徳島県の後藤田正純知事が北海道への修学旅行について述べた「クマが出たら終わり」という趣旨の発言が、2026年8月下旬に報道され、北海道側からも反応が出る事態となりました。
単にSNS上で一部の人が批判しているという段階ではなく、北海道の鈴木直道知事が公式の定例記者会見で「看過できない」と述べ、徳島県庁へ事実確認を行ったことを明らかにしています。その意味では、自治体間で確認が行われる程度には問題視された発言といえます。
一方、後藤田知事自身は北海道を批判する意図ではなく、修学旅行の安全に注意してほしいという趣旨だったと説明しています。「北海道は危険だから修学旅行に行くべきではない」と単純に発言したものとして扱うと、本人の説明とは食い違います。発言そのものと、その後の説明を分けて確認することが重要です。
後藤田知事は実際に何を発言したのか
発端となったのは、2026年8月24日に徳島県庁で開かれた県内町村長との意見交換会です。報道によると、後藤田知事は徳島県立高校の北海道への修学旅行について、片道7時間をかけて行っていることに触れたうえで、「クマが出たら終わり」という趣旨の発言をしました。
さらに、北海道へ行く高校とそうではない高校では差が出て、選択によって淘汰されるという趣旨の発言も報じられました。この一連の発言がニュースやSNSで取り上げられ、「北海道への修学旅行を否定しているのではないか」と受け取る人が現れました。
北海道庁の公式な2026年8月28日の知事会見でも、この発言について記者から質問が出ています。北海道側が公式に発言内容を確認しているため、単なるSNS上の噂ではありません。[北海道庁・2026年8月28日知事定例記者会見参照]
北海道の鈴木直道知事は「看過できない」と反応
北海道の鈴木直道知事は8月28日の定例会見で、後藤田知事の発言について、北海道への誘客に取り組む観光事業者や、クマ対策に従事している人々の気持ちを考えると「看過できない」との考えを示しました。
そして北海道庁は、報道だけをもとに判断するのではなく、徳島県庁へ直接事実確認を行っています。北海道知事が公の会見で遺憾の意を示し、北海道庁から徳島県庁へ確認まで行われたため、「問題になっているのか」という点では、実際に行政レベルで反応があったといえます。
この件は新聞・テレビなどでも報道されました。北海道側と徳島側の双方の知事が会見で説明する展開となっており、単なるネット上の炎上だけで終わった話ではありません。
実際に徳島県の修学旅行でクマに遭遇したのか
ここは発言を理解するうえで重要なポイントです。鈴木知事によると、北海道側が徳島県へ確認したところ、徳島県の高校による北海道への修学旅行で、クマによる危険な事態に遭遇した事実はないとの回答だったとしています。
さらに、クマに遭遇する懸念のある旅行ルートを設定しているのかについても確認し、そのようなルートは設定していないことを確認したと鈴木知事は説明しています。[北海道庁公式会見参照]
そのため、徳島県の修学旅行で実際にクマとの危険な遭遇が発生し、それを受けて知事が問題提起したという経緯ではありません。この点について鈴木知事は、徳島県庁内で状況を確認してから発言したほうがよかったのではないかという趣旨の苦言を呈しています。
後藤田知事は「北海道に行くなという意味ではない」と説明
一方、後藤田知事も2026年8月28日の定例会見で発言の意図を説明しています。後藤田知事によれば、子どもたちの修学旅行では安全を最優先するのが知事として当然であり、「クマが出たら終わってしまう」という発言は安全面に注意してほしいという意味だったとしています。
また、北海道への修学旅行そのものを批判する意図ではなく、北海道の素晴らしい修学旅行が続けられるよう注意してほしいという趣旨だったと説明しました。さらに「どこに行け、どこに行くなと言っているわけではない」という趣旨の説明もしています。
したがって、「北海道はクマが危険だから修学旅行をやめろと後藤田知事が要求した」とまで断定するのは正確ではありません。発言の表現について北海道側が問題視した一方、後藤田知事側は安全への注意喚起だったと説明している、というのが現在確認できる構図です。
なぜ「韓国への修学旅行」の話まで出てくるのか
