北海道・知床の「カムイワッカ湯の滝」は、温泉が流れ込む沢を歩いて登れる珍しい自然スポットです。20~30年前に訪れたことがある人の中には、滝壺にたまった温泉へ浸かり、天然の露天風呂のように楽しんだ記憶がある人もいるでしょう。
しかし現在のカムイワッカ湯の滝は、当時と利用方法が大きく変わっています。2026年は7月1日~9月30日に「カムイワッカ湯ノ滝のぼり」として利用できますが、以前のように予約なしで自由に川へ入り、昔の滝壺へ行って温泉浴を楽しむことはできません。
一方で、温泉が流れる沢そのものへ入ることは現在も可能です。予約したうえで一の滝から四の滝まで沢を登り、滝壺で水に入ったり、水着で楽しんだりすることはできます。ただし、昔「天然露天風呂」のように利用されていた上流の滝壺は地形が変化しており、当時と同じ感覚で入浴できる場所ではなくなっています。
- 2026年もカムイワッカ湯の滝には入れる
- ただし昔のように自由に入浴する方式ではない
- 20年ほど前に入った「天然のお風呂」のような滝壺は現在どうなっている?
- 昔のカムイワッカと現在では地形そのものが変わっている
- 現在でも水着で滝壺に入って遊ぶことはできる
- 四の滝付近は40℃近くになることもある
- 泉質はかなり強い酸性なので普通の温泉とは違う
- アクセサリーや電子機器にも注意
- 現在はヘルメット着用が必須
- 水着だけより速乾性のある服装がおすすめ
- ウォーターシューズはレンタルも可能
- 2026年は完全予約制で料金が必要
- 当日ふらっと行って川へ入ることはできない
- 参加できるのは小学生以上
- なぜ昔のような自由利用ではなくなったのか
- ヒグマによって当日利用中止になることもある
- 昔行った人ほど現在のシステムを確認してから訪れたい
- 現在のカムイワッカでできること・できないこと
- 温泉目的ならウトロ温泉と組み合わせるのもおすすめ
- まとめ:現在も温泉の沢には入れるが、20年前の「滝壺露天風呂」とは別物
2026年もカムイワッカ湯の滝には入れる
2026年度もカムイワッカ湯の滝では、「カムイワッカ湯ノ滝のぼり」という有料・予約制の自然体験が実施されています。
利用可能期間は2026年7月1日~9月30日で、利用できる範囲は一の滝より下流だけではなく、現在は四の滝までとなっています。
沢の中には温泉が流れており、下流から上流へ進むにつれて水温が上昇します。環境省の知床世界遺産センターが2025年に現地を紹介した際には、一の滝付近はぬるめで、四の滝付近では約40℃近くになることがあると紹介されています。
ただし昔のように自由に入浴する方式ではない
現在もっとも大きく違うのは利用制度です。知床斜里町観光協会は2026年度の案内で、以前のように川の中へ自由に入ることはできないと明記しています。
現在は事前予約を行い、指定された時間帯に受付をしてから入渓します。利用人数にも上限が設定されており、2026年度は1時間あたり30人、1日最大210人とされています。
つまり昔のように「カムイワッカへ車で行き、好きな時間に川へ入り、滝壺で温泉に浸かって帰る」という利用方法から、自然環境と安全を管理しながら楽しむアクティビティへ変更されています。
20年ほど前に入った「天然のお風呂」のような滝壺は現在どうなっている?
