中国で人気の犬種は?最新のペット事情から見る「よく飼われている犬」と人気の傾向

観光

中国では近年、ペットを単なる番犬ではなく「家族の一員」として飼う人が増え、都市部を中心にペット市場も大きく成長しています。一方、「中国で一番人気の犬種は何か」という問いには少し注意が必要です。日本の犬種登録ランキングのように、中国全土のすべての飼育犬を網羅して毎年1位を決める単一の公的統計があるわけではなく、調査対象や「人気」の定義によって結果が変わるからです。

近年の中国のペット関連調査を見ると、純血種だけを対象にしたイメージとは異なり、中国在来の犬を広く指す「中華田園犬(中华田园犬)」が非常に一般的な存在です。その一方、都市部ではコーギー、プードル、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーなども広く親しまれています。

この記事では、中国でよく飼われている犬の傾向と、中華田園犬とはどんな犬なのか、都市部で小型・中型犬が選ばれやすい理由まで、最新の中国ペット市場の情報を踏まえて整理します。

中国で「一番人気の犬種」を断定するのが難しい理由

まず押さえておきたいのが、「人気犬種」と「実際に飼育されている犬種」は必ずしも同じではないという点です。検索数やSNS投稿数、ペットショップでの販売数、飼育頭数など、何を基準にするかによって順位は変わります。

さらに、中国は人口も国土も非常に大きく、北京や上海のような大都市と地方では住宅事情や犬の飼われ方が異なります。そのため、「中国人全体が最も好きな純血種は○○」と一つの犬種を断定するより、複数の調査から飼育傾向を見る方が実態を理解しやすくなります。

2025年に公表された中国のペット関連資料では、中華田園犬が中国で最も一般的な犬のタイプとして紹介されています。一方で、コーギーやプードル、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーなども多くの飼い主から好まれる犬として挙げられています。

中国で非常に身近な「中華田園犬」とは?

中華田園犬(中华田园犬)は、特定の一つの純血犬種を意味する言葉として使われるとは限らず、中国各地で古くから人と暮らしてきた在来犬を広く表す呼称です。日本語では「中国の在来犬」「中国の土着犬」に近いイメージで理解すると分かりやすいでしょう。

そのため、すべての中華田園犬が同じ外見をしているわけではありません。黄色、黒、白など毛色にも幅があり、体格や耳、顔つきにも個体差があります。地域による違いも大きいため、日本の柴犬のように厳密な犬種標準を想像すると少し違います。

2025年に公開された中国のペット市場に関する調査資料では、中華田園犬について、忠実で比較的温和、適応力があり、訓練もしやすいことなどが特徴として紹介されています。長年、中国の生活環境の中で人間と暮らしてきた犬だからこそ、現在でも身近な存在だといえます。

都市部ではコーギーやプードルなども人気

中国でよく見られる犬は中華田園犬だけではありません。都市部のペット文化では、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、プードルなどの犬も人気があります。

特に都市生活では、マンションなど限られた居住スペースで犬を飼うケースが多くなります。そのため、超大型犬よりも比較的室内で暮らしやすい小型犬や中型犬が選択肢になりやすいと考えられます。

例えばコーギーは短い脚と大きな耳、表情豊かな外見が特徴です。プードルは賢く活発で、サイズの選択肢もあります。ただし、犬種ごとに必要な運動量や被毛の手入れ、健康上の注意点が異なるため、「人気だから飼いやすい」とは限りません。

ゴールデン・レトリーバーやラブラドールも知られた人気犬

中国では大型犬の中では、ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーもよく知られています。どちらも人との関係を築きやすい犬として世界的に人気があり、中国のペット関連資料でも好まれる犬として取り上げられています。

ただし、中国の都市では地域によって犬の飼育に関するルールがあり、大型犬や特定犬種の飼育に制限が設けられている場合があります。そのため、犬そのものの人気と、実際に都市部で飼育できるかどうかは別問題です。