この話題では、北海道だけでなく韓国という言葉も一緒に取り上げられることがあります。後藤田知事は修学旅行について、北海道と海外など複数の選択肢を比較する文脈で発言していました。
北海道庁が徳島県へ確認した際の回答としても、修学旅行先として北海道と韓国という選択肢には、それぞれ異なる素晴らしさと課題が存在するという趣旨だったことが、鈴木知事の会見で紹介されています。
そのためSNSなどで見かける「北海道は危険だから韓国へ行けと言った」という短い要約だけを見ると、元の発言やその後の説明より強い表現になっている可能性があります。政治家の発言を確認するときは、切り抜きだけではなく前後の文脈と本人の会見も合わせて確認することが大切です。
北海道側が特に問題視したポイント
北海道側の反応を見ると、クマの危険性について議論すること自体を否定しているわけではありません。北海道ではヒグマ対策が重要な行政課題であり、安全確保のための取り組みが続けられています。
今回、鈴木知事が問題視したのは、観光誘客やクマ対策に取り組んでいる関係者への影響と、実際の修学旅行で危険な遭遇が確認されていない状況での発言だった点です。
鈴木知事は、徳島県の高校の約7割が北海道を修学旅行先として選んでいることについて感謝を示し、ウポポイを訪れてアイヌ文化を学ぶ学校があることにも言及しています。つまり北海道側の主張は、リスク対策は必要だが、実態を確認せず北海道への修学旅行全体が危険であるかのような印象につながる表現は望ましくないという方向に近いものです。
「クマが出る北海道=修学旅行に危険」という単純な話ではない
北海道にヒグマが生息していること自体は事実ですが、それだけで北海道全域の観光地や修学旅行が常に危険という意味にはなりません。都市部、観光施設、自然地域ではクマとの遭遇リスクが大きく異なります。
学校の修学旅行では、旅行会社や学校などが行程を設定し、現地の情報を確認しながら安全管理を行います。北海道庁が徳島県へ確認した範囲でも、クマとの遭遇が懸念されるルートを設定している事実はなかったとされています。
もちろん野生動物による事故の可能性をゼロにすることはできません。そのため重要なのは「北海道だから危険」「北海道なら安全」と二択で考えることではなく、訪問場所、最新の出没情報、自治体や施設の指示などに応じてリスクを管理することです。
発言は謝罪や撤回まで発展したのか
2026年9月1日時点で確認できる公表情報では、北海道の鈴木知事が「看過できない」として遺憾の意を示し、徳島県へ事実確認を行ったこと、後藤田知事が自身の定例会見で発言の趣旨を説明したことまでは確認できます。
後藤田知事は、北海道への修学旅行を批判しているという受け取られ方について反論し、安全への注意を求めた趣旨だったと説明しています。一方、北海道側は事前に徳島県庁内で実態を確認してから発言すべきだったのではないかとしています。
したがって現段階では、「発言が問題視され、北海道知事が公式に反応した」というところまでは明確ですが、ネット上で語られるさまざまな評価と、行政上確認された事実は分けて考える必要があります。
まとめ|「クマが出たら終わり」発言は北海道知事が公式に問題視している
後藤田正純・徳島県知事による北海道への修学旅行を巡る「クマが出たら終わり」という趣旨の発言は、実際にニュースとなり、北海道の鈴木直道知事が2026年8月28日の定例記者会見で「看過できない」との考えを示しました。北海道庁から徳島県庁への事実確認も行われています。
その確認では、徳島県の北海道修学旅行でクマによる危険な事態に遭遇した事実はなく、クマとの遭遇が懸念されるルートを設定している事実もなかったとされています。そのため鈴木知事は、庁内で実態を確認してから発言したほうがよかったのではないかと苦言を呈しました。
一方の後藤田知事は、北海道への修学旅行を否定する意図ではなく、安全を最優先してクマに注意してほしいという趣旨だったと説明しています。「問題になっていない単なるネットの噂」でも、「北海道への修学旅行を全面否定した」と断定できる話でもなく、発言を北海道側が公式に問題視し、その後、双方の知事がそれぞれの立場を説明している問題として捉えるのが最も実態に近いでしょう。


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