昔のカムイワッカ湯の滝を知っている人が特に気になるのが、上流にあった天然の湯船のような滝壺でしょう。
2026年の知床斜里町観光協会の案内では、落石によって四の滝の滝壺が埋まり、昔のように入浴するイメージではなくなっていると説明されています。
つまり現在も温泉の流れる沢へ入り、四の滝付近まで行くことはできますが、20年ほど前の記憶にある「深い滝壺に体を沈めて温泉に入る」という体験がそのまま残っているわけではありません。
[参照] 知床斜里町観光協会「2026年度 カムイワッカ湯の滝について」
昔のカムイワッカと現在では地形そのものが変わっている
カムイワッカ湯の滝は人工的に造られた温泉施設ではなく、自然の川と滝です。そのため年月が経てば落石、崩落、水流などによって滝壺の形状が変化します。
実際に利用者アンケートでも、25年ぶりに訪れた利用者から「昔利用した天然温泉が埋まっていた」といった趣旨の感想が寄せられています。また35年ぶりに訪れた利用者からも、滝壺の形が昔とは変わったという声があります。
20年ほど前の写真や旅行記を見て訪問すると、現在の姿との違いに驚く可能性があります。昔のカムイワッカを完全に再現した観光施設ではなく、自然環境が変化し続けている場所だと理解して訪れるとよいでしょう。
現在でも水着で滝壺に入って遊ぶことはできる
「昔のような入浴はできない」という説明は、川へ入れなくなったという意味ではありません。
公式サイトでは、水着を着用して積極的に滝壺で遊ぶ利用者もいると案内されています。通常歩く場所は水深10cm以下のところが多いものの、滝壺では水深が深くなる場所があります。
そのため現在の体験は「天然温泉へ入浴しに行く」というより、温泉が流れる沢を登り、途中の滝や滝壺で水遊びを楽しむ沢登りアクティビティと考えるほうが実態に近いでしょう。
四の滝付近は40℃近くになることもある
カムイワッカ川には知床硫黄山から湧き出した温泉が流れ込んでいます。そのため上流へ進むほど水温が高くなる傾向があります。
環境省・知床世界遺産センターの現地レポートでは、四の滝まで進むと水温が40℃近くになることがあると紹介されています。水温は気温などによって日々変化し、現地スタッフが測定しています。
したがって温泉らしい暖かさそのものは現在も楽しめます。ただし一般的な温泉施設の浴槽のように一定温度へ調整されているわけではありません。
[参照] 環境省・知床世界遺産センター「カムイワッカ湯ノ滝」
泉質はかなり強い酸性なので普通の温泉とは違う
カムイワッカ湯の滝の湯は、pH1.6程度とされる非常に強い酸性の温泉です。一般的な温泉施設より刺激が強いため、誰でも長時間入ってよいものではありません。
公式サイトでも、皮膚や粘膜が敏感な人は入浴に適さず、長時間の入浴は湯あたりや皮膚のかぶれにつながる可能性があると注意されています。
利用後に皮膚がかゆくなる場合もあるため、真水を用意して体を流すことが推奨されています。特に傷がある部分や目などへ湯が入ると強い刺激を感じる可能性があるので注意が必要です。
アクセサリーや電子機器にも注意
強い酸性の温泉なので、人の肌だけではなく金属類にも影響があります。
公式サイトではアクセサリーや電子機器が腐食・変色する可能性についても注意しています。指輪、ネックレス、時計などは事前に外しておくほうが安心です。
スマートフォンや車の鍵などを持って入る場合は、防水バッグへ収納することが推奨されています。単純な水濡れだけでなく、温泉成分による影響も考える必要があります。
現在はヘルメット着用が必須
現在のカムイワッカ湯ノ滝のぼりは、本格的な温泉施設ではなくバックカントリーで行う沢登りです。そのため安全装備が必要です。
参加者はヘルメットの着用が必須となっており、予約者には現地で無料貸し出しがあります。
また四の滝方面へ進む場合には、水の中を安定して歩けるウォーターシューズや沢登り用シューズが推奨されています。濡れた岩場での転倒・滑落の危険があるため、普通の観光地を歩く感覚で訪れる場所ではありません。
水着だけより速乾性のある服装がおすすめ
滝壺へ入りたい場合には水着を着用できますが、公式では肌の露出を抑えた速乾性のある服装も推奨されています。
例えば下半身はハーフパンツとタイツ、上半身は長袖シャツなどの組み合わせが候補になります。岩へ手をつく場面もあるため、軍手やグローブがあると便利です。
デニムなど水を吸って重くなる衣類は沢登りには向いていません。水着を下に着用し、その上から速乾ウェアを着る方法もあります。
ウォーターシューズはレンタルも可能
専用のウォーターシューズを持っていない場合にはレンタルサービスがあります。
2026年度はウォーターシューズの有料レンタルが用意されており、前日までWeb予約できます。在庫があれば当日に知床自然センターで申し込むことも可能です。
一方、ヘルメットは利用者全員へ現地で無料貸し出しされるため、自分で用意する必要はありません。
2026年は完全予約制で料金が必要
2026年度の利用期間は7月1日~9月30日です。予約は専用Webサイトで受け付けられています。
マイカーでアクセスできる期間の料金は、大人2,900円、小・中学生700円です。8月のマイカー規制期間はシャトルバスとのセット料金が設定されています。
以前無料で自由に入っていた人にとっては大きな変化ですが、料金には現地管理、安全管理、施設運営など現在の利用体制を維持するための費用が含まれています。