例えば広い住宅や十分な散歩環境がある家庭なら大型犬を選びやすい一方、集合住宅中心の地域では小型・中型犬の方が現実的です。中国の人気犬事情を見る際には、この住宅環境と地域ごとの飼育規制も重要なポイントになります。

中国では犬より猫の飼育数が多くなっている

中国のペット事情を理解するうえで興味深いのが、現在では都市部のペットとして犬以上に猫の存在感が大きくなっていることです。米国農務省海外農業局が2024年の中国ペット市場についてまとめた資料では、中国都市部のペット犬は約5,260万頭、猫は約7,150万頭とされています。[参照:米国農務省海外農業局]

同資料では、若い都市生活者の長い労働時間や限られた居住スペースなどを背景に、犬より猫を選ぶ傾向が続いていることも指摘されています。犬は散歩をはじめ日常的な運動が必要になるため、都市生活との相性がペット選びに影響していると考えられます。

また、2024年の中国における犬・猫関連の消費市場は約3,020億元規模に達したと報告されています。中国でペットを家族として扱い、食事や医療、ケアなどへお金をかける文化が拡大していることが分かります。

中国のペット文化は大きく変化している

かつて犬は番犬など実用的な役割で飼育されるケースも多くありましたが、現在の中国、とりわけ都市部では「コンパニオンアニマル」としての位置付けが強くなっています。

中国のペット市場を扱った2025年の報道では、生活水準の向上とともに、ペットを単なる動物ではなく家族として扱う傾向が強まり、フードだけでなく健康管理、トレーニング、サプリメントなどへの支出も広がっているとされています。

この変化は人気犬種にも影響します。見た目のかわいらしさだけでなく、室内飼育への適性、人とのコミュニケーションの取りやすさ、住宅の広さ、散歩に必要な時間など、都市生活との相性が犬選びで重要になっています。

「中国原産の有名犬」と「中国で人気の犬」は別

中国には世界的に知られている中国原産犬も数多く存在します。チャウ・チャウ、シー・ズー、パグ、ペキニーズ、チャイニーズ・クレステッド・ドッグなどは、中国と深い歴史的関係を持つ犬として知られています。

ただし、「中国原産だから現在の中国で一番飼われている」というわけではありません。犬種の歴史的な知名度と、現代の家庭における飼育頭数や人気ランキングは分けて考える必要があります。

例えば中国原産犬について調べる場合と、「現在の中国の街でよく飼われている犬」を調べる場合では答えが変わります。この違いを理解すると、中国の犬事情がかなり分かりやすくなります。

中国と日本では人気犬の傾向も異なる

日本ではペット保険会社などによる犬種ランキングが毎年公表されており、近年はMIX犬やトイ・プードル、チワワなど小型犬が上位を占めています。例えばアニコム損保の2025年ランキングでは、10kg未満のMIX犬が1位、トイ・プードルが2位、チワワが3位でした。

一方、中国では中華田園犬という非常に大きな在来犬のカテゴリーが存在します。そのため、日本の「純血種別ランキング」と単純比較すると、中国の実態を正確に捉えにくくなります。

両国に共通しているのは、都市化や集合住宅での生活が犬選びに影響する点です。住宅事情、散歩時間、地域の飼育規則などを考えると、現代の都市では生活環境に適応しやすいサイズの犬が選ばれやすい傾向があります。

まとめ|中国でよく飼われる犬を見るなら中華田園犬に注目

中国で「一番人気の犬種」を一つだけ断定するのは簡単ではありません。ランキングは調査方法や対象地域によって変わり、中国全土を対象にした単一の公的な人気犬種ランキングが常に存在するわけではないためです。

ただし近年の調査資料から飼育実態を見ると、中国で非常に一般的なのは中華田園犬であり、都市部などではコーギーやプードル、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーなども親しまれていると整理できます。

そして中国のペット文化そのものも急速に変化しています。現在では猫の飼育数が犬を上回り、犬についても「番犬」から「家族」へと位置付けが変化しています。「中国で人気の犬」を知るには、単純な犬種ランキングだけでなく、中華田園犬という在来犬の存在や、都市化・住宅事情・飼育規制まで含めて見ることが重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました