この地図記号は何?空き地・庭のような場所にある記号の見分け方と国土地理院の地図記号を解説

交通、地図

地図を見ていると、住宅地や田畑の近くに見慣れない小さな記号が描かれていることがあります。現地の様子が空き地や庭のように見える場合でも、その記号が必ず「空き地」を意味しているとは限りません。

国土地理院の地形図では、土地の状態を示すために「畑」「果樹園」「茶畑」「広葉樹林」「竹林」「荒地」などの植生記号が使われています。そのため、建物のない土地に描かれている小さな記号は、施設そのものではなくその土地にどのような植物が生えているか、どのように利用されているかを示している可能性があります。

特に、雑草が生えている空き地のような場所で見かける記号なら「荒地」の地図記号である可能性があります。ただし、実際の記号の形を確認しないまま断定することはできません。

この記事では、空き地や庭のような場所に現れやすい地図記号を中心に、国土地理院の公式情報を使った正しい調べ方、荒地・畑・果樹園・竹林などの見分け方を紹介します。

地図記号には「施設を表すもの」と「土地の状態を表すもの」がある

地図記号というと、学校、病院、郵便局、神社、寺院などを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし国土地理院の地形図では、それ以外にも道路、鉄道、地形、植生など数多くの記号が使われています。

例えば小中学校なら「文」のような記号、郵便局なら「〒」など、特定の施設を示す記号があります。一方で、畑や果樹園、森林などについては、その一帯の土地利用・植生を示す記号が繰り返し配置されます。

そのため、田舎の空き地や住宅の庭のように見える場所に記号がある場合は、近くに特殊な施設があるとは限りません。土地そのものの状態を示している可能性を最初に考えると見分けやすくなります。

[参照] 国土地理院「地図記号一覧」

空き地のような場所なら「荒地」の記号が候補になる

国土地理院の電子地形図25000では、「荒地」という地図記号があります。

国土地理院の表示基準では、荒地は裸地、雑草地、湿地や沼地などで水草が点々と生えている地域などに適用するとされています。

つまり、現地を航空写真やストリートビューなどで見ると「ただの空き地」「草の生えた土地」にしか見えない場所でも、地形図上では荒地として表現される場合があります。

特に、草刈りが定期的に行われている庭や公園とは違い、雑草などが自然に生えている未利用地であれば、荒地の記号が表示されていても不思議ではありません。

[参照] 国土地理院「電子地形図25000図式 表示基準」

「荒地」と「空き地」はまったく同じ意味ではない

日常会話でいう「空き地」と、地図上の「荒地」は必ずしも同じ意味ではありません。

空き地は単に建物が建っていない土地を指すことがあります。例えば舗装された更地、駐車場予定地、住宅跡地、芝生なども会話では空き地と呼ばれることがあります。

一方、地形図の荒地は植生や地表の状態によって分類されます。したがって、建物がなくても田畑として利用されていれば畑の記号になり、果樹が植えられていれば果樹園になる場合があります。

「建物がない=荒地」ではなく、その土地が実際にどのような状態かによって地図上の表現が変わると覚えておくとよいでしょう。

庭のように見える場所なら果樹園や畑の可能性もある

地方の住宅周辺では、自宅の庭と畑が一体化しているケースも珍しくありません。航空写真だけを見ると庭のように見えても、実際には家庭菜園や果樹園として利用されている可能性があります。