当日ふらっと行って川へ入ることはできない
道路が開通している期間であっても、予約せず勝手に川へ入ることはできません。
2026年度は道路自体が6月から通行可能になる期間がありますが、「湯ノ滝のぼり」の利用開始前である7月1日以前には川へ入ることが禁止されています。
利用期間中も予約者が受付を行ってから入渓する仕組みです。現地は携帯電話の電波が届きにくい場所でもあるため、ウトロなど通信環境のある場所で予約手続きを済ませておくほうが安心です。
参加できるのは小学生以上
2026年度の参加条件では、小学生以上が対象となっています。
未就学児、足腰に不安がある人、妊娠中の人、飲酒している人、骨折などをしている人は入渓できません。
昔は一般観光客が比較的自由に訪れていましたが、現在は安全上のリスクを理解したうえで参加する自然アクティビティとして運用されています。
なぜ昔のような自由利用ではなくなったのか
カムイワッカ湯の滝では、2003年度に落石の危険性が指摘され、2005年から一部区間が通行禁止となりました。2006年には一の滝より上流への立ち入りが禁止され、長い間利用範囲が大幅に制限されていました。
その後、上流利用の再開を求める声を受け、2021年度から試験的な利用が始まりました。2023年度からは予約制・人数制限を導入した形で利用され、2025年度から本格運用へ移行しています。
つまり現在の予約制は単なる観光地の有料化ではなく、落石や滑落、自然環境への影響などを管理しながら上流部を再び利用できるようにするための仕組みでもあります。
ヒグマによって当日利用中止になることもある
カムイワッカ湯の滝は知床国立公園の自然地域にあり、ヒグマが生息する場所です。
2025年度にはヒグマの出没などを理由として利用を中止した日もありました。2026年度も安全確保を優先した運用が続けられています。
予約をしていても、ヒグマ、豪雨、増水、落石など現地の状況によって当日の利用が中止される可能性があります。一般的な温泉施設の予約とは性質が異なる点を理解しておく必要があります。
昔行った人ほど現在のシステムを確認してから訪れたい
20年以上前に訪れた経験がある人の場合、「以前行ったことがあるから大丈夫」と考えやすいですが、現在はルールも地形もかなり変化しています。
昔は行けた場所が現在は立入禁止だったり、以前あった滝壺が埋まっていたりします。逆に、一時期は一の滝より上へ行けなかったものが、現在は予約制によって四の滝まで利用できるようになっています。
そのため「昔と同じカムイワッカへもう一度行く」というより、現在の新しい「カムイワッカ湯ノ滝のぼり」というアクティビティを体験する感覚で訪れるのがおすすめです。
現在のカムイワッカでできること・できないこと
| 内容 | 現在 |
|---|---|
| 温泉が流れる川へ入る | 予約した湯ノ滝のぼり参加者なら可能 |
| 一の滝より上へ行く | 可能 |
| 四の滝まで登る | 可能 |
| 四の滝より上へ行く | 不可 |
| 水着で滝壺に入る | 可能 |
| 昔と同じ大きな滝壺で温泉浴 | 地形変化により昔と同じ状態ではない |
| 予約せず自由に入渓 | 不可 |
| 通常の温泉施設のように長時間入浴 | 推奨されない |
特に誤解しやすいのは、「現在は入浴禁止」というわけでも、「昔とまったく同じ天然露天風呂が残っている」というわけでもない点です。
温泉目的ならウトロ温泉と組み合わせるのもおすすめ
カムイワッカは現在、ゆっくり湯船へ浸かって疲れを取る場所というより、温泉の沢を体験するアウトドアスポットです。
そのため「沢登りを楽しんだあと、ちゃんとした浴槽で温まりたい」という場合はウトロ温泉などと組み合わせると満足しやすくなります。
カムイワッカを天然温泉体験、ウトロを通常の温泉入浴という形で分ければ、昔とは違った知床の温泉旅行を楽しめます。
まとめ:現在も温泉の沢には入れるが、20年前の「滝壺露天風呂」とは別物
カムイワッカ湯の滝は現在も利用でき、2026年度は7月1日~9月30日に「カムイワッカ湯ノ滝のぼり」が実施されています。温泉の流れる沢へ入り、一の滝から四の滝まで登ることができます。
また水着を着用して滝壺で遊ぶことも可能で、上流の四の滝付近では40℃近い水温になることもあります。その意味では、現在もカムイワッカならではの天然温泉を体感できます。
ただし20年ほど前のように、予約なしで自由に訪れ、大きな滝壺へ浸かって天然露天風呂のように過ごすことは現在できません。落石などによって滝壺の形状も変化し、四の滝の滝壺は昔のような入浴をする状態ではなくなっています。
現在は完全予約制・人数制限付きの沢登りアクティビティとなっており、ヘルメット着用など安全ルールも設けられています。以前訪れたことがある人でも、昔の経験を基準にせず最新ルールを確認してから行くことが大切です。
言い換えると、「昔の天然露天風呂へもう一度浸かる」ことは難しい一方、温泉が流れる知床の沢そのものを歩き、現在の四の滝まで楽しむ体験は復活しているというのが2026年のカムイワッカ湯の滝です。
[参照] 知床斜里町観光協会「2026年度 カムイワッカ湯の滝について」
[参照] 環境省・知床世界遺産センター「カムイワッカ湯ノ滝」


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