オーストラリア旅行前にElectronic Travel Authority(ETA・サブクラス601)の認可内容を確認したところ、パスポートには存在しないアルファベットやミドルネームのような文字が氏名に入っていることがあります。例えばパスポート上は「TANAKA TAROU」なのに、ETAでは「TANAKA S TAROU」のように表示されているケースです。
ETAが「認可済み(Granted)」になっていると、そのまま渡航できそうにも見えます。しかし、パスポートに存在しない文字が本当にETAの氏名情報へ登録されているのであれば、「認可済みだから問題ない」と自己判断して渡航するのは避けた方が安全です。オーストラリア内務省のETAアプリ公式ガイダンスでも、申請者の情報がパスポート記載情報と同じであることを確認し、誤っている場合はパスポートを再スキャンするよう案内されています。
ただし、表示上の仕様によって氏名の並び方などが予想と異なって見えるケースもあります。まずは「本当に余計な文字が登録されているのか」「パスポートの機械読取領域(MRZ)やICチップ由来の表示ではないか」を確認し、実際の誤登録であれば出発前に正しい内容のETAを取得する方向で対応するのが基本です。
- オーストラリアETAはパスポート情報と結び付いた電子渡航許可
- ETAの氏名はパスポートと一致していることが基本
- 「TANAKA S TAROU」のSが本当に間違いなのかを確認する
- パスポートに本当に存在しない文字なら放置しない方がよい
- ETAが「Granted」でも入力内容の正しさまで保証するとは限らない
- ETAは通常のビザと同じ方法で簡単に書き換えられるとは限らない
- 間違った情報でETAを取得した場合は正しい内容で取り直す方法がある
- 古い間違ったETAがアプリに残っていても、それ自体は問題とは限らない
- 出発3日前なら「様子を見る」より早めに確認する
- ETAの申請は必ず公式Australian ETA Appから行う
- どうしても判断できない場合はオーストラリア内務省へ確認する
- 航空券の氏名も同時に確認しておく
- 出発前に確認したいチェックリスト
- まとめ|パスポートにない「S」がETAの氏名に本当に入っているなら出発前に解消を
オーストラリアETAはパスポート情報と結び付いた電子渡航許可
オーストラリアETAは、観光や知人・家族訪問、短期の商用目的などでオーストラリアへ渡航する際に利用される電子的な渡航許可です。日本のパスポート保持者は、条件を満たせば公式のAustralian ETA Appから申請できます。
在日オーストラリア大使館も、日本のパスポートを持つ本人がETAを申請する場合、Australian ETA Appを利用するよう案内しています。現在、旅行会社や航空会社などによるETA申請代行ではなく、公式アプリから本人が申請する仕組みです。[参照:在日オーストラリア大使館「Electronic Travel Authority(ETA)」]
ETAは紙の許可証をパスポートへ貼るものではありません。電子的にパスポート情報と関連付けられるため、氏名だけでなくパスポート番号、国籍、生年月日などの情報が重要になります。
ETAの氏名はパスポートと一致していることが基本
オーストラリア内務省が公開しているAustralian ETA Appの公式ガイダンスでは、ETA申請時にパスポートをスキャンし、身元情報が自動入力される仕組みが説明されています。
そのうえで、申請者の詳細がパスポートに記載されている情報と同じであることを確認するよう明記されています。情報が間違っている場合には、パスポートを再スキャンするよう案内されています。[参照:オーストラリア内務省「Australian ETA App ガイダンス」]
したがって、パスポートに「S」というミドルネームや文字が存在しないにもかかわらず、ETA上の正式な氏名情報へ「S」が追加されているのであれば、無視してよい情報とは考えない方が安全です。
「TANAKA S TAROU」のSが本当に間違いなのかを確認する
最初に確認したいのは、ETAに表示された「S」が本当に氏名の一部として登録されているのかという点です。パスポートの顔写真ページだけでなく、ページ下部にある機械読取領域(MRZ)も確認します。
ETAアプリはパスポートの情報を読み取って申請情報を作成するため、人間が普段見る氏名表示と、システムが取得した氏名の表示方法が必ずしも同じ見た目になるとは限りません。
オーストラリア内務省のガイダンスでも、一部の国ではgiven nameがMRZやICチップ上でfamily nameの一部として表示されることがあり、その場合には表示が特殊に見えても情報自体は正しいケースがあると説明されています。つまり、単に「見慣れない並び方だから間違い」と即断するのではなく、パスポート情報と照合することが重要です。
