豪華客船「飛鳥」「飛鳥Ⅱ」「飛鳥Ⅲ」の名前の由来は?船なのに「飛鳥」と名付けられた理由と歴代船を解説

フェリー、港

日本を代表するクルーズ客船として知られる「飛鳥」「飛鳥Ⅱ」「飛鳥Ⅲ」。名前だけを見ると、「船なのになぜ“飛ぶ鳥”のような名前なのか」「飛鳥Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと飛行機のように番号を付けているのはなぜ?」と疑問に感じることがあります。しかし、船名の「飛鳥」は空を飛ぶ鳥を意味して付けられたものではありません。公式説明によれば、日本文化が大きく花開いた「飛鳥時代」にちなんだ名称です。また、正式には初代船は「飛鳥Ⅰ」ではなく単に「飛鳥」で、後継船が「飛鳥Ⅱ」、さらに新造船が「飛鳥Ⅲ」と命名されています。[参照]

「飛鳥」は鳥の名前ではなく「飛鳥時代」に由来する

「飛鳥」という漢字だけを見ると、「空を飛ぶ鳥だから船には変では?」と思うかもしれません。しかし、飛鳥クルーズの公式発表では、船名の由来がはっきり説明されています。

「飛鳥」は、日本文化の黎明期にあたり文化が華やかに発展した飛鳥時代にちなんで名付けられました。初代「飛鳥」が就航した1991年当時、日本ではレジャーを目的とした本格的なクルーズ客船がまだ一般的ではありませんでした。

そこで、新しい日本のクルーズ文化を生み出していくという思いを、日本文化が大きく花開いた飛鳥時代になぞらえて「飛鳥」と名付けたと郵船クルーズは説明しています。[参照]

実は「飛鳥Ⅰ」という名前の船は存在しない

現在「飛鳥Ⅱ」「飛鳥Ⅲ」があるため、初代を便宜上「飛鳥Ⅰ」と呼びたくなりますが、正式な船名は「飛鳥」です。

歴代の流れを整理すると、次のようになります。

世代 正式な船名 就航
初代 飛鳥 1991年
2代目 飛鳥Ⅱ 2006年
3代目・新造船 飛鳥Ⅲ 2025年

したがって「飛鳥Ⅰ~Ⅲ」というより、正確には「飛鳥 → 飛鳥Ⅱ → 飛鳥Ⅲ」というブランドの系譜です。日本郵船も2025年の「飛鳥Ⅲ」命名式で、1991年の初代「飛鳥」、2006年の「飛鳥Ⅱ」に続く船として紹介しています。[参照]

なぜ2代目から「Ⅱ」、3代目から「Ⅲ」を付けたのか

「Ⅱ」「Ⅲ」はローマ数字で、同じ「飛鳥」という名前とブランドを受け継ぐ後継船であることを分かりやすく示しています。

つまり「Ⅱ」や「Ⅲ」が付いているのは、飛行機の型式のような意味ではありません。初代から続いている飛鳥クルーズの伝統・サービス・ブランドを継承する船という位置付けを示す名称です。

郵船クルーズも「飛鳥Ⅲ」について、初代「飛鳥」から受け継がれる名前であり、飛鳥クルーズが培ってきた日本船ならではのおもてなしや日本文化を継承する船だと説明しています。[参照]

「飛鳥Ⅱ」は初代飛鳥そのものを改造した船ではない

名前が「飛鳥Ⅱ」になったため、初代「飛鳥」を改造して2代目にしたと思われることがありますが、別の船です。

初代「飛鳥」は1991年に就航し、日本のクルーズ文化を築いた船として長年運航されました。その後、2006年に「飛鳥Ⅱ」が就航しています。

興味深いことに、初代「飛鳥」はその後海外で「アマデア」という船名になりました。そして2025年に誕生した「飛鳥Ⅲ」がドイツから日本へ向かう航海中、アフリカ沖で旧「飛鳥」である「アマデア」と偶然出会ったことが、公式の命名式でも紹介されています。[参照]

