょう。


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