高速道路をドライブしていると、運転席と助手席・後部座席では景色の印象が意外なほど違います。運転している人は前方の交通状況へ意識が向きますが、同乗者は横の景色を見る時間が長いため、どの車線を走っているかによって「景色が見やすい」「車ばかり見えてつまらない」と感じることがあります。
特に追越車線を走行していると、助手席や後部座席から隣の走行車線を見た際に、トラックや商用車、先ほど追い越した車が次々と視界に入ります。また中央分離帯側に座っている人は、防音壁やコンクリート壁が近く感じられる道路もあります。
もっとも、追越車線は景色を楽しむために長時間走り続ける車線ではありません。高速道路では原則として左側の通行帯を走り、追越しなど必要な場合に右側の車線を使用するのが基本です。そのため同乗者の快適性という面でも、通常は走行車線を中心に走るほうが自然です。
追越車線ではなぜ車ばかり見えるように感じるのか
片側2車線の高速道路を例にすると、左側の走行車線には大型トラック、バス、乗用車などさまざまな速度の車が走っています。右側の追越車線からそれらを追い越すと、助手席側の窓からは車両が後方へ流れていくように見えます。
例えば自車が追越車線を走り、左側に大型トラックがいる場合、助手席から見える景色のかなりの範囲がトラックの荷台で隠れることがあります。大型車を追い越すには数秒から十数秒程度かかることもあるため、同乗者にとっては「ずっとトラックの壁を見ている」という感覚になることがあります。
一方、左側の走行車線を走っていれば、助手席側に道路外側の風景が広がる道路では山、海、市街地などを見やすくなります。ただし道路構造や座席位置、進行方向によって見え方は異なるので、必ず走行車線のほうが景色がよいとは限りません。
中央分離帯側は壁や防音壁が近く見えることもある
追越車線は中央分離帯に近い車線です。道路によっては中央分離帯にコンクリート製の防護柵や遮音壁などが設置されているため、車窓を眺める同乗者には圧迫感が出ることがあります。
特に後部座席で中央分離帯側の窓を眺めていると、道路外の風景よりガードレールや壁が視界の大部分を占めることがあります。反対側を見れば、走行車線を走る車が次々に現れるため、「壁か車しか見えない」と感じる状況は十分あり得ます。
ただし高速道路には橋梁、高架、山間部、海沿いなどさまざまな構造があります。中央分離帯が低く反対車線の向こうまで見渡せる区間もあれば、道路両側を高い遮音壁に囲まれてどの車線でも景色がほとんど見えない区間もあります。
追い越した車が再び見えるのは珍しくない
追越車線から走行車線へ戻った後、しばらくすると先ほど追い越した車が近くに来ることがあります。これは不思議な現象ではありません。高速道路では車ごとの速度差がそれほど大きくないことが多く、渋滞や上り坂、料金所、ジャンクションなどで車間が再び縮まるからです。
例えば時速90km程度で走る車を時速100km程度で追い越しても、速度差は時速10kmです。その後、自車が前方の車列に追いついて速度を落とせば、先ほどの車が再び近づいてきます。
同乗者からすると「さっき見たトラックをまた見ている」と感じることがありますが、高速道路では自然なことです。無理に速度を上げて車間を広げる必要はありません。
そもそも追越車線をずっと走り続けるのは避ける
景色以前に重要なのが追越車線の使い方です。道路交通法では、車両通行帯が設けられた道路では原則として最も左側の車両通行帯を通行し、追越しなど一定の場合に右側の通行帯を利用するルールになっています。警察庁も高速道路で「追越しが終わったら走行車線に戻りましょう」と案内しています。[参照:警察庁]
つまり、空いている高速道路で「右側のほうが走りやすいから」という理由だけで追越車線を延々と走るのは適切ではありません。前方の遅い車を追い越したら、安全を確認して走行車線へ戻るのが基本です。
その結果として、助手席や後部座席からも道路外の景色が見える時間が増える場合があります。景色のために車線を選ぶ必要はありませんが、正しい通行方法で走っていれば、追越車線に居続けて「横がずっと車」という状況そのものが少なくなります。
景色を楽しむなら座席による違いも大きい
高速道路で景色を楽しみたい場合、走行車線だけでなく座席位置も重要です。山や海、都市のランドマークなどが道路のどちら側にあるかによって、おすすめの座席は変わります。
例えば海沿いの高速道路なら海側の座席、山岳道路なら谷側の座席のほうが遠くまで見渡せることがあります。反対に山側では法面やトンネル壁が近く、景色が見えにくいことがあります。
長距離ドライブなら、サービスエリアやパーキングエリアで休憩することも大切です。高速走行中の車窓では一瞬しか見えない風景でも、展望スペースのあるSA・PAなら安全にゆっくり楽しめます。
同乗者が快適に過ごすには景色以外も重要
助手席や後部座席にとって、長時間の高速道路は単調になりやすいものです。同じ速度で走り続けるため、一般道ほど街並みが変化せず、トンネルや防音壁の多い区間では特に退屈に感じることがあります。
景色を楽しみたい旅行なら、途中のSA・PAをあらかじめ調べて休憩地点を決めておくとドライブ自体が楽しみやすくなります。食事、ご当地グルメ、展望施設などを目的に組み込むと、高速道路での移動も旅行の一部になります。
一方、運転者は同乗者に景色を見せようとして不必要な車線変更をするべきではありません。車線は交通ルールと安全性を優先して選び、景色は安全な範囲で楽しむのが基本です。
まとめ:追越車線は同乗者から車や壁が多く見えることはある
高速道路の追越車線では、助手席や後部座席から見ると、走行車線にいるトラックや商用車、先ほど追い越した乗用車などが次々と視界に入るため、「車ばかりで景色がつまらない」と感じることは十分あります。
また中央分離帯側にはコンクリート壁や防護柵、遮音設備などが設置されている道路もあり、座席によっては道路外の風景が見えにくくなります。ただし景色の見え方は道路構造や進行方向によって大きく異なります。
そもそも追越車線は長時間走り続けるための車線ではなく、追越しなど必要な場面で利用し、終わったら走行車線へ戻るのが基本です。結果として通常走行では、道路外側の景色を楽しめる時間も増えやすくなります。
長距離ドライブで同乗者にも景色を楽しんでもらいたい場合は、無理な車線選択をするのではなく、景色のよいSA・PAで休憩したり、海や山が見える区間を事前に調べたりするほうが安全で満足度の高いドライブになります。


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