台湾は小籠包、魯肉飯、牛肉麺、夜市グルメなど食の楽しみが多い旅行先です。一方、牛乳や乳製品にアレルギーがある場合は、料理名だけを見て乳製品の有無を判断しないことが大切です。
伝統的な台湾料理には乳製品を使わないものも多い一方、現代的な飲食店や夜市ではチーズ、バター、練乳、クリーム、粉末クリーマーなどを使ったメニューも珍しくありません。さらに、同じ料理名でも店舗によって材料が異なるため、「この料理なら絶対に大丈夫」と決めつけることはできません。
乳製品アレルギーがある台湾旅行では、料理名の暗記より「牛乳・乳製品を使っているか店員に確認する」「包装食品はアレルゲン表示を見る」「重いアレルギーなら交差接触まで確認する」という考え方が重要です。
台湾料理は乳製品を使わないものも多い
台湾の伝統料理は、米、麺、豚肉、鶏肉、魚介類、豆腐、醤油、香辛料などを中心に作られるものが多く、西洋料理のようにバター、生クリーム、チーズを基本材料として頻繁に使用する食文化ではありません。
例えば魯肉飯、鶏肉飯、炒飯、青菜炒めなどは、一般的なレシピでは乳製品を主要材料としないものがあります。そのため、乳製品アレルギーがあるから台湾料理の大半を食べられない、というわけではありません。
ただし、これは「一般的な作り方」の話です。店独自の調味料、加工食品、ソースなどに乳成分が含まれる可能性があるため、アレルギーがある人は個別確認が必要です。
特に注意したいのはドリンク・スイーツ類
台湾旅行で乳製品に最も注意したいカテゴリーの一つがドリンクです。台湾ではミルクティー、タピオカドリンク、ラテ、奶茶などが広く販売されています。
中国語の「奶」はミルク・乳を連想させる重要な文字ですが、「奶茶」という名称だけで原材料を完全に判断することはできません。店舗によって牛乳を使う商品もあれば、クリーマーなどを使用する商品もあるためです。
また、台湾の食品当局は「奶精」と表示される包装クリーマーについて、乳を含まない商品と乳を含む商品を区別するための表示ルールを設けています。つまり、奶精という名前だけから乳成分の有無を断定してはいけません。[台湾FDA・奶精の表示規定参照]
パン・お菓子・夜市スイーツにも注意
ベーカリーの商品、ケーキ、クッキー、アイスクリームなどは、日本と同様に牛乳、バター、生クリーム、チーズなどが使用される可能性があります。台湾らしい商品だから乳製品不使用とは限りません。
夜市では、チーズを加えた屋台料理、練乳をかけるデザート、ミルク系かき氷などにも注意が必要です。例えば台湾のかき氷は氷と果物だけの商品もありますが、練乳を追加したり、乳成分を含む氷を使ったりする商品もあります。
「トッピングを抜けば大丈夫」と思っても、ベースとなる生地やソースに乳成分が含まれている可能性があります。重いアレルギーの場合は、単に見えているチーズやクリームを取り除く対応では不十分です。
小籠包や点心も店舗ごとの確認が基本
小籠包は一般的には小麦粉の皮、豚肉などの餡、スープを中心に作られ、乳製品を主要材料としないものが多い料理です。しかし、店舗ごとのレシピや派生商品までは一律ではありません。
特にチーズ入り小籠包など、伝統料理をアレンジした商品には当然乳製品が含まれる可能性があります。また同じ調理場で乳製品を含む商品を扱っている場合は、器具や作業環境を介した交差接触の問題もあります。
重篤な反応を起こす可能性がある人は「普通の小籠包だから大丈夫」と判断せず、店舗へ原材料と調理環境を確認するほうが安全です。
台湾の包装食品では牛乳・乳製品がアレルゲン表示対象
台湾では包装食品のアレルゲン表示制度があります。台湾食品薬物管理署(TFDA)の規定では、包装食品について牛乳・山羊乳およびその製品を含む11項目がアレルゲン表示の対象です。[台湾FDA・食品アレルゲン表示規定参照]
台湾FDAも、市販の包装食品について、牛乳・山羊乳、卵、ナッツ、ゴマ、大豆、魚など対象となるアレルゲンを含む場合には、包装へ注意表示を行う必要があると案内しています。[台湾FDA・アレルゲン表示案内参照]
コンビニやスーパーで包装された食品を買う場合は、「牛奶」「羊奶」「乳」「奶油」「乳酪」などの原材料だけでなく、アレルゲンに関する注意書きも確認しましょう。
覚えておきたい乳製品に関係する中国語
台湾で原材料を確認するときは、繁体字で乳製品に関係する単語をいくつか覚えておくと役立ちます。特に「牛奶」は牛乳、「奶油」は一般にバターやクリームに関連して使われ、「乳酪」「起司」はチーズを意味する表現として使われます。