パスポートに本当に存在しない文字なら放置しない方がよい
例えばパスポートの姓が「TANAKA」、名が「TAROU」であり、顔写真ページ、MRZ、ICチップのいずれにもミドルネームや「S」に相当する情報が存在しないとします。
それにもかかわらずETAの氏名が正式に「TANAKA S TAROU」と登録されているのであれば、パスポート情報とETA情報が一致していない可能性があります。
この場合、「たった1文字だから大丈夫だろう」と判断するより、出発前に正しい情報でETAを取得できている状態にする方が安全です。航空会社での搭乗確認やオーストラリア入国時には、渡航者のパスポートと有効な渡航許可との対応が重要だからです。
ETAが「Granted」でも入力内容の正しさまで保証するとは限らない
ETAが認可済みになっていると、「審査を通過したのだから氏名が多少違っても問題ない」と考えやすいところです。
しかし、認可されたことと、申請者が入力・読み取りしたすべての情報がパスポートと完全に一致していることは別問題として考える必要があります。ETA申請時には、申請者自身が読み取られた身元情報を確認する手順があります。
そのため、認可後に明らかな情報相違へ気付いた場合は、認可済みという表示だけを根拠に放置するより、正しい情報のETAを用意できるか確認することが適切です。
ETAは通常のビザと同じ方法で簡単に書き換えられるとは限らない
オーストラリアの一般的なビザでは、新しいパスポートを取得した場合などにImmiAccountからパスポート情報を更新できるケースがあります。しかしETA(サブクラス601)は扱いが異なります。
オーストラリア内務省は、新しいパスポートを取得した場合について、ETA 601保持者は既存ETAを新しいパスポートへ移行できず、新しいパスポートを使って新たなETAを申請するよう案内しています。[参照:オーストラリア内務省「You have a new passport」]
在日オーストラリア大使館の日本語案内でも、古いパスポート情報をもとに取得したETAは新しいパスポート情報へ変更できないため、新しいパスポートでETAを取得し直す必要があると説明されています。[参照:在日オーストラリア大使館「新しいパスポートを取得した場合」]
間違った情報でETAを取得した場合は正しい内容で取り直す方法がある
在日オーストラリア大使館のETAに関するFAQには、誤った情報でETAが発給されたケースについて重要な案内があります。
同FAQでは、間違った情報で発給されてしまった古いETAがシステム上に表示されたままになる場合があるものの、最終的に正しい内容でETAを取得できていれば、問題なくオーストラリアへ渡航できると案内しています。[参照:在日オーストラリア大使館「ETA申請についてのQ&A」]
この公式案内からも、誤ったETAを何とか手作業で修正してもらうことだけが解決方法ではなく、正しいパスポート情報でETAを取得し直すという対応が想定されていることが分かります。
古い間違ったETAがアプリに残っていても、それ自体は問題とは限らない
ETAを取り直した後、以前の間違ったETAがアプリやシステム上に残っていると、「ETAが2つ表示されて大丈夫なのか」と不安になることがあります。
しかし在日オーストラリア大使館のFAQでは、間違った情報で発給された古いETAはシステムに表示されたままになると説明したうえで、正しい内容で取得できているのであれば問題なく渡航できるとしています。
つまり重要なのは、古い表示を自分で消すことではなく、実際に使用する現在のパスポート情報と一致した有効なETAが取得できていることです。
出発3日前なら「様子を見る」より早めに確認する
出発まで数週間ある場合と、3日後に出発する場合では対応の優先度が違います。出発直前に氏名相違へ気付いた場合は、空港へ行ってから相談するより、日本にいるうちに確認した方が安全です。
まず現在のETA画面とパスポートを並べ、姓、名、生年月日、パスポート番号、国籍、有効期限などを一つずつ確認します。「S」が単なる表示上のものではなく、明らかに存在しない氏名として登録されているのであれば、公式Australian ETA Appを使って正しい情報での申請を検討します。
ETAは必ず即時に認可されるとは限らないため、出発直前ほど早めの対応が重要です。追加審査になれば時間がかかる可能性もあります。
ETAの申請は必ず公式Australian ETA Appから行う
ETAを取り直す場合、検索サイトに表示された「ETA申請代行サイト」を利用しないよう注意が必要です。
