築48年・ゴミ屋敷の戸建ては売れる?5万円買取と150万円仲介を比較する前に確認したいポイント

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築40年・築50年を超える地方の戸建てでは、不動産会社から買取を断られたり、土地価格を大きく下回る金額を提示されたりすることがあります。しかし、築年数が古いという理由だけで市場価値がゼロになるわけではありません。一方、古家付き土地として売り出せば必ず高く売れるというものでもなく、立地、接道、災害リスク、建物の状態、残置物、解体費などを総合的に考える必要があります。

特に注意したいのが、すでに第三者へ売却する話を進めている途中で別の不動産会社から仲介売却を提案されたケースです。価格だけを比較して乗り換えるのではなく、現在の売買が法的にどこまで成立しているのかを最初に確認することが重要です。ここでは、築古・ゴミ屋敷の戸建てを売却するときの判断材料を整理します。

築48年だから解体前提とは限らない

中古住宅に「築○年以上なら必ず解体」という一律の基準はありません。築48年でも建物の状態が良く、購入者がリフォーム・DIY・賃貸運用などを目的として取得するケースはあります。反対に築年数がもっと浅くても、雨漏り、傾き、シロアリ被害、基礎や構造部分の劣化などが深刻なら解体を前提に評価されることがあります。

したがって、「築48年ならまだ使える」「築70年になったら解体」というように築年数だけで線引きするのは適切ではありません。木造住宅の場合、1981年6月より前の建築確認に基づく建物は一般に旧耐震基準の建物に該当する可能性があり、耐震性を気にする購入者にとって大きな判断材料になります。

例えば、同じ築48年でも、定期的に屋根や外壁、水回りを修繕してきた住宅と、数十年間ほとんどメンテナンスされていない住宅では商品価値が大きく違います。購入希望者が「そのまま住める」「少額の改修で使える」と判断するか、「解体するしかない」と判断するかによって価格も変わります。

旧耐震・下水未接続・災害警戒区域などは価格に影響する

築古住宅を売却するときは、建物だけではなく土地の条件も重要です。旧耐震、公共下水への未接続、土砂災害警戒区域、墓地への隣接などは、それぞれ購入希望者が判断する材料になります。複数の条件が重なれば購入希望者が限定され、不動産会社による買取査定が厳しくなることも珍しくありません。

ただし、買取不可と市場で売却できないことは同じ意味ではありません。不動産会社の買取は、購入後のリフォーム費、残置物処分費、保有期間中の費用、再販売時の利益などを見込んで価格を決めます。そのため、会社独自の買取基準から外れれば断られることがあります。

仲介では不動産会社自身が購入するのではなく、ポータルサイトなどを通じて一般の購入希望者や投資家などを探します。そのため、DIY目的、倉庫利用、セカンドハウス、賃貸経営など特殊な需要を持つ購入者が現れれば、買取査定より高い金額で成約する可能性があります。

5万円の買取と150万円での仲介は同じ条件ではない

例えば、買取業者から5万円を提示され、別の会社から「150万円で売り出してみましょう」と提案された場合、単純に150万円のほうが30倍高いとは考えないほうがよいでしょう。買取価格は原則として実際に買う側が提示した価格ですが、仲介会社の売出価格はまだ買主が存在しない段階の募集価格だからです。

150万円で広告を出すこと自体はできても、150万円で購入する人が現れるとは限りません。問い合わせがなければ100万円、70万円、50万円と値下げすることもあります。逆に、立地や土地に需要があれば想定に近い価格で購入者が現れる可能性もあります。

比較するときには最終的な手取り額を見る必要があります。売却価格から仲介手数料、残置物撤去費、測量費、登記関係費用、必要に応じた解体費などを差し引きます。なお、仲介手数料には宅地建物取引業法上の上限があり、低廉な空家等については通常の計算とは異なる特例もあるため、提示された金額については何の費用が含まれているのかを書面で確認することが大切です。

近隣の売出価格だけで土地値を判断しない

周辺に30坪200万円、80坪600万円といった土地が売り出されている場合、土地価格を推測する参考にはなります。しかし、ポータルサイトに掲載されている価格は基本的に成約価格ではなく売主の希望する売出価格です。

例えば200万円で半年間掲載されている土地があるとしても、それだけでは「この地域なら30坪で200万円の価値がある」と断定できません。むしろ長期間成約していないのであれば、その価格では需要が弱い可能性も考える必要があります。

土地価格を調べる際には、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」などで実際の取引価格も確認できます。周辺の成約事例、接道条件、土地形状、用途地域、インフラ、災害リスクなどを比較すると、売出価格だけを見るより現実的な価格帯を把握しやすくなります。[参照]国土交通省 不動産情報ライブラリ

ゴミ屋敷は「片付けてから売る」が必ず得とは限らない

残置物が大量にある住宅では、片付ければ見栄えが良くなり、一般の購入希望者が内見しやすくなるメリットがあります。一方で、売却前に50万円、70万円といった撤去費用を負担しても、その分だけ売却価格が上昇する保証はありません。

例えば現状のまま50万円で購入したい人がいる物件に70万円をかけて残置物を撤去し、その後100万円で売れた場合、単純計算では撤去前より有利とはいえません。反対に、撤去することで購入層が大幅に広がり150万円で売れるのであれば、片付ける意味が生まれます。