| 台湾で見かける表記 | おおよその意味 |
|---|---|
| 牛奶 | 牛乳 |
| 羊奶 | 山羊乳 |
| 乳製品 | 乳製品 |
| 奶油 | バター・クリームなど文脈により異なる |
| 鮮奶 | 牛乳などの乳 |
| 奶粉 | 粉乳 |
| 乳酪・起司 | チーズ |
| 煉乳 | 練乳 |
| 奶精 | クリーマー類。乳成分の有無は原材料確認が必要 |
特に「奶油」は日本語へ機械翻訳した場合に意味が分かりにくくなることがあります。単語一つだけで判断せず、アレルギーであることを伝えて確認するのが安全です。
店員には「乳糖不耐症」ではなくアレルギーだと伝える
乳製品アレルギーと乳糖不耐症は別のものです。乳糖不耐症では乳糖を減らした商品が選択肢になる場合がありますが、牛乳のタンパク質に対するアレルギーでは「無乳糖」「低乳糖」だから安全とは限りません。
台湾FDAの乳製品表示でも「無乳糖」という表示が存在しますが、これは乳そのものを含まないという意味ではありません。[台湾FDA・乳製品表示参照]
店員へ伝えるときは、単に「牛乳が苦手」と言うのではなく、食物アレルギーであり、牛乳や乳製品を食べられないことを明確にすることが重要です。
台湾旅行前にアレルギーカードを作っておくと便利
中国語に自信がない場合は、スマートフォンの画面や紙に繁体字でアレルギー情報を用意しておくと便利です。口頭だけで伝えるより、店員が内容を確認しやすくなります。
例えば、牛乳・バター・チーズ・生クリーム・粉乳など、自分が避けなければならない食品を具体的に列挙しておく方法があります。交差接触でも症状が出る人は、その点についても事前に翻訳した文章を用意しておきます。
ただし翻訳アプリやカードを見せたから安全が保証されるわけではありません。店員が原材料を確認できない場合や意思疎通に不安が残る場合は、その料理を食べないという判断も必要です。
屋台・夜市では包装食品より確認が難しくなる
スーパーやコンビニの包装食品なら原材料・アレルゲン表示を確認できますが、夜市や小規模な飲食店では、その場で原材料を尋ねる必要があります。
また調理器具、鉄板、トング、油などを複数の商品で共用していることがあります。乳製品を含まない材料だけで作った料理でも、調理工程で微量のアレルゲンが混入する可能性は否定できません。
微量でも重篤な症状が出る人の場合、屋台で「乳製品を使っていますか」と聞くだけでは十分ではないことがあります。使用するソースや加工品の原材料、調理器具の共用まで確認できない場合は、包装された食品やアレルギー対応を確認できる店舗を優先するほうが安全です。
緊急時に備えて薬と医療情報を準備する
食物アレルギーの旅行対策は「何を食べるか」だけではありません。普段医師から処方されている薬がある場合は、旅行前に主治医へ海外旅行について相談し、必要な薬を携帯することが重要です。
特に過去に重いアレルギー反応を経験している場合や、アドレナリン自己注射薬を処方されている場合は、旅行中の携帯方法や使用後の受診について事前に医療機関へ確認しておきましょう。
台湾FDAも、食品を食べた後にアレルギー症状が現れた場合には速やかに医療機関を受診するよう呼びかけています。[台湾FDA参照]
まとめ|台湾旅行では乳製品の「見えない使用」に注意する
台湾の伝統料理には乳製品を主要材料としない料理も多いため、乳製品アレルギーがあるからといって台湾グルメをすべて諦める必要はありません。ただし、料理は店舗ごとにレシピが異なるため、特定の台湾料理を一律に「乳製品不使用」と判断することはできません。
特にミルクティーなどのドリンク、パン、お菓子、かき氷、練乳を使うデザート、チーズ入りのアレンジ料理、クリーマー類には注意が必要です。包装食品については、台湾では牛乳・山羊乳とその製品がアレルゲン表示の対象なので、原材料と注意表示を確認しましょう。
安全性を高めるポイントは、繁体字のアレルギーカードを準備し、店員へ「好みではなく食物アレルギー」であることを伝え、分からない場合は無理に食べないことです。症状の程度は人によって大きく異なるため、重いアレルギーがある場合は渡航前に主治医へ相談し、処方薬や緊急時の対応も含めて準備してから台湾の食事を楽しむことが大切です。


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