「茨城県」は「いばらきけん」、「茨木市」は「いばらきし」と読みます。どちらも最後は濁らない「き」が正式な読み方ですが、「いばらぎ」と発音されることも少なくありません。
とくに茨城県については、「いばらぎじゃなくて、いばらき」と地元の人から訂正された経験がある人もいるでしょう。一方、大阪府茨木市では同じ読み間違いをしても、それほど強く訂正されないように感じるケースがあります。
ただし、「茨城県民は怒る」「茨木市民は怒らない」と一括りにすることはできません。個人差が大きい話だからです。そのうえで、なぜ茨城県の「いばらき・いばらぎ問題」がこれほど有名になったのかを、名称の読み方や発音、地域イメージなどから整理します。
茨城県の正式な読み方は「いばらきけん」
まず押さえておきたいのは、茨城県の正式な読み方は「いばらきけん」だという点です。「いばらぎけん」ではありません。
茨城県自身も県公式サイトで、「茨城」の読みは「いばらき」であり、「いばらぎ」ではないことを案内しています。県名の由来についても公式サイトで紹介されています。
したがって、茨城県出身者が「いばらきです」と訂正する行為自体は、ごく自然なものです。たとえば「山崎さん」を「やまざき」と読むのか「やまさき」と読むのかが本人によって決まっているのと同じように、固有名詞には正式な読みがあります。
大阪府の茨木市も「いばらきし」と読む
大阪府北部にある茨木市も、正式な読み方は「いばらきし」です。「茨城」と「茨木」で最後の漢字は異なりますが、読みはどちらも「いばらき」となります。
整理すると、茨城県は「茨城(いばらき)」、大阪府茨木市は「茨木(いばらき)」です。「茨城」と「茨木」は表記こそ違いますが、「いばらき」という部分だけを音で聞けば同じです。
そのため、「大阪の茨木は『いばらき』なのに、茨城県だけ『いばらぎ』なのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、これは誤解で、両方とも濁らない「いばらき」が正式です。
なぜ茨城県は「いばらぎ」と間違われやすいのか
茨城県が「いばらぎ」と呼ばれやすい背景としてよく指摘されるのが、発音上の聞こえ方です。日本語では、地域や話者によって「き」と「ぎ」の聞こえ方が接近することがあります。
また、「宮城(みやぎ)」のように「城」を「ぎ」と発音する県名が存在することも、混同を招く一因と考えられます。「茨城」という漢字を見て、無意識に「いばらぎ」と読んでしまう人がいても不思議ではありません。
さらに重要なのが、長年にわたって「茨城は、いばらぎではなくいばらき」という話自体がテレビやインターネットなどで繰り返し取り上げられてきたことです。その結果、単なる読み間違いだったものが、一種の定番ネタとして広く知られるようになりました。
茨城県民が「いばらき」と訂正するのには理由がある
同じ間違いを何度も経験すると、人は訂正することに慣れていきます。茨城県出身者の場合、「いばらぎ」と呼ばれる経験が一度だけではなく、学校、職場、旅行先などで繰り返されている可能性があります。
たとえば初対面の人から出身地を聞かれ、「茨城です」と答えた後に「いばらぎ?」と言われる経験が何度も続けば、「いばらきです」とすぐ訂正する癖がついても不思議ではありません。
これは必ずしも相手に腹を立てているという意味ではありません。単純に自分の出身地の名称を正しく呼んでほしいため訂正しているだけという場合も多いでしょう。訂正の口調が強く聞こえたとしても、その人が実際に「激怒」しているとは限りません。
「茨木市民は怒らない」という客観的なルールもない
一方で、「茨木市民なら『いばらぎ』と言われても怒らない」という地域的なルールが存在するわけでもありません。茨木市民でも読み間違いを訂正する人は当然いますし、気にしない人もいるでしょう。
茨城県には約270万人規模の人口があり、一つの都道府県として全国的に名前を知られています。それだけ多くの場面で県名が発音されるため、読み間違いも話題になりやすくなります。
対して茨木市は一つの市です。全国ニュースや全国放送などで名称を耳にする頻度は県名とは異なります。この固有名詞として登場する頻度や知名度の違いも、「茨城県の読み問題」の方が目立つ理由の一つと考えられます。
「いばらぎ」が定番ネタになったことも影響している
茨城県の場合、「いばらぎ」「いばらき」の違いそのものが長年ネタとして扱われてきました。そのため、茨城県民側も「また間違えられた」と反応し、県外の人も「茨城県民の前で『いばらぎ』と言うと怒られる」と語る、という循環が生まれやすくなっています。
ここでは実際の怒りと、会話上のツッコミを区別した方がよいでしょう。「いばらぎじゃなくて、いばらき!」という返答も、本当に怒っている場合から、冗談交じりに定番の訂正をしている場合までさまざまです。
インターネット上では強い反応ほど印象に残りやすいため、「茨城県民は全員この間違いに厳しい」というイメージが実態以上に強調されることも考えられます。
そもそも地名を間違えられて嫌かどうかは人による
地名の読み間違いに対する感覚は、地域差だけでは説明できません。「一度くらいなら気にしない」という人もいれば、「自分の故郷なので正確に覚えてほしい」という人もいます。
これは茨城県に限った話ではありません。日本には読み方を間違えられやすい自治体が数多くあります。大阪府の枚方市を「ひらかたし」ではなく別の読み方で読んだり、兵庫県の宍粟市の読み方が分からなかったりするように、初見では難しい地名も珍しくありません。
大切なのは、間違えたこと自体より、正しい読み方を教えてもらった後の対応です。「そうなんですね、いばらきですね」と覚えれば、それだけで十分でしょう。
茨城県と茨木市の違いを表で整理
| 名称 | 正式な読み | 所在地・区分 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 茨城県 | いばらきけん | 関東地方の県 | 「いばらぎけん」は正式名称ではない |
| 茨木市 | いばらきし | 大阪府の市 | こちらも「いばらぎし」ではない |
漢字だけを見ると混乱しやすいですが、「茨城県=いばらきけん」「茨木市=いばらきし」とセットで覚えると分かりやすくなります。
まとめ|茨城県も茨木市も「いばらき」が正しい
茨城県の正式な読み方は「いばらきけん」、大阪府茨木市は「いばらきし」です。どちらも「いばらぎ」ではありません。
茨城県について「いばらぎ」と間違えると強く訂正される印象があるのは、県名が全国的に使われる機会が多いこと、昔から読み間違いが繰り返されてきたこと、そして「いばらき・いばらぎ問題」そのものが定番の話題になっていることなどが関係していると考えられます。
ただし、「茨城県民は怒るが、茨木市民は怒らない」と一般化できる根拠はありません。反応は人それぞれです。読み間違えてしまったときは、相手が訂正してくれた読み方をそのまま覚えるのが、いちばんシンプルで確実な対応です。


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