在日オーストラリア大使館はETA関連の偽サイトが増えているとして、日本のETA対象パスポート保持者がETAを申請する唯一の方法はAustralian ETA Appであると案内しています。旅行会社や第三者による代行申請はできません。[参照:在日オーストラリア大使館「ビザと国籍登録」]
検索広告などから似た名称のサイトへアクセスし、高額な手数料を支払う必要はありません。公式アプリかどうかを必ず確認します。
どうしても判断できない場合はオーストラリア内務省へ確認する
「S」が何を意味するのか分からない、再申請すべき状態なのか判断できない、出発直前で新しいETAの処理が進まないといった場合は、オーストラリア内務省へ問い合わせる方法があります。
在日オーストラリア大使館の案内では、ETA、ビザ、入国などの問い合わせはオーストラリア内務省が担当しており、Global Service Centre(GSC)は+61 2 6196 0196、日本語サポートを希望する場合は案内に従い「6」を選択するとされています。またAustralian Immigration Enquiry Formによる問い合わせも案内されています。[参照:在日オーストラリア大使館「所在地とアクセス」]
「大使館へ行けばその場でETAを書き換えてもらえる」と考えない方がよいでしょう。在日オーストラリア大使館は、ETAやビザ、出入国に関する問い合わせについて、本国の内務省が直接担当すると案内しています。
航空券の氏名も同時に確認しておく
ETAの問題を解決しても、航空券の氏名がパスポートと異なっていれば別の問題が生じます。出発前には航空券の予約情報についてもパスポートと照合しておくと安心です。
例えばパスポートが「TANAKA TAROU」で、航空券も「TANAKA/TAROU」なら基本的な氏名は対応しています。一方、航空券にも身に覚えのない「S」が入っている場合は、ETAとは別に利用航空会社へ確認する必要があります。
航空会社の予約システムではスペースの省略や姓・名の連結など独特の表示になることがあるため、見た目だけで誤記と判断せず、航空会社の規則に基づいて確認します。
出発前に確認したいチェックリスト
ETAの氏名に違和感がある場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 現在使用するパスポートの姓・名を確認する
- パスポート下部のMRZも確認する
- ETAの姓・名と照合する
- 身に覚えのないアルファベットが氏名として本当に登録されているか確認する
- パスポート番号・生年月日・国籍なども確認する
- 明らかな誤りなら公式Australian ETA Appで正しい情報によるETA取得を検討する
- 判断できない場合はオーストラリア内務省へ問い合わせる
- 航空券の氏名もパスポートと照合する
特に出発直前は、「空港で何とかなるだろう」と後回しにしないことが重要です。
まとめ|パスポートにない「S」がETAの氏名に本当に入っているなら出発前に解消を
オーストラリアETAで「TANAKA S TAROU」のような氏名が表示され、実際のパスポートには「S」が存在しない場合、まずパスポートの顔写真ページとMRZを確認し、本当に情報が食い違っているのかを確認する必要があります。ETAアプリではパスポートの読み取り方によって氏名の見え方が特殊になる場合もあるためです。
しかし、照合してもパスポートには存在しない「S」がETAの正式な氏名情報へ登録されているのであれば、認可済みだからそのままで確実に入国できる、と判断するのは避けた方がよいでしょう。オーストラリア内務省の公式ガイダンスでも、ETA申請情報はパスポート記載情報と同じであることを確認するよう求めています。[参照:オーストラリア内務省]
在日オーストラリア大使館のFAQでは、誤った情報で発給されたETAがシステム上に残ったとしても、最終的に正しい内容でETAを取得できていれば問題なく渡航できると案内されています。したがって明らかな誤登録なら、正しいパスポート情報でETAを取得し直すことが有力な対応になります。[参照:在日オーストラリア大使館「ETA申請についてのQ&A」]
出発が3日後など目前に迫っている場合は特に、自己判断で放置せず早めに確認することが大切です。再申請しても必ず即時発給されるとは限りません。再申請の要否が判断できない場合や処理が進まない場合は、オーストラリア内務省のGlobal Service Centreや公式問い合わせフォームで確認する方法があります。
ETAでは「認可されたか」だけでなく、実際に渡航で使用するパスポートと正しく結び付いたETAを持っているかが重要です。氏名に明らかな相違を見つけた場合は、搭乗当日まで持ち越さず、日本にいる間に正しい状態へ整えておくのが安全です。


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