「飛鳥Ⅲ」は飛鳥Ⅱの単純な後継ではなく同時運航する船

通常「Ⅲ」と名付けられると、「Ⅱが引退してⅢへ置き換わった」と考えがちです。しかし飛鳥クルーズの場合は少し違います。

2025年7月20日に「飛鳥Ⅲ」が就航した後も「飛鳥Ⅱ」は運航を継続しており、飛鳥Ⅱと飛鳥Ⅲの2隻体制となっています。日本郵船は「飛鳥Ⅲ」の就航によって、飛鳥クルーズとして初めて2隻運航になると発表しています。[参照]

つまり「Ⅲ」は単純な代替船というより、飛鳥ブランドの第3世代として新たに加わった船という位置付けです。

飛鳥Ⅲはなぜ「飛鳥Ⅲ」という名前を残したのか

新造船ならまったく新しい船名にする方法もあります。それでも「飛鳥Ⅲ」としたのは、「飛鳥」という名前そのものが30年以上続くクルーズブランドになっているからです。

郵船クルーズは「飛鳥Ⅲ」について、「人と人」「人と地域」「地域と地域」をつなぎ、日本文化の魅力を伝えていく船として位置付けています。船内には日本の美術品や工芸作品も多数取り入れられています。[参照]

初代「飛鳥」の命名時に込められた「新しい洋上文化を創造する」という考えを、時代に合わせながら継承しているわけです。

「飛鳥Ⅲ」のⅢには縁起の良い数字という意味も語られている

2025年7月に行われた「飛鳥Ⅲ」の命名式では、船長から「3」という数字について興味深い説明もありました。

日本では古くから3が縁起の良い数字、幸運につながる数字ともいわれるとして、「飛鳥Ⅲ」がその数字を背負い、日本のクルーズ業界を進んでいきたいという趣旨の挨拶がされています。[参照]

ただし、公式に説明されている船名そのものの基本的な由来はあくまで「初代飛鳥から続くブランドの継承」と「飛鳥時代」です。「3が縁起が良いから飛鳥Ⅲになった」というだけの命名ではありません。

「飛鳥」という漢字が船に合っていないわけではない

日本語として「飛鳥」を文字通り「飛ぶ鳥」と読むと、海を航行する船に少し不思議な印象を受けます。しかし「飛鳥」は歴史的な地名・時代名として広く知られている固有名詞です。

奈良県の飛鳥地方や飛鳥時代から連想されるのは、日本の歴史・文化・美術・国際交流などです。その文化的イメージをクルーズ客船のブランドに重ねた名称と考えれば、船であることとの矛盾はありません。

むしろ海外へ航海しながら日本文化や日本流のおもてなしを伝える客船に、日本文化の発展期を象徴する「飛鳥」という名前を付けたところに命名の意図があります。

まとめ:「飛鳥」は飛ぶ鳥ではなく日本文化の「飛鳥時代」が由来

豪華客船「飛鳥」の名前は、空を飛ぶ鳥にちなんだものではなく、日本文化が華やかに発展した「飛鳥時代」に由来します。1991年に初代「飛鳥」が就航した際、日本に新しい本格的なクルーズ文化を生み出したいという思いを込めて名付けられました。[参照]

また、正式には「飛鳥Ⅰ」という船名はなく、歴代船は「飛鳥」「飛鳥Ⅱ」「飛鳥Ⅲ」です。「Ⅱ」「Ⅲ」というローマ数字は、同じ飛鳥ブランドを受け継ぐ第2世代、第3世代の船であることを示しています。

2025年7月に就航した「飛鳥Ⅲ」は「飛鳥Ⅱ」と入れ替わったわけではなく、現在は2隻体制で運航されています。初代から受け継がれてきた日本流のおもてなしやクルーズ文化を継承しながら、新しい時代のクルーズを作る船という位置付けです。[参照]

つまり「船なのになぜ飛鳥?」という疑問へのポイントは、「飛鳥=飛ぶ鳥」ではなく「飛鳥=日本文化の飛鳥時代」と考えることです。そう見ると、「飛鳥Ⅱ」「飛鳥Ⅲ」という名前も、歴代の日本発クルーズ文化をつないでいくブランド名として理解しやすくなります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました