九州新幹線の鹿児島ルートについて、「トンネルばかりで車窓が楽しめない」「飛行機の方が便利なのではないか」といった意見を見かけることがあります。一方で、トンネルが多いのには地形や建設条件による明確な理由があり、単純に不便な鉄道路線というだけでは判断できません。この記事では、九州新幹線鹿児島ルートがなぜトンネル主体になったのか、利用者から見たメリットや課題、鹿児島へのアクセス事情について詳しく解説します。
九州新幹線鹿児島ルートが「モグラ新幹線」と呼ばれる理由
九州新幹線の鹿児島ルートは、福岡県の博多駅から熊本県を経由して鹿児島中央駅までを結ぶ路線です。この区間では山間部を多く通過するため、トンネルの割合が非常に高くなっています。
特に熊本県南部から鹿児島県に入る区間では、九州山地やシラス台地など起伏の多い地形を通過する必要があります。そのため、在来線のように山を大きく迂回するのではなく、高速走行を維持するために長いトンネルが数多く建設されました。
こうした特徴から、一部の利用者からはトンネルの中を走る時間が長いことを例えて「モグラ新幹線」「ミミズ新幹線」と呼ばれることがあります。ただし、これは主に車窓を楽しみたい利用者から見た印象であり、高速鉄道としての性能を重視した結果でもあります。
トンネルが多いのは不便だからではなく高速化のため
新幹線は、単に線路をつなげれば速く走れるわけではありません。急なカーブや勾配が多い区間では速度を落とす必要があるため、できるだけ直線的で緩やかなルートを作る必要があります。
例えば山間部を避けて線路を建設すると、距離が伸びるだけでなくカーブが増え、所要時間短縮という新幹線の目的を達成しにくくなります。そのため、山を避けるのではなくトンネルで貫く方式が採用されました。
つまり、トンネルが多いことは「景色を見る」という点では弱点になりますが、「目的地へ早く移動する」という点では大きなメリットがあります。
鹿児島への移動は本当に飛行機一択なのか
鹿児島へのアクセスでは、飛行機と新幹線のどちらを選ぶかは出発地や目的によって変わります。例えば東京や大阪など遠方から訪れる場合は、飛行機の利用が便利なケースが多くあります。
一方で、福岡や熊本など九州内から鹿児島へ移動する場合、九州新幹線は非常に便利です。博多駅から鹿児島中央駅までは乗り換えなしで移動でき、空港までの移動時間や搭乗手続きが不要というメリットがあります。
また、鹿児島中央駅は市街地に近い場所にあるため、到着後の移動がしやすい点も新幹線の強みです。鹿児島空港は市街地から離れた場所にあるため、飛行機の場合は空港からバスや車で移動する時間も考える必要があります。
鹿児島空港が「遠い」と言われる理由
鹿児島空港は鹿児島市中心部ではなく、霧島市の山間部に位置しています。そのため、市街地から空港まで移動する必要があり、「アクセスが悪い」と感じる利用者もいます。
しかし、空港を建設する際には騒音対策や広い用地の確保など、多くの条件を考慮する必要があります。都市中心部に大規模な空港を建設することは難しく、地方空港では郊外に位置しているケースも珍しくありません。
鹿児島の場合、新幹線駅は市街地、空港は郊外という特徴があるため、利用者の出発地点や目的地によって便利な交通手段が変わります。
九州新幹線鹿児島ルートのメリットとデメリット
九州新幹線鹿児島ルートの大きなメリットは、移動時間の短縮と定時性です。天候の影響を受けにくく、時間通りに移動しやすい点は鉄道ならではの強みです。
一方で、車窓風景を楽しみたい旅行者にとっては、トンネルの多さが物足りなく感じられる場合があります。また、東京など遠距離から利用する場合は、飛行機の方が移動時間の面で有利になることもあります。
例えば福岡から鹿児島へ観光に行く場合は新幹線が便利ですが、東京から鹿児島へ向かう場合は航空便との比較が必要になります。どちらが優れているかではなく、目的に合わせた選択が重要です。
まとめ:九州新幹線は「景色」より「速さと便利さ」を重視した路線
九州新幹線鹿児島ルートが「モグラ新幹線」と呼ばれる理由は、トンネルが多く車窓を楽しみにくい区間があるためです。しかし、その背景には山が多い九州の地形の中で、高速移動を実現するための工夫があります。
鹿児島へのアクセスも、飛行機だけが便利というわけではありません。出発地や目的地によって新幹線と飛行機の使いやすさは変わります。
九州新幹線は観光列車のように景色を楽しむ路線というより、九州内の都市間を効率よく結ぶ高速交通機関として発展してきた路線だと考えると、その特徴をより理解しやすくなります。


コメント