そのため、「残置物ありの現状渡しならいくら」「売主が撤去してから引き渡すならいくら」の2パターンで査定を取る方法が合理的です。可能であれば複数の仲介会社に同じ条件で査定を依頼すると、比較しやすくなります。

短期間だけ150万円で売り出す方法には注意点がある

市場の反応を見る目的で一定期間だけ高めの価格で販売する考え方そのものはあります。ポータルサイトへ掲載すれば、閲覧数、問い合わせ数、内見希望などから需要をある程度把握できます。ただし、不動産会社と媒介契約を締結する場合には契約内容を確認する必要があります。

媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介などがあり、それぞれ契約上の扱いが異なります。「1か月だけ試したい」と考えていても、契約内容によって自由に終了できるとは限りません。広告費や契約解除に関する条件についても契約前に確認しておくと安心です。

また、特定の会社名を挙げて「掲載してもらう」と考えている場合、その会社が希望する形式の仲介を実際に取り扱っているか、どのポータルサイトへ掲載されるかなどは事前確認が必要です。会社名だけで判断せず、媒介契約書と具体的な販売計画を確認してから依頼することが重要です。

最重要ポイントは「すでに5万円で売買が成立していないか」

別の不動産会社へ売却を依頼する前に最優先で確認すべきなのが、先に進めていた5万円での売却話です。不動産売買では契約書が非常に重要ですが、民法上、契約は原則として当事者の意思表示の合致によって成立し、不動産売買について常に契約書への署名押印だけが成立要件になるとは限りません。

そのため、「5万円なら買う」「それで売る」と双方が合意している場合、まだ売買契約書へ署名していないから自由に撤回できる、と自己判断するのは危険です。実際に契約が成立しているかどうかは、これまでの会話、メールやメッセージ、価格以外の条件、引渡時期についてどこまで合意していたかなど、具体的事情によって判断が変わります。

さらに仲介会社が関与している場合には、その会社との媒介契約や仲介手数料についても確認が必要です。別の買主へ売却した後で最初の買主から契約成立を主張されるような事態を避けるため、新しい媒介契約や売買契約を締結する前に、現在の法律関係を整理することが重要です。

最初の買主との関係を曖昧なまま放置しない

電話をしなければ売却話が自然消滅するとは限りません。相手側が売買契約はすでに成立していると認識している可能性もあれば、まだ契約前の交渉段階だと認識している可能性もあります。双方の認識が違う状態で時間だけが経過すると、後のトラブルにつながります。

特に「契約書が完成した」と連絡を受けている場合には、契約書の内容を確認しておく価値があります。売買価格、引渡日、残置物の扱い、契約不適合責任、解除条件など、どのような条件が記載されているのかを確認します。

すでに口頭で売買契約が成立している可能性が心配な場合や、相手との関係上トラブルを避けたい場合には、不動産取引に詳しい弁護士へ契約経緯を説明して確認する方法があります。法的な問題とは別に、仕事上で今後接点が生じる相手なら、放置ではなく事情を説明して整理するほうが関係悪化を防ぎやすいでしょう。

築古戸建てを売却するときの現実的な比較方法

築古住宅では「買取か仲介か」を感覚だけで決めず、同じ条件で数字を並べると判断しやすくなります。最低でも次の項目を比較するとよいでしょう。

確認項目 買取 仲介
売却価格 提示された確定的な買取価格を確認 売出価格ではなく想定成約価格を確認
残置物 現状のまま引渡せるか確認 撤去が必要か確認
売却までの期間 比較的短い傾向 買主が見つかるまで不明
費用 諸費用を確認 仲介手数料・撤去費等を確認
手取り額 売却価格から費用を差し引いて計算 想定成約価格から全費用を差し引いて計算

例えば「5万円で現状のまま早期に手放せる案」と「150万円で募集し、残置物撤去に60万円、仲介その他の費用が発生する案」では、後者の売出価格だけを見ても比較できません。150万円、100万円、70万円など複数の成約価格を想定して手取り額を計算すると判断しやすくなります。

そして価格と同じくらい重要なのが時間です。空き家を所有し続ければ固定資産税、草木の管理、建物の劣化、近隣対応などの負担が続きます。「最高値で売る」だけでなく、いつまでに、最低いくらの手取りなら売却するのかを先に決めておくと価格変更の判断もしやすくなります。

まとめ:築古だから価値ゼロと決めず、契約関係を整理してから市場価格を調べる

築48年の戸建てでも、築年数だけを理由に解体前提・価値ゼロと決めることはできません。土地としての需要に加えて、リフォーム、DIY、投資などの需要が存在する可能性があります。一方、旧耐震、残置物、下水未接続、災害リスクなどの条件が重なれば、一般的な物件より売却が難しくなることも事実です。

買取価格が極端に低い場合、仲介で一定期間市場に出して反応を見ることには検討の余地があります。ただし「150万円で掲載できる」ことと「150万円で売れる」ことは別です。近隣の売出価格だけでなく実際の取引事例を確認し、残置物撤去費などを差し引いた最終手取り額で比較することが重要です。

そして、すでに別の相手と売却について具体的な合意をしている場合は、新しい売却活動を始める前にその契約関係を確認する必要があります。口頭合意だから無効、契約書に署名していないから白紙、と単純には判断できません。契約成立の有無に疑問がある場合は、不動産取引に詳しい弁護士などの専門家へ契約までの経緯を示して確認したうえで、買取・仲介のどちらが有利なのかを比較するのが安全な進め方です。

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