国土地理院の地形図には「畑」「果樹園」「茶畑」といった記号があります。果樹園はリンゴ、ミカン、ナシなどの果樹が栽培されている場所を表します。

例えば一定の間隔で木が並んでいる場所なら果樹園、畝のような模様が確認できるなら畑の可能性が高くなります。

地図記号だけで判断するより、航空写真と組み合わせて確認すると土地利用の意味を理解しやすくなります。

木のような記号なら広葉樹林・針葉樹林の場合もある

土地の中に木を簡略化したような記号が並んでいる場合は、森林を表している可能性があります。

電子地形図25000では、広葉樹林、針葉樹林、竹林、ヤシ科樹林、ハイマツ地、笹地などがそれぞれ異なる記号で表されています。

国土地理院によると、広葉樹林は原則として樹高2m以上の広葉樹が密生している地域、針葉樹林は樹高2m以上の針葉樹が密生している地域などに適用されます。

住宅の裏庭のような小さな場所でも、まとまった樹木が存在すれば地図上で植生として表されることがあります。

竹のような記号なら「竹林」

田舎の住宅地や山際では、竹林の記号もよく見られます。

国土地理院の表示基準では、竹林は「竹が密生している地域」に適用されます。

竹林の地図記号は特徴的ですが、初めて見ると何を表しているのか分かりにくく、何らかの施設記号だと勘違いすることもあります。

古い住宅の敷地周辺や集落の裏山などに記号がある場合、現地を見ると小規模な竹林だったということもあります。

点や小さな丸が規則的に並ぶなら果樹園を疑う

地図上に小さな丸や点に見える記号が一定間隔で並んでいる場合、果樹園などの植生記号である可能性があります。

果樹園では樹木が一定間隔に植えられていることが多いため、地形図でも土地一帯に同じ記号が繰り返し配置されます。

例えば地方の住宅の隣に数本〜数十本の果樹が植えられている場合、衛星写真では単なる庭木に見えても、地形図では果樹園として表現されることがあります。

「一つだけ記号があるのか」「同じ記号が複数並んでいるのか」も見分けるポイントになります。

茶畑の記号と史跡の記号は似ているので注意

地図記号の中には、形がかなり似ていて見間違いやすいものがあります。

国土地理院のQ&Aでも、「茶畑」と「史跡・名勝・天然記念物」の記号の違いについて説明されています。

国土地理院によると、両者は記号の大きさが異なり、茶畑の場合には同じ記号が等間隔に複数表示されることが多いという特徴があります。

したがって一つの形だけを見るのではなく、周囲に同じ記号が並んでいるか、土地の範囲全体に配置されているかを見ることが重要です。

[参照] 国土地理院「地図に関するQ&A」

昔の地図と現在の地図で記号が違う場合もある

インターネット上で古い地形図を見ている場合には、現在とは地図記号や分類方法が異なる可能性があります。

国土地理院の資料によると、過去の図式では現在とは土地利用の区分が異なる部分があり、古い地形図の「空き地」と「畑地」の扱いについても図式の年代によって違いがあります。

そのため昔の地図に出てくる記号を現在の地図記号一覧だけで照合すると、正しく判断できない場合があります。

古地図を調べるときは、地図そのものが何年に発行されたものなのかも確認すると正確です。

地図記号の意味は国土地理院の一覧から確認できる

日本の一般的な地形図に使われる地図記号を調べるなら、国土地理院の「地図記号一覧」が最も信頼できる一次情報です。

電子地形図25000の記号が、基準点、河川・湖沼・海、道路、鉄道、建物、構造物、植生、特定地区、地形、行政界などのカテゴリーごとに掲載されています。

さらに記号を選ぶと、実際の地図上でどのように表示されるのか、現地ではどのような場所なのか、記号の由来などを確認できます。

検索サイトの画像だけで調べるより、国土地理院の公式一覧と比較するほうが誤認を防ぎやすくなります。

地理院地図なら表示している場所をそのまま確認できる

地図記号を調べたい場所が分かっているなら、国土地理院の「地理院地図」を利用する方法も便利です。

地理院地図では全国の地形図をWebブラウザから確認でき、航空写真などの情報と切り替えながら見ることができます。

例えば地形図で荒地らしい記号が表示されていたら、同じ位置を航空写真へ切り替えて、雑草地なのか畑なのか、樹木が生えているのか確認できます。

地図記号単体を暗記するより、「地形図→航空写真→現地の状態」という順番で確認すると理解しやすくなります。

[参照] 国土地理院「地理院地図」

Googleマップなどの記号と国土地理院の地図記号は別物の場合がある

注意したいのが、すべての地図サービスで国土地理院と同じ地図記号が使用されているわけではないことです。

Googleマップ、Appleマップ、Yahoo!マップ、登山地図などでは、それぞれ独自のアイコンや表示方法が使用されることがあります。

例えばレストラン、駐車場、観光施設などを示すアイコンは、国土地理院が定める伝統的な「地図記号」とは別のものです。

したがって記号を調べる際には、まず「どの地図で見つけた記号なのか」を確認することが重要です。

地図記号が一つだけ表示されている場合は施設記号の可能性が高い

土地の広い範囲に同じ記号が繰り返されている場合は、植生を表している可能性が高くなります。

一方、一つだけ独立して表示されている記号なら、神社、寺院、郵便局、学校、記念碑、三角点など特定の施設・地点を表している可能性があります。

例えば墓地のように特定地区を示すものもあるため、単純に「一個だから建物」と断定することはできませんが、記号の配置パターンは大きなヒントになります。

周囲の文字情報や建物の形、道路との位置関係まで一緒に見ると判断しやすくなります。

現地が庭に見えても地図情報が古い可能性がある

地形図と現在の航空写真を比較すると、地図上の植生と現地の状態が一致しないことがあります。

土地利用は時間とともに変化します。以前は畑だった場所に住宅が建ったり、竹林だった土地が伐採されて更地になったりすることがあります。

地図データも随時更新されていますが、現地の変化が即座にすべて反映されるわけではありません。

そのため「地図記号では果樹園なのに、今はただの庭に見える」といった場合には、地図情報と現況に時間差がある可能性も考えましょう。

空き地のような場所で候補になりやすい地図記号

地図上の分類 現地で見える可能性がある状態
荒地 雑草地、裸地など
野菜畑、家庭菜園など
果樹園 果樹が一定間隔に植えられた土地
茶畑 茶の木を栽培している土地
広葉樹林 広葉樹がまとまって生えている場所
針葉樹林 スギ・ヒノキなどがまとまった場所
竹林 竹が密生している場所
笹地 笹などが密生している土地

現地が「空き地っぽい」という情報だけでは、この中のどれかを確定することはできません。しかし記号の形と航空写真を照合すれば、かなり絞り込めます。

記号そのものが確認できない場合は断定しないことが重要

地図記号を特定するうえで最も重要なのは、実際の記号の形を見ることです。

例えば「田舎の空き地にある記号」という説明だけでは、荒地、畑、果樹園、竹林、史跡など複数の可能性があります。

そのため、画像がない状態で「それは荒地です」などと断定すると誤情報になる可能性があります。

地図記号は、記号の形・周囲の同種記号・地図の種類・現地の土地利用を合わせて判断するのが正確です。

最も簡単な調べ方はスクリーンショットと公式一覧を並べること

分からない地図記号を見つけたら、その部分を拡大してスクリーンショットを保存しておくと便利です。

次に国土地理院の地図記号一覧を開き、形が似ているものを探します。土地の中に繰り返し表示されているなら、まず「植生」のカテゴリーを見ると効率的です。

候補が見つかったら地理院地図の航空写真へ切り替えて現地の状態と比較します。

例えば荒地の記号と形が一致し、航空写真でも草が生えた未利用地に見えるなら、荒地である可能性はかなり高くなります。

まとめ|空き地・庭のような場所の記号は植生を示している可能性が高い

田舎の空き地や庭のような場所に表示されている地図記号は、建物や施設ではなく、土地の植生・利用状態を表している場合があります。

国土地理院の電子地形図25000には、田、畑、果樹園、茶畑、広葉樹林、針葉樹林、竹林、笹地、荒地など複数の植生記号があります。

特に雑草が生えている未利用地や裸地のような場所なら、国土地理院が「裸地及び雑草地」などに適用している「荒地」の記号である可能性があります。

ただし、現地が空き地のように見えるという情報だけで記号を確定することはできません。家庭菜園なら畑、樹木が規則的に植えられていれば果樹園、竹が密生していれば竹林など、別の地図記号になる可能性があります。

最も確実なのは、実際の記号の形を国土地理院公式の「地図記号一覧」と照合する方法です。地理院地図で航空写真も確認すれば、土地の状態と記号の意味をさらに判断しやすくなります。

また、Googleマップなど民間の地図サービスでは独自アイコンが使われているため、国土地理院の地図記号とは限りません。調べる際には「どの地図サービスで見つけた記号なのか」も確認しておくことが重要です。

[参照] 国土地理院「地図記号一覧」

[参照] 国土地理院「電子地形図25000図式 表示基準」

[参照] 国土地理院「地理院